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FEATURE

LINKIN PARK

2012.06.09UPDATE

2012年06月号掲載

ラウドロックはLINKIN PARK抜きには語れない――21世紀最重要アルバム『Living Things』日本先行リリース

Writer ムラオカ

00年の冬頃、今はなき心斎橋タワレコのレジ横にあったラウドロック・コーナーの試聴機に入っていた1枚の輸入盤を再生した瞬間、興奮で全身に鳥肌が立ったのを今でも鮮明に記憶している。LIMP BIZKITともKORNとも異なる、ハイブリッドなエレクトロ・サウンドやスリリングに交錯するラップとシャウトのツイン・ヴォーカル、そしてなにより聴くものを魅了する美しすぎるメロディ、そのすべてが衝撃だった。LINKIN PARKの1stアルバム『Hybrid Theory』がそれである。

LINKIN PARKは、ロサンゼルスで高校の友人だったBrad Delson (Gt)とMike Shinoda (Vo)が、ANTHRAXとPUBLIC ENEMYのジョイント・コンサートに衝撃を受け、バンド結成を決意。同じ学校のRob Bourdon (Dr)と、絵画を学んでいたDJのJoe Hahnを誘い、96 年からHYBRID THEORYという名前で活動を始め、アリゾナ出身のChester Bennington (Vo)が98年に加入したところから本格始動するが、同名のバンドがすでにいたために、LINKIN PARKと改名する。
そして00年10月『Hybrid Theory』がリリースされると、世界各国のロック・ファンが彼らに夢中になり、全世界で2,500万枚を超え、01年アメリカで最も売れたアルバムとして認定される。その後彼らは03年『Meteora』、07年『Minutes To Midnight』、そして10年『A Thousand Suns』とオリジナル・アルバムを3枚リリースするが、リリース毎にロック+ヒップホップというミクスチャー・スタイルから脱却していき、『A Thousand Suns』に至ってはロックに括るのでさえ違和感を覚えるほどにボーダレスに進化をみせた。この作品はアメリカをはじめ各国にて1位を獲得(日本でもオリコン2位)するが、元来彼らが得意としていたヘヴィなロック・サウンドから大きく遠ざかり、原子爆弾の開発者、オッペンハイマーが核実験を目撃した時に口にした言葉を引用したという重苦しいアルバム・タイトル、そしてテーマはファンの間でも賛否両論を呼んだ作品となった。

次のフル・アルバムのリリースまで3年から4年の期間が開くと思われたが、彼らの創作意欲は止まることなく、今年4月には早くもニュー・アルバムからの先行シングル「Burn It Down」をリリースしている。Chesterは、新曲「Burn It Down」についてこう語っている。
“この曲を1stシングルに選んだ理由は、バンドのノイジーで激しい過去と、優美でエレクトロの影響を帯びた現在を織り交ぜた、ニュー・アルバムで成し遂げようとしている全ての要素を示した楽曲だから。だからこそファースト・シングルに選んだんだ”
そしてシングル・リリースから2ヶ月後の12年6月、ついにニュー・アルバム『Living Things』をリリースすることとなった。
Mikeのラップが冒頭から炸裂するTrack.4「Lies Greed Misery」や、アグレッシヴな演奏から始まり、Mikeの性急なラップやChesterが曲のタイトルである“Victimized”を血管が千切れるほどのスクリームで連呼するTrack.7「Victimized」などは聴き手のアドレナリンを増幅させるには十分すぎるものとなっている。“初期サウンドの復活”などと安易なものでは決してないが、或いは、『Hybrid Theory』のアップデート版的解釈と言えなくもない。『Hybrid Theory』の熱量を『A Thousand Suns』に注入したといった感じだろうか。ただ決して懐古主義になることなく、先行シングルであるTrack.3「Burn It Down」やTrack.8「Roads Untraveled」、Track.12「Powerless」など哀愁溢れる、神々しい重厚なシンセが包み込むLP流バラードはもちろん、60年代的なメロディ展開とエレクトロ・サウンドのミックス具合が面白いTrack.9「Skin to Bone」、混沌とした前衛クラブ・ミュージックと例えたくなるTrack.10「Until it Breaks」など、さらなる進化を求めた異彩を放つ作品となっている。

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