INTERVIEW
LOVEBITES
2024.08.21UPDATE
2024年08月号掲載
Member:asami(Vo) miyako(Gt/Key)
Interviewer:吉羽 さおり
-続く曲「Soul Defender」が本作からの2ndシングルになりました。こちらは馬力があって、さらにクラシカルな香りも併せ持った曲です。
asami:これは私たちがメタル・バンドですっていうのを、大きく表現できた曲じゃないかなと思います。もともと私がリフを作って、そこからMao君と頭から細かく細かく作り上げていったんです。なのでこれもすごく時間をかけて作っていて。
miyako:時間かけてたよね。バージョンが何個あるんだっていうくらいだった(笑)。
asami:それくらい時間をかけて、最終的にどうだこれでってところまで作ったんですけど、その瞬間に私が、リフが弱いなと思い始めてきちゃったんですよね(笑)。
-miyakoさんも言っていたまさに曲の根幹部分が(笑)。
asami:自分が作ったリフから始めた曲だったのに、曲が壮大になっていくにつれて、この曲になるとこのリフじゃ弱いんじゃないかと思い始めてきちゃったんですよね。自分が納得できなくなってきて、"リフが弱いかも"って言って、まず全員がずっこけるという(笑)。Mao君とかみんなも、"ここにきてリフゥ!?"って。ただ今までも私は自分が作っていようが作ってなかろうがどうでも良くて、楽曲としてのクオリティが納得できるかできないかでしか見ていないから、じゃあリフをもう一回考え直そうっていうので、全体の曲の雰囲気は変えずに、いかにどんなリフでパワーを増すか、いい感じのリフができるかに時間をかけて、最後にこれだってできあがったのが、今の状態なんです。
miyako:一回、間奏のパートも雰囲気がめちゃくちゃ変わったときがあったもんね。そのときは、そうじゃないってうちも言ったけど(笑)。
asami:間奏で曲をガラッと変えてみたらどうかって新しい試みもやってみたんですけど、これはちょっといらないねとなりましたね。ただ面白い仕掛けも入れられたので、最終的にはいい楽曲になったなと思います。
-この曲こそLOVEBITESが得意なところじゃないかなと思っていたので意外でしたが、だからこそ進化という面でのハードルが高かったんでしょうね。
asami:同じじゃいけないし、進化をどう入れ込むかは課題なので、それが大変だったかなと。それが間違った方向に行ってしまうときもあるので。"そういう進化じゃない"みたいな(笑)。良さを残しつつ、どうやっていい作品を作り上げるかは毎度、難しいところですね。
-パワフルな歌詞も曲にマッチしています。
asami:パワフルな内容にこの曲がぴったりだったので。でもね、この曲も、サビができたときにはもう"Remember, defender"みたいな韻を踏むイメージができていたので、サビから始まった感じでした。「Unchained」もそうですけど、繰り返しのメロディは印象的なワードでみんなが歌えるようにしたかったので、韻を踏みながら言葉を繰り返すのにまず重きを置いて作った感じでしたね。これは己のことを歌っている曲です。自分の内にある弱い部分に打ち勝つぞっていう内容になってますね。自分と戦って、前を向いて進んでいくぞっていう。
-また「Someone's Dream」ではメンバーそれぞれが主役となるパートがあって、もちろんfamiさんのベースもフィーチャーされていますが、famiさんが得意とするベースっていうのはあるんですか。
miyako:デモの時点では自分が適当にベース・ソロを弾いてたんですけど、自分はベーシストではないし引き出しもないから、famiが得意なことを全部詰め込んでよって。手癖でもスラップでもかっこ良かったらなんでもいいから、ライヴでやったときに"うわ、すごい!"ってなるようなことをやってみてとオーダーをしていますね。
-ツアーをやって長く一緒の時間を過ごしていくなかで、よりキャラクターが出てきた感じがありますか。
miyako:出すぎてるくらいだと思いますよ(笑)。一緒にライヴをやっていくなかで、こういうプレイが得意なんだなとかも分かってきたから、famiこんなやつやってよとか、そういうオーダーはベース・ソロにかかわらず注文しましたね。「Unchained」なんかもfamiならではのフレーズになってるんじゃないかなと思います。
-famiさんという存在もバンドにとっての新しいエッセンスですしね。その「Someone's Dream」はまさにEPのクライマックスという曲で、高揚感が駆け上がっていく抜群の曲です。
asami:この曲はmiyakoに聴かせてもらった瞬間、めっちゃいい曲じゃんというところから始まっているので、最初からみんなのお気に入りって感じだったんです。みんなが大好きな曲=リード曲になるかと思いきや、そこは私たちのいつもの感じで。大好きだから、一番いいからリードにしようっていうのは、私たちはないんですよね。もちろん5曲とも一番だって曲を揃えているんですけど、LOVEBITESの作品の良さは、買って曲を全部聴いてみたときに、リードやシングル以外にもすごい曲がある! というのを目標としているので。
miyako:分かる。
asami:「Someone's Dream」はライヴのセットリストでもいいポジションに置ける曲だと思うので、お客さんと同じ気持ちになれるような内容を書きたかったんです。ここからまだまだ先に向かいたいので、それをこの楽曲に込めて、また次のアルバムや作品に繋げていけたらいいなという気持ちでしたね。"まだまだ飛べる 私たちが一緒なら"という歌詞(※和訳)になっているんですけど、それって私たち5人だけの話じゃなくて、いつも応援してくれるファンのみんなと、私たちが全員が一緒だったらまだまだ先まで行けるよってことを描いているんです。応援してくれる人ありきで私たちもここにいられるので、お客さんも同じ気持ちで歌ってくれたらいいなと思います。
-そして今作のEPの完全限定盤Aでは、デビューEP『THE LOVEBITES EP』をリレコーディングした盤もパッケージされます。7年ぶりの再録、どうでしたか。
asami:たぶん私が一番分かりやすい変化を遂げているんじゃないかな。声1つとっても違うみたいな、若いなーっていう声だし。私自身が楽器なのでそこが一番分かりやすいんじゃないかなと思います。
-作品を重ねライヴを重ねてよりパワフルで、深みを帯びていますね。
asami:7年前に作品を出したときは、どう歌ったらいいのかなと、ちゃんと曲を解釈することが難しくて、どれが正解なのか迷っちゃっていたところがあったので、それがこの7年間でどんどん自分が構築されて、その変化がかなり出たんじゃないかなと思います。
miyako:asamiが歌のことを話したのでギターの話で言うと、7年間で上手になったと思いましたね。っていうのは、LOVEBITES以前にもバンドはやっていたんですけど、そのときは一般的なギター・ソロ8小節みたいな感じだったし、速弾きとかもなかったので、自分がこんなに速弾きをたくさんするようになるとは思っていなかったんです。当時のものを聴くと粗いなって思うところは今となってはありますね。当時もそのときの最大限でやっていたんですけど、7年経つと人は成長するもので。7年間演奏を続けてる曲だからというのももちろんあるんですけど、レコーディングはサクッと終わったし、シンプルなフレーズ1つ弾いてもビブラートの付け方やニュアンスの付け方で、大人になっても成長できるんだなって感じました。当時のままのフレーズにしても良かったんですけど、ほんのちょっとだけ変えてみたというお遊びも垣間見えるので、聴き比べてほしいなと思います。
-EPと同日に、ライヴ作品『MEMORIAL FOR THE WARRIOR SOULS』がリリースとなります。昨年の"JUDGEMENT DAY TOUR 2023"の最終日、人見記念講堂(昭和女子大学 人見記念講堂)でのライヴと、ボーナス映像として追加公演KT Zepp Yokohamaまでのツアー・ドキュメンタリーも収録されて、盛りだくさんですが、改めてとてもいいツアーだったことが伝わってきます。
asami:"JUDGEMENT DAY TOUR 2023"はすごくいいツアーでしたね。めちゃくちゃ楽しかったし、地方では3年半~4年ぶりくらいに行けたところもあったので。各地を回ってきて、結束力が最も高まった状態での人見記念講堂でのファイナルだったので、いいものが残せたんじゃないかなと思います。自然体の楽しさが出ているなって私たちも改めて観て感じました。
-ツアー・ドキュメンタリーではメンバーの普段の感じも垣間見えるし、人見記念講堂でのライヴのときに、Nuno Bettencourt(EXTREME/Gt)が観に来ていたというのもありましたね。
miyako:Nunoが来たのはびっくりで。
-あれってサプライズで来てくれていたんですか。
miyako:私たちのライヴの約1週間前にEXTREMEが人見記念講堂でライヴをやっていたので、自分の下見も兼ねてEXTREMEを観に行ったんです。そこで楽屋挨拶をさせてもらったときに、"来週私もここでやるんです"って言ったら、Nunoがマネージャーにスケジュールを確認しに行って、休みの日だとなって。なので、ダメもとで遊びに来てくれたらめっちゃ嬉しいって言ったら、"うん、行く行く"って感じだったんですよ。正直、社交辞令でおっしゃったんだろうなって思っていたんですけど、本当に来てくれたんです。ドキュメンタリーではNunoがステージを観ながら盛り上げているのも映っていて、嬉しかったですね。もうドキュメンタリーがメインでもいいかもしれないくらいってくらい、自分たちで観ていても楽しかったです。
asami:ドキュメンタリーは楽しいよね。ライヴが表だとしたら裏側の、誰も見られないところなので。そこが一番メンバーも自然体だったり、こういうことしてきたんだなとか、こんな気持ちなんだなって分かったりするので、ドキュメンタリーを収録してもらえるのは嬉しいし、観ていて楽しいですよね。
-現在進行形のツアー"THE THIN LINE BETWEEN LOVE AND HATE WORLD TOUR"で6月から7月にUK&EUを回り、9月からはいよいよUSツアーがスタートします。初のUSツアーへの期待感を聞かせてください。
miyako:アメリカはずっと行きたかったんですが、コロナもそうなんですけど、ヨーロッパ・ツアーよりもハードルが結構高かったんですよね。
asami:よりビザも厳しくなっていたりするんですよね。ツアーに行くこと自体が大変にもなっていて。
miyako:ようやくそこのハードルを越えていけることになったんですけど、数で言えば、自分のインスタのフォロワーとかでも日本人の次に多いのがアメリカ人なので、アメリカで待ってるよという声も何年も言ってもらっていたから、ようやくというところで。ツアーと、"ProgPower USA"というパワー・メタル系がたくさん出演するフェスにも出るので、それも楽しみですね。
asami:楽しみにしてるってメッセージをたくさん貰って、アメリカにもこんなに待ってくれてる人がいるんだなというのが目に見えて実感できているので、楽しみにしてますね。私は以前アメリカ、ロサンゼルスに留学をしていて、もちろん凱旋というわけではないですけど、そこに住んで、国歌斉唱をさせてもらったことがあるんです。その経験があったから、私は歌の世界に行きたいって思って日本に帰ってきたので、きっかけとなったのがアメリカだったんですよね。自分のバンドとしてアメリカに戻って歌えるのは感慨深いなと思ってます。
-またUSツアーを目前に、9月1日には、LOVEBITESとして最大規模のキャパとなる東京ガーデンシアターでのライヴ"THE THIN LINE BETWEEN LOVE AND HATE WORLD TOUR - JAPAN 2024"が開催されます。新作が発表されたところでもあり、観客の期待値が上がっているのでは。
asami:今回は"THE THIN LINE BETWEEN LOVE AND HATE WORLD TOUR"というタイトルで世界ツアーで、UK&EU、USと各国を回るその間に東京公演が入ってきてるので、私たちも"ヤバいもう東京のライヴじゃん"ってくらい、自分たちが追いついてない感じなんです(笑)。どういうライヴになるかはお楽しみなんですけど、UK&EUツアーで培ってきたものを東京で出せたらいいかなって思います。パワーアップした我々を観てもらえたらなと。
RELEASE INFORMATION
LOVEBITES
NEW EP
『LOVEBITES EP II』
2024.8.28 ON SALE!!
[Victor Entertainment]
【完全限定盤A】(2CD)
VIZL-2338/¥4,800(税込)
【完全限定盤B】(CD+Blu-ray)
VIZL-2339/¥4,500(税込)
【完全限定盤C】(CD+DVD)
VIZL-2340/¥4,500(税込)
【通常盤】(CD)
VICL-65981/¥2,500(税込)
[CD]
1. Unchained
2. Soul Defender
3. Where's Identity
4. The Bell In The Jail
5. Someone's Dream
[CD] ※完全限定盤Aのみ
『RE-LOVEBITES EP』
1. Don't Bite The Dust (Rerecorded 2024)
2. The Apocalypse (Rerecorded 2024)
3. Scream For Me (Rerecorded 2024)
4. Bravehearted (Rerecorded 2024)
[Blu-ray/DVD] ※完全限定盤B、完全限定盤C
Unchained Music Video
The Making Of...
ライヴ作品
『MEMORIAL FOR THE WARRIOR SOULS』
2024.8.28 ON SALE!!
[Victor Entertainment]
【Blu-ray】
VIXL-458/¥7,700(税込)
【2DVD】
VIBL-1147~8/¥7,700(税込)
【2CD】
VICL-65982~3/¥4,000(税込)
1. Call For Justice
2. We Are The Resurrection
3. Judgement Day
4. When Destinies Align
5. My Orion
6. Signs Of Deliverance
7. Rising
8. Dissonance
9. Above The Black Sea
10. Piano Solo (La Campanella)
11. Lost In The Garden
12. Drum Solo
13. Stand And Deliver (Shoot 'em Down)
14. Don't Bite The Dust
15. M.D.O.
16. Edge Of The World
17. Soldier Stands Solitarily
18. The Hammer Of Wrath
19. We The United
20. Under The Red Sky
21. Call For Justice (Reprise)
22. End Credits ※Blu-ray/2DVDのみ
[ボーナス映像] ※Blu-ray/2DVDのみ
THE JUDGEMENTARY
LIVE INFORMATION
"THE THIN LINE BETWEEN LOVE AND HATE WORLD TOUR - JAPAN 2024"
9月1日(日)東京ガーデンシアター
OPEN 17:00 / START 18:00
[チケット]
■一般発売中
詳細はこちら