MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

LIVE REPORT

The Winking Owl

2016.12.21 @渋谷CLUB QUATTRO

Writer 吉羽 さおり

東名阪を回ったThe Winking Owlのセカンド・ツアー、"Wink The Future 2016"のファイナルが渋谷CLUB QUATTROで開催された。この日のゲストは、SpecialThanksとBAND PASSPO☆。まず会場をあたためたSpecialThanksは、2016年5~6月に行ったThe Winking Owlの"BLOOMING TOUR 2016"でもサポートを務め、またSpecialThanksがミニ・アルバム『heavenly』をリリースした際のツアーでは、The Winking Owlがサポートを務めた。それぞれのバンドがMCでも語っていたが、2016年最も一緒にライヴをした間柄でもある。「DOUNARUNO!?」でスタートしたSpecialThanksのステージは、ハンドクラップやシンガロングで溢れた。重ねてきたライヴの濃さを感じさせる、馬力のあるバンド・アンサンブルとポップさは心地よいドライヴ感がある。また最近はレコーディングも行っているということで、"私たちにとって一番新しくて、ワクワクする曲" とMisaki(Vo/Gt)が言い、新曲も披露した。軽やかで、これぞSpecialThanks節と言える、胸がキュンとなるようなポップなウィンター・ソングで、The Winking Owlのツアー・ファイナルを祝した。

続いて登場したのは、7人組のアイドル・グループ PASSPO☆のバンド編成版、BAND PASSPO☆。2016年からバンドでの初ワンマンを開催するなど、本格的に活動を始めたということで、"バンドとしては新米で緊張しています"と語りながらも、観客にあたたかく迎えられながら振付をレクチャーして盛り上げ、キャッチーな50s風のガレージ・ポップやアメリカン・ロック・サウンドによる華やかなステージで魅せた。


そしていよいよ、The Winking Owlが登場。壮大なSEとともに、Yoma(Gt)、KenT(Dr)、サポート・ベーシストがステージに現れ、1曲目「Open Up My Heart」のイントロでLuiza(Vo)が登場し、歓声のなかシルキーで力強いヴォーカルを響かせる。シングル曲でもあり、2016年5月にリリースした1stアルバム『BLOOMING』の幕開けとなったこのアンセムは、タイトなアンサンブルによって鋭さを増している。間髪いれず、KenTのキレのいいドラミングでスタートした「Sparkle Light」もまた、一段とタフになった演奏だ。スピード感のあるビートと、Yomaのギターの滑らかなフレーズが曲の明るさをパワーアップさせる。ポジティヴなベクトルを持ったサウンドと、Luizaの柔らかく、奥行きのあるヴォーカルとの相乗効果で、会場がぐっと一体化する。
"渋谷、調子はどうですか? 「Wink The Future」にお越しいただきありがとうございます。楽しい1日を作っていきたいんですが、ついてきてくれますか?"というLuizaの挨拶から、「This Is How We Riot」、「Broken」を聴かせた。ミディアム・テンポでエモーショナルに響かせる「Broken」。このバンドの描く、美しく、切ないメロディ・ラインが冴える曲だ。また、"このツアーで新曲を持ってきました"というLuizaの紹介で披露されたのは、ダンサブルなロック・チューン「Now What?!」。ライヴ・バンドとしてのノリが感じられる、骨太なアンサンブルとバンド・グルーヴが光る。2016年はアルバムを引っ提げて、The Winking Owlとしては初めての長いツアーを組んだ。また、フェスや他のバンドのツアーにゲスト出演する、ライヴ中心の1年となった。その一方で、ベーシスト Ranmaluの脱退があり、Luizaが急性喉頭炎でライヴを順延するといった出来事も、乗り越えてきた。長く立ち止まることなく、まっすぐ前を向いて走ってきたThe Winking Owlの姿が、しっかりと新曲にも映っている。生真面目にひとつひとつを消化して、バンドを磨き上げながら進んできている3人の姿勢もよく見える曲だ。そこから、さらにダイナミックに進化を遂げている「Precious」を披露し、ライヴは終盤へと向かっていった。

改めてこの日ゲストで登場した、BAND PASSPO☆やSpecialThanksを紹介したLuiza。SpecialThanksについては、お互いに2016年に作品を出して、初めて本格的に長いツアーを行ったということで"戦友のような感じ"だとも付け加えた。サウンドの方向性は違うものの、女性ヴォーカルのバンド同士というシンパシーや、ライヴを通して同じ時を過ごし苦楽を共にした時間はかけがえのないものだろう。これからそれぞれが活動をしていくうえでも、頼もしい存在になる、いい関係性だ。

「フリージア」、そしてドリーミーでエモーショナルな「Here For You」と続き、Luiza が"みんなの毎日が、笑顔いっぱいに咲き続けますように"と述べると、最後に「Bloom」を演奏して駆け抜けていった本編。フロアではたくさんの拳が高くつき上がり、Luizaの"また遊ぼうね"の声で大きな拍手へと変わった。充実感のある、いいライヴだった。アンコールでは、現在レコーディングをしていて、春にはニュー・ミニ・アルバムをリリースすることが決定したとアナウンスしたThe Winking Owl。最後は躍動的で強い煌きを放つ「Stars」で、アッパーに締めくくった。メンバーのいい笑顔に、2017年への期待も高まったツアー・ファイナルだった。

[Setlist]
1. Open Up My Heart
2. Sparkle Light
3. This Is How We Riot
4. Broken
5. Now What?!
6. Precious
7. フリージア
8. Here For You
9. Bloom
en1. Stars

  • 1