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LIVE REPORT

KNOCK OUT MONKEY

2014.06.22 @LIQUIDROOM ebisu

沖 さやこ

2月にリリースしたフル・アルバム『INPUT ∝ OUTPUT』を引っ提げて、全国12箇所を回ったワンマン・ツアーのファイナルとなったLIQUIDROOM公演。7月25日になんばHacthでの追加公演が予定されているというものの、ファイナルという意識が強く出た、ツアーの充実を物語るライヴだった。SEとして流れた、アルバムの1曲目である映画のオープニングのように壮大な「Prologue ~Battle against the Apes~」が鳴り止むや否やw-shunのアカペラで「I still」がスタートすると、この瞬間を待ちきれなかったフロアからは早速クラウド・サーファーが現れる。ソフトなギターからラウドに変貌する「You have got freedom」へ。存在感を放つw-shunの歌とメロディ。dEnkAの奏でるフレーズもHR/HMテイストを随所に盛り込み、5弦ベースで刻まれる亜太のパワフルな低音も、展開を変えるたびにリズムを巧みに操るナオミチのドラミングも生き生きと輝く。歌を大事にしたアレンジが際立つ『INPUT ∝ OUTPUT』は、引き算が効果的に使われた楽器隊のアンサンブルの賜物なのだ。と、実際ライヴで4人の音を聴いてしみじみ思った。感情を叩きつけるように攻撃的な「Bring it back」はひたすらにエッジが際立ち、その研ぎ澄まされた音の厚みが心地よい。4人がライヴで培ってきたグルーヴを堂々と見せつけ、場内からは大きな歓声が湧いた。

"ツアー・ファイナルにようこそ!"と高らかに叫んだw-shunが"前から後ろまでしっかり見えてるんで、最後まで自分らなりの遊びかたで遊んでください"と告げ、「Change」へ。横ノリの軽快なリズムにOiコールが湧き、フロアは力を抜いて音を楽しむ。w-shunがこの日初めてのハンド・マイクでのパフォーマンスを見せた「実りある日々」では、詞の内容に合わせて体を動かしながら歌う彼の姿に1曲1曲に込めた想いの強さを感じる。途中"LIQUIDROOMはみんなフリーダム"と歌うなど、会場全部がひとつになれるようなピースフルで素直な音にたくさんの笑顔が生まれた。すると一転、w-shunがハットをかぶり「Gun Shot」「Gun Shot2」と、歌謡曲的な妖艶なメロディとハードなサウンドのコントラストで魅せる。フロアを熱狂の渦に巻き込むだけでなく、ロマンチックな余韻に浸らせることができるのはこのバンドの強みだ。

するとdEnkAがアコギでボサノヴァ風のギターを爪弾き、それをループさせてBGMに。汗まみれのフロアにメンバー全員で水が入ったペットボトルを配ると"1時間半という時間を与えてもらえるワンマンで何をしようかなと考えた結果、ここでみんなと休憩したいと思います"と突然の休憩タイム。w-shunはタイアップ曲を担当することも決定してる"名探偵コナン"の漫画をステージ上で椅子に座り読むなどして会場を笑わせる。このツアーでコピー、パート・チェンジのセルフ・カヴァー、ひたすら喋り通したりなど、様々な"休憩"を提供してきた彼らがファイナルに選んだのは「realize」のアコースティック・アクト。リラックス・ムードが漂うなか、w-shunはフリースタイルのラインを盛り込み、熱く優しく歌い上げる。カホンやアコギを用いたやわらかいサウンドと、スケールのあるヴォーカルに、しばし酔いしれた。

"ちょっと寒なってきた?暑いのする?""関係者の人が我慢できなくなるくらいの空間作ってもらっていいですか?"と「The large world」で再びエンジンを掛ける。dEnkAの渋みを効かせたギター・ソロにナオミチがドラムを重ね、w-shunが"本気でやるから本気でかかってこいや!"と「Challenge & Conflict」へ。強烈な亜太のスラップが攻め入り、ハードでヘヴィな音がフロアを突き抜ける。"大事な人のために作った"という「Dear」では、その真摯な気持ちに応えるように観客もステージに熱視線を向ける。続いて"本気出させてもらっていい? 全力でかかってこい!"と「Paint it Out!!!!」。フロアのシンガロングも以前以上に力強くなり、バンド内だけでなくファンにとってもアンセムとして育っていることを再確認する。彼らの曲のエネルギーの根源にあるのは憤怒や悔しい気持ちなのかもしれないが、それをそのまま垂れ流すわけではない。困難や壁をぶち壊すポジティヴなエネルギーに変換して、自分たちだけでなく人々を笑顔にさせるパワーを炸裂させる。だから説得力もあるし、ストレートの剛速球で聴き手のハートを射抜く。だからこそこちらも突き動かされるように声を出すし、彼らの音に身を任せられるのだ。

ラストの「Sunrise」を演奏し終え、メンバーがステージから去るとフロアからはアンコールを求める声。客出しBGMが流れても尚、その声は鳴り止まない。KNOCK OUT MONKEYは"(フロアもステージも)余力を残すようで嫌だ"との理由でアンコールは行ってこなかった。だが昨年の渋谷CLUB QUATTROワンマンではアンコールに挑戦するなど、新たな変化も見られた。今日はどうだろうか――そう思いながらステージに視線を向けていると、再びメンバーが戻ってきた。"アンコールするようなバンドなんや~と思ったっしょ? (アンコールには)いろんなパターンがあると思うんです。お客さんがどうしてもと求めるパターンと、俺らがどうしてもと求めるパターンと......お願いしますもう1曲だけやらせてください"とw-shunが告げると、大歓声が起こった。"作られたミュージシャンやないからさ、俺ら。叩き上げでやってきたその姿で、音楽業界を引っ掻き回していけたらなと思ってるんで"と力強く語ると、彼らがラストに選んだのは「Scream & Shout」。巨大サークルでバンドの心意気に応戦するフロアの盛り上がりも最高潮だった。ロック・シーンだけではなく"音楽業界"に向けて宣戦布告をしたKNOCK OUT MONKEY。彼らが今後どのような快進撃を見せてくれるのか、その動向に期待が高まる。

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