INTERVIEW
DEVILOOF
2019.06.28UPDATE
2019年07月号掲載
Member:桂佑(Vo) Ray(7strings/Vo) 愛朔(7strings) 太輝(Ba) 幹太(Dr)
Interviewer:オザキ ケイト
-では、どのようにこのアルバムの骨格を作っていったのですか?
桂佑:「拷訊惨獄」、「Dusky-Vision」、「流転」のMV三部作(※「流転」のMVはスケジュールの都合上撮影できず)がこのアルバムの核で、そこから隙間を埋めるように違った毛色の曲を肉づけしていきました。
-以前のインタビュー(※2016年8月号掲載)で"制作時は毎回クロスオーバーを狙う"と仰っていましたが、今回はどのようなクロスオーバーを意識されたのでしょう?
桂佑:今回はクロスオーバーというよりは"和"というものに、DEVILOOFとしてどういうアプローチができるかを考えて曲を作りました。
-そういう意味では、デスコアという音楽に和でアプローチをするというものも、洋と和の一種のクロスオーバーと言えるかもしれませんね。
桂佑:そういう捉え方もありますね。
-このアルバムの表題曲でもある「拷訊惨獄」はすでにMVが73万回再生を超えています。
太輝:もともと、表題曲は「ESCAPE」(『Devil's Proof』収録曲)のようにもっと聴きやすい曲にする予定だったんですよ。
-それがなぜこんな極悪な表題曲に......。
太輝:メンバーが脱退して新体制になるということでファンに不安な思いをさせてしまうのではというのがひとつ、もうひとつは同時期にJILUKAやDEXCOREといった同じ畑のバンドが台頭したことで、DEVILOOFの一番の強みを考えると暴虐性というところに行き着き、あえて一番いかつい楽曲を表題にして、ファンの不安もろとも払拭しよう、と。
-他のメンバーのみなさんはいかがですか?
幹太:ドラムがとてつもなく難しいです。さっきの話でもありましたけど、僕が加入する際に太輝さんからは"表題曲は聴きやすい曲を出す"と聞かされていたので、話が違いますよね(笑)。それで問い詰めたら"とりあえず(テンポを)倍にしといた"と言われました。
一同:(笑)
Ray:ヴォーカリストが作る曲って独特で、ギタリストが思いつかないような運指のフレーズを持ってきたりするので、この曲はとにかく忙しくてギタリスト泣かせな曲です。
太輝:桂佑君の作る曲は構成や展開にハッとさせられることが多くて、彼自身が奇抜さを狙ってるかはわからないですけど、ただ激しいだけじゃなく聴きやすい激しさなのが特徴ですね。
-愛朔さんはいかがですか?
愛朔:DEVILOOFってこんな感じで曲作るんだって思ったし、かっこいいしすげぇ好きっす。
太輝:リスナーの意見(笑)!
-そして、もうひとつの核である「Dusky-Vision」はなんといってもRayさんのクリーン・トーンのヴォーカルが肝だと思います。これまでもRayさんが歌う楽曲はあったと思うのですが、MVでフィーチャーされるのは初めてですよね?
太輝:Ray君が歌う曲って『Devil's Proof』で言えば「RETURN OF THE CURSE」ですけど、あの曲はアルバムを聴くかライヴで実際に観ないと行き着けないじゃないですか。「拷訊惨獄」はDEVILOOFの暴虐性という個性を表現しましたが、「Dusky-Vision」ではこんなに歌えるギタリストがいて、こんな曲も作れるという一面を発信したかったんです。
桂佑:Ray君が加入するときになんの目論見もなくツイン・ヴォーカルという形式にしたので、『Devil's Proof』のときはツイン・ヴォーカルを映えさせる曲作りまで手が及ばなかったんです。なので、今回は満を持してツイン・ヴォーカルが映えることを意識して曲を作りました。
-Rayさんは「Dusky-Vision」に関していかがですか?
Ray:デモを聴いたとき、キーが高すぎて"こんなん歌えるか!"ってなりました(笑)。MVが公開されて僕の歌への反応の多さを見て、前のアルバムでも僕が歌っていることがこんなにも知られていないんだと改めて実感しました。