MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

Ailiph Doepa

2020.12.16UPDATE

Ailiph Doepa

Member:Eyegargoyle(Vo) Paprika Papriko(Gt) RedZibra(Ba) Donaldy Ketchup(Dr)

Interviewer:荒金 良介

-いざ2枚のアルバムに曲調を振り分けて、何かしら発見はありました?

RedZibra:一番振り切っているのは光盤の「Heart of Earth」だと思うんですよ。いよいよ、ディズニーのエンディングを取れるかなって(笑)。これもドーパだし、これがドーパと見られても平気だなと。それは発見でした。

-「Heart of Earth」はティンパニみたいな音色を入れてますよね?

Eyegargoyle:ティンパニ、コンガとかを打ち込みソフトで入れました。最近の打ち込みは優秀ですからね。

RedZibra:口笛、ラッパ、アコーディオン、一部シンセだけは生で入れました。

-闇盤よりも光盤のほうが新境地をガンガン開拓している印象は受けました。

Eyegargoyle:ボイスメモが一時期キャッチーなメロだらけになっちゃって。今までのアルバムの感じに盛り込むにはポップすぎると思ったんですよ。今回も勇気はいりましたね。

RedZibra:俺は全然。そうなの?

Eyegargoyle:俺はこれがちゃんと認められるのかなって......緊張してます。それにしてもポップすぎるかなと。

Papriko:全然だよ。俺は責任感じてるもん。ギター・サウンドでポップさが抜けちゃったかなって。ギターをポップにしたら、もっとポップになったんじゃないかと思ってた。

Ketchup:それを言うなら、俺だって悪かったよ(笑)。

-そこはバランスも考えたんですか?

Papriko:考えましたね。いつもはレスポールで重めの音を出しているけど、光盤はグレッチとストラトが8割で重すぎない音で録ろうと決めていたんです。でも、いざ録ったら、もっとポップでも良かったのかなと。

RedZibra:たぶん、もっとポップだったら、ふざけているように受け取られると思うんだよ。今の温度感はちょうどいいと俺は思ってて。

Ketchup:一貫したドーパ感はあるよね。

Eyegargoyle:みんなの中のポップ像が違うから。俺はシャウトとデス・ヴォイスなくして、全部メロにしたらポップだろぐらいの気持ちで。

RedZibra:いや、それはないよ(笑)。光盤にもリフものはあるし、ロックと言えばロックじゃん。

-特に光盤を聴くと、改めてEyegargoyleさんの歌唱力の高さに驚きました。

RedZibra:それは思いました(笑)。

Eyegargoyle:コミック・バンドじゃねぇぞって部分を見せたかったから。

-Serj Tankian(SYSTEM OF A DOWN)っぽさもありつつ、Freddie Mercury(QUEEN)っぽい伸びやかな歌声も良かったです。

Eyegargoyle:好きですからね。光盤のほうはわりとHugh Jackmanを意識してます。あの人はミュージカル俳優ですからね。

-光盤はこれまで敬遠していた人を振り向かせるポップさがありますよね。

Eyegargoyle:それは思惑というか、光盤から入ってくれたらいいなと。明るいドーパは認めねぇ、ダーク・サイドしか聴かないって人も多いと思うんで、そういう人も勇気を持って光盤を聴いてくれることを願ってます。

-闇盤がいける人は光盤もいけると思いますけどね。

Ketchup:誤解を恐れずに言えば、そんなに大差ない。

Eyegargoyle:ははははは(笑)。

-2枚のアルバムの楽曲をシャッフルしても成立しそうだなと。

Eyegargoyle:理想はふたつの作品を交互に聴いてくれたら、ちょうどいいのかなって。今回はダーク・サイド、ブライト・サイドからMVを1本ずつ(「My right hand thumb is a Kraken」、「Traffic jam」)同時に出すんですよ。MVの監督も変えて、クソふざけたものとオシャレなものと分けているんで、混乱させたいなと思ってます。

RedZibra:10年間やってきたからこそ、もう何をやってもいいのかなという。今までブレにブレてきたから。

-ブレにブレてきたという自覚はあるんですね?

RedZibra:ありますよ。

Ketchup:脱線が大好きなんで。

RedZibra:ブレの幅を広げてきたからこそ、今はどこにでもいけるかなと。

Eyegargoyle:これならラウドのフェスとポップのフェス、どちらのセットリストも組めますからね。

RedZibra:コロナで今はモッシュできないから、光盤の曲はちょうどいいかなと思います。たまたまですけど(笑)。

-たしかに! 闇盤の「UG-12」はカントリー風味の曲調もいいですね。

Eyegargoyle:それは"ウグイス"と読むんですよ。ギターのリフもホーホケキョのリズムなんです。「T.A.P」とこの曲は僕が高校生の頃にデモで作ったもので、当時のパッションをよみがえらせて成仏させてやろうと。あと、「New BleeeeeeeD!!!!!」は廃盤になった2ndアルバム『Curse of Art』(2014年リリース)収録曲(「BleeeeeeeD!!!!!」)の再録なんですよ。6分の曲を4分に短くしました。途中、MESHUGGAHみたいに変拍子でめちゃくちゃにしたくて、そこは挑戦ですね。

Ketchup:パターンを繰り返さずにずっと変わるアレンジですからね。

Eyegargoyle:光盤の最後の曲(「My ancestors are not fallen warriors, they are pirates」)も再録っす。「Shimokitazawa」(2017年リリースの3rdシングル『BONUS』収録曲)の落ち武者(fallen warriors)のところを海賊(pirates)仕様にして、KORPIKLAANIみたいにしようと。

-ヴァイキング・メタルですね(笑)。

RedZibra:(Eyegargoyleは)本当に先祖が海賊らしいです。

Eyegargoyle:事実を言ってるだけです。イギリスの僕の先祖は海賊だったんですよ。次回作からヴァイキング・メタルになるかも(笑)。そういう曲ばかりでも飽きちゃいますからね。

-闇盤も強力ですけど、光盤は驚くリスナーが多いと思います。「Mexican Pizza」はスパニッシュ風のギターを入れてますよね。

Eyegargoyle:サビのメロディだけボイスメモにあって、今回の企画っぽい作品に放り込んだらいいかなと。途中でクラシック・ギターも入れて、遊んでいるんですよ。「Traffic jam」もそうですけど、目を瞑ると画が見えてくる曲は意識しました。

-「Do the HUMAN」はシンプルでかっこいい曲調ですね。

Eyegargoyle:Bruno Marsを意識しました(笑)。

RedZibra:彼はそう言うんですけど、果たしてそうなのかなって。

Papriko:まったくBruno Marsとは思ってないけどね。

-もはや何をやってもドーパ節に聴かせられる説得力を感じさせる2作ですよ。

RedZibra:他のバンドはここまでできないと思いますね。

Eyegargoyle:光盤が気に入らなかったら、闇盤を聴いてくれと......リアクションにまだドキドキしているんですけどね。

RedZibra:俺は全然大丈夫だと思うんですけどね。

Papriko:闇盤もなんだかんだポップだから(笑)。