INTERVIEW
Dizzy Sunfist
2018.01.16UPDATE
2018年01月号掲載
Member:あやぺた(Vo/Gt) いやま(Vo/Ba) もあい(Dr/Cho)
Interviewer:荒金 良介
-「Haribo」も珍しいテンポ感だなと思いました。
もあい:その曲もスッとできたんですよ。スタジオでギターを弾いたら、あやぺたが鼻歌を乗せてきて、これいいんじゃないって。
-ドラムとベースで始まるイントロも新鮮でした。そして、「Paradise」にはホーンを入れてますよね?
あやぺた:ホーンもずっと入れたかったので、今回やっとできました。ORESKABANDのSAKIさん(Tp)に吹いてもらったんです。仮タイトルは"暗いスカ"だったんですよ。
-ダーク&ライト感はありますねぇ。大人っぽい曲調だなと。
もあい:エンジニアの人に"スカというより、レゲエですね"と言われて"それや!"って。俺らはレゲエを取り入れた曲がなかったから。
あやぺた:ちょっとレゲエを聴いてみたら、面白いなぁと思って。自分なりに表現してみました。
もあい:ドラムもレゲエというキーワードを意識して、ザ・レゲエみたいなフレーズを入れたんですよ。ベースもわざと抜いたりするレゲエっぽさを意識して。
いやま:最初はどうすればいいのわからなくて、難しかったですね。
-それと今回はmasasucks(FULLSCRATCH/the HIATUS/J BAND/RADIOTS)をプロデューサーに迎えてますよね?
あやぺた:このふたり(あやぺた、もあい)が曲作りで言い合いになるので、それもありだけど、そのうえで司会をしてくれるような人が欲しくて。
もあい:次のアルバムを出すときにmasaさん(masasucks)に頼みたいとあやぺたが言ったときに、ありだなと思ったんです。バンド力やクオリティを引き上げたいと思ったから。毎回、自分たちなりの傑作を作ってきたつもりだけど、今回はもっと引き上げたいという気持ちが強くて。
あやぺた:今回はmasaさんと化学反応できたと思います。masaさんは技術もすごいし、笑わせてくれるし、すべてを曝け出してくれたから、ウチらもすべてを曝け出すことができたんですよ。お互いに真っ裸で作れたからこそ、いいものができたなと思ってます。
-曲中に笑い声も入ってたり、音から人間味も伝わってくる内容ですもんね。
もあい:そこもmasaさんが壊してくれました。ウチら3人ともレコーディングが嫌いなんですよ(笑)。制作は好きなんですけど、レコーディングだと、ナーバスになりすぎて、ズンとテンションが落ちるから。
あやぺた:今回はレコーディングが楽しくて。終わったときは嬉しかったけど、masaさんに会えない日々が寂しくて。お腹痛いくらい笑ったし、真剣にやるときは真剣にやったし、そのメリハリも良くて。学校を卒業したみたいな感覚になりました。"先生にまた会いたい"みたいな(笑)。
もあい:誰かと何かを作るうえでは人間性も大事だなと思いました。
-今作は楽曲はもちろん、歌詞もすごく良くて。1~5曲目までは1行目に不安や危機感を吐露した内容になっているんですが、同じ曲の中でその答えを自分で出してるんですよね。
あやぺた:それは無意識ですね(笑)。日本語の曲も聴くようになったし、いろんなバンドの歌詞も読むようになったんですよ。それで、自分にしか書けない歌詞ってなんやろって。英語やけど......Hi-STANDARDも英語なのに日本語訳が頭の中に出てくるから、そういう歌詞を書きたかったんですよ。
-「No Answer」も"答えはないんだ!"という答えをはっきり出してますもんね。
あやぺた:あぁ、そうですね。
-歌詞にも覚悟が出てきたなと。
あやぺた:そうっすね。これからもっとバンドに集中していきたいし、このアルバムでもっと夢を叶えようと思ったから。
ウチらもメンバー3人で一丸となって闘えるようになった
-"未来に向かって/目標を果たすんだ"(「Into The Future」の歌詞和訳)と歌詞にも綴ってますよね。あと、「Genius」の"でも天才じゃないって理由だけで/夢を諦めたくない/わたしから何も奪えないよ"(歌詞和訳)の歌詞には勇気づけられる人が多いと思いますよ。
あやぺた:ほんまに思ったことを書いただけです。いろんなバンドを観て、この人は天才やなと思った反動で書いた歌詞なんですよ。ウチはウチにしかできないことをやろうと。うまい人を見ると、めっちゃヘコむんですよ。自分は全然あかんわって。でもそこで爪痕を残せるように、自分たちの長所を探す機会が増えたから。ウチらもメンバー3人で一丸となって闘えるようになったし、それが今作にも出てるんじゃないですかね。