INTERVIEW
BabyKingdom
2023.10.31UPDATE
2023年11月号掲載
Member:咲吾-shogo-(Vo) 志記-shiki-(Gt/Mani) もにょ-monyo-(Ba) 虎丸-toramaru-(Dr)
Interviewer:杉江 由紀
-さて。話題を変えて、ここからはカップリングの「ハナムコペンギン」についてもうかがって参りましょう。これはいわゆるウェディング・ソングになりますか......?
咲吾:そうとも言えますけど、まぁラヴ・ソングですね。これは、夏に「PENGUIN DIVE」のMV撮影をしたときにスタッフのひとりから聞いた"ペンギンって愛の象徴とも言われる鳥なんですよね"っていう話から生まれたものなんです。ペンギンの中でも、マゼランペンギンっていう種は離婚率が低いらしいんですよ。だから歌詞はそのことをテーマにしつつ、曲としては同期とかなしのストレートなギター・ロックみたいな感じで、詞は英語主体で歌いたいなと思いながら作りました。英語は得意なほうじゃないんですけど、ここでは愛をテーマに詞もストレートで、中学生でもわかるような英語を使って書いてます。
虎丸:ドラムもこれはめっちゃオーソドックスですよ。メロコアの基本みたいなテンプレートに沿った簡単な音になってて、初心者がコピーするのにもおすすめです。
もにょ:僕はピック弾きが苦手なんで指弾きしてますけど、この曲はピックでゴリゴリ弾くのも似合う曲になってますね。
志記:この曲に関しては咲吾から"ギター・ロックがやりたい"という話があったんですけど、僕もGREEN DAYとか大好きやったんで、その気持ちで勝負した曲ですね。ツアー先のホテルで作ったから鍵盤が手元になかったっていうのもあるし、シンプルに作りたかった曲でもあるので、ほんまにギターだけ使って数時間とかで作り切りました。
-それから、もう1曲の「AWAKING BEAT」(※B typeのみ収録)はペンギンの具体名称こそ出てきませんが、歌詞に"生存競争"という言葉が出てくるロック・チューンとなっております。この曲が生まれた背景はどのようなものだったのでしょうか。
志記:これは歌詞も曲も僕で、方向性としては1年に1回くらい来る"カッコいいギターを聴かせたい!"っていう衝動がそのまま形になった曲です(笑)。そして、べびきんにはたいていのヴィジュアル系バンドが好きであろうシンコペーションを前面に押し出した曲って実はないので、ここまで"完全に食った曲"は初めて作りました。ギタリストとしては、LUNA SEAのSUGIZOさんや、ex-Janne Da Arcのyouさんのことをリスペクトしながら弾いた曲でもあります。
-シンコペーションをこれだけ多用するというのは、虎丸さんとしても初めてのことだったわけですよね。
虎丸:僕はメタルとかハード・ロック、アニメ・ソングで育ってきたので、あんまりヴィジュアル系は通ってきてないんですよ。でも、ちょっと前の時代のアニソンは"食う"タイプの曲が結構多かったので、そういう面では馴染みがあるものとして楽しく叩けました。
もにょ:「AWAKING BEAT」には志記先生がちゃんともにょさんの生きるフレーズを入れてくれているので、僕としてもこれは弾いてて楽しかったですね。そして、べびきんって言うとほとんどの人はポップな曲を思い浮かべると思うんですが、僕ら自身の中では前回のシングル(2023年7月リリースの『ハイ逮捕/FAKE in PHANTOM』)で言うと「FAKE in PHANTOM」とか、最近は咲吾の声ってカッコいいタイプの曲もすごく合うよねという認識が強まっていたりするので、この曲ではその部分をよりフィーチャーできたと思います。
咲吾:そのぶん、歌の難易度はちょっと高かったですけどね(笑)。もしかしたら、去年の喉のコンディションが万全じゃなかった自分だったら、もう少し歌いやすい形にしてレコーディングしてたかもしれないです。でも、今の自分は"チャレンジしてみよう"って思えたし、予想していたよりは全然スルッと歌えたので良かったです。
-こうなってくると、今回の新曲3曲が生で聴けることになりそうな"winter oneman tour『WHITE STEAM』"も実に楽しみです。
虎丸:今度のツアーは、新しい何かを見つけに行く場にしたいですね。
咲吾:今回のシングル『PENGUIN DIVE』の中でも僕らは挑戦をいろいろしたんですけど、今回12月12日にツアー・ファイナルとしてやるZepp Shinjukuも、BabyKingdomにとっては自分たちで事務所を作って独立してから最大キャパでの挑戦になりますしね。以前にもZepp DiverCity(TOKYO)("BabyKingdom SUMMER ONEMAN TOUR 「Show me the FIVE!」~TOUR FINAL&咲吾Birthday~")に立ったことはあるとはいえ、今度のツアーではいかにあの当時の自分たちを乗り越えるのかという点も大きな挑戦になると思ってます。ツアーとしてはファイナルまでの1本ずつのライヴを各地で大切にしていきながら、来てくれたみんなに"今この時点でこんなにすごいなら、ファイナルはどうなっちゃうの!?"って思わせられるくらい高いクオリティのライヴをやってきたいし、今の自分たちならそれができるはずだっていう自信もあるんですよ。
もにょ:たしかに。ここまでBabyKingdomとして丸7年やってきて、今は8年目に入ったところなんですけど、ほんとに今が一番バンドとしていい状態になってるよなという実感も強く持っているので、今度のツアーはすごくいいものになりそうな予感がしてます。自分たちでもめちゃめちゃ楽しみですね。
志記:みんなの笑顔の美しさを、またたくさん引き出せるようなツアーにしてきます!