INTERVIEW
LINKIN PARK
2014.05.21UPDATE
2014年05月号掲載
Member:Chester Bennington (Vo) Rob Bourdon (Dr)
-KROQ(全米で最も有名なロック専門ラジオ局)を聴いていると、"え?これって本当にKROQ?"みたいな感覚がありますよね。
C:そうだろ。KROQがアダルト・コンテンポラリー音楽のステーションみたいになっている。音楽そのものには文句はないけれど、聴いている音楽が何かを欺くことに問題があるんだ。例えば、メディアの見出しで"ガンの治療薬を発見!"とうたっておきながら、中の記事でLindsay Lohanがパーティーで泥酔していたことを書くようなことは許せない。それはやってはいけないことなんだ。俺は自分の音楽に嘘をつきたくない。ロック専門ラジオでアダルト・コンテンポラリーなポップ・ソングはかけちゃいけないんだ。それは頭にくるね。いい曲だったとしてもね(笑)。それが今の音楽シーンに起こっている問題だと思うんだ。それでアルバムを制作し始めたときに、Mikeが最初に持ってきて取りかかった曲がある。Rob覚えてる?俺は好きだったよ。俺たちがヴァイヴを投入して作り込めばクールになることがわかっていたから(笑)。でもMikeは途中で"やっぱり俺は嫌いだ"と言い出して、それから別の曲を提示してきた。これがのちに「Guilty All the Same」になるんだけど、この曲のオープニングの最初のリフを聴いた時"どう思う?"って言ってきたMikeに"イエス!!オッケーだよ。最高だ。もうこれしかない!アルバム、全曲この方向性で行こう!"って叫んだね。もう俺は大興奮したよ。"俺に今すぐにでもスクリームさせろ!"って(笑)。わかる?こういう久々のフィーリングがあった。俺が失っていたのはそういうハードで重厚なサウンドなんだ。曲にオリジナリティと、クールさをもたらすことは大変なことだ。でもこの方向性の決定は本当にエキサイティングだった。1度その方向性が決まれば、進む道は明確だったよ。
-具体的にプロセスをお聞きしたいのですが、試聴したTrack.1の「King To The Kingdom」はのっけからいきなり超ヘヴィでスクリームも満載で、またLINKIN PARKが音楽シーンをエキサイティングなものにしてくれた!と興奮しましたが、あがってくる新曲のサウンドを聴いている間に自然と叫びたい気にさせられた感じということでしょうか?まず絶叫から始まった曲とかもありますか?
C:ソングライティングの過程ということでは、MikeとBradが中心になって曲をつくるという点で『Hybrid Theory』と近いところがある。それで俺として常に可能な限りスタジオに入るし、"いつでも俺が必要だったら言ってくれ"という感じでいる。「Guilty All the Same」をレコーディングした時は、Mikeからとりあえずスキャットしてみてどんな感じになるかみてみようという始まりだったけど、結局はスクリームしてクレイジーにぶちかまそうぜ、ということになった。つまりこれが俺たちがインスパイアされることなんだと思う。メロディアスな曲にしようとかいろいろトライすることもあるけど、やっぱりこれはファッキン・スクリームだ、これは!となる。俺のスクリームが好きでたまらないだろ、みんな。俺の定番だ。俺のヴォーカルと、スクリーム少々......これで完璧だ(笑)。ウケる話なんだけど、レコーディングで、じゃあこの曲をもっとクールにしよう。ギターのパートは上出来だ、ダブル・ストロークのドラムとそれからシュレッディング・ギター入れようぜということになった。普段はやらないけどね。ダダダダダダ......とRobが激しく叩きまくってるから、俺は思わずRob、おまえもしかして1人で......。
R:ヌイテると思った(笑)?
C:(笑)とにかくクレイジーなんだよ。クールだけどめちゃくちゃ激しいんだ。Bradだってそうだよ。Bradの中にもギターを始めて夢中になった15歳の頃の速弾きギタリストがいるんだよ。俺たちはわかってる。あいつ自身もわかってる。俺もそういう気持ちでスクリームした。つい最近、BRING ME THE HORIZONのOri(Vo)とインタビューをしたんだ。全然知らなかったけど、彼はLINKIN PARKの大ファンで、彼が最初にメタルハマーだか何かの雑誌に掲載されたのは、LINKIN PARKのコンサートで観客として超盛りあがっている姿だったらしいよ(笑)。『Hybrid Theory』は彼にとって人生を変えた1枚で、ロック・ミュージックや俺たちがこれほどまでに影響力があったのか、とにかく驚いたよ。彼が今そうしているのは、俺たちがやってきたことから、インスパイアされてるんだ。彼が俺たちに会った時、言葉にならない声を出して、感動してたよ。それはまさしく俺が望むところだ。これからもそういう音楽を作っていきたいと思うんだ。『Hybrid Theory』が人々に影響を与えたように、ヘヴィ・ミュージックをつくりたいと。それは同時に俺たち自身をインスパイアしてくれることでもあり、お互いに刺激し合ってさらに上のレベルを目指すんだ。俺たちの最初のアルバムが完成して、それを最初にみんなで一緒に聴いた時、収録順に頭からかけたんだけど、コンピュータの故障か何かで半分くらいで止まっちゃったんだ。再開するまで数分かかったけど、俺はその間に思わず"俺、もう超疲れた。聴いてるだけで疲れたよ"ってつぶやいたよ。もうそのくらいヘヴィでクレイジーだったね(笑)。でも同時にそれだけハッピーだったということなんだ。