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COLUMN

THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第七回

THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第七回

-KEMURIは日本のスカ・パンクの草分けですよね。

伊藤:でも当時は、例えばHi-STANDARDもメジャーから出しますとか、"Fine"の後ろのページでCOKEHEAD HIPSTERSとかが扱われたり。"warp MAGAZINE"にはHIROSHI BROWN(RUDEBONES)がモデルとして出ていたりとかね。COKEHEAD、SCAFULL KING、あとはGAS BOYSとかの流れがあったうえでのことだから、KEMURIがオリジネイターだというわけではないと思うんですけどね。

日高:自分の中では新鮮でしたけどね、ロードランナーでアメリカ・デビューというのも含めて、相当みんな度肝を抜かれていたと思う。それも源にあるのは、ふみおさんの行動力なんでしょうね。思いついたら、とりあえずやってみようっていう。それは、やらないと後悔しちゃうタイプなんですか? それともほんとに空気読まずにに猪突猛進しちゃうタイプなんですか?

伊藤:完全に後者だね。

日高:それが意外ですよね、普段こうして物腰も柔らかいですし、すごく冷静なイメージがある。今バンドやっている子も、躊躇せずに自分のデモを撒いたり渡したりするのは、大事ですよね。

伊藤:本当にそうだよね。でもそういう人多いよね。いろんな手法でやりやすくなったというのもあるんだろうけど、すごく積極的だと思う。

日高:我々もよくもらう機会がありますからね。今、僕らもその自分の音源を配るっていうのの究極として、無料配信にチャレンジしているんですよ。我々の世代は、アナログもCDも両方経験している世代で、フィジカルが好きじゃないですか。でもやっぱり一度自分でもやってみないと、何が良くて何が悪いのかわからないだろうと思って、無料配信てしてみてるんです。ふみおさんは、無料配信やストリーミング・サービスについてはどう思ってますか。

伊藤:俺は嬉しいけどね。この対談の前に日高君からその配信の曲をもらったけど、いい曲で、かっこいい音楽をお金払わずに聴けるのは、嬉しいと思うよね。

日高:反対ではないんですか、ふみおさんとしては。

伊藤:反対じゃない、っていうとまた微妙だけどね。嬉しいのと同じくらい、大変な時代だなと思いながら聴いているよね。音楽が無料っていうのは手放しには喜べない。

日高:今後は確実にデジタルの方に移行しそうな気配もあるじゃないですか。そのへんはふみおさんは、どう見ていますか。

伊藤:確実にそうなると思うよね。でも日本はまだ大丈夫というか、CDセールス、アナログ・セールスの逆転はまだあると思いますけどね。世界的には、やっぱりラクなのがいいし、音楽が聴ければいいから、盤は難しいのかな。音楽ってもともとはジュークボックスが始まりみたいなものでしょう。そういうものに還っていくんじゃないかなと思うけどね。

日高:なるほど、インターネットの中にジュークボックスがあるような。

伊藤:課金制の聴き放題っていうのが、主流にはなっていくんじゃないかという気はしているけどね。でも僕なんかはそうだけど、好きな人は応援したいし、身近に作品を置いておきたいという欲は強いから。CDは、本当に好きな人たちのための、嗜好品的な存在にはなっていくのかな。

日高:今はアナログ盤がその位置にありますしね。

伊藤:そうだよね。この間もアナログ買ったけど、嬉しいもんだよね。

日高:何買ったんですか。

伊藤:この間SKANKIN' PICKLEで来ていた、Jeff RosenstockがBOMB THE MUSIC INDUSTRY!っていうバンドをやってて。彼のアナログと、LESS THAN JAKEのトロンボーンのBuddyの7インチをライヴ会場で手に入れたんだけどね。

日高:アメリカのバンドは引き続き、アナログも作り続けているんですね。

伊藤:CDよりもアナログの方が売れるからね。しかも、アナログの生産は5年前の9千倍だっていうからね。

日高:へえ、すごい!

伊藤:今アメリカで問題になっていることがあって、これまでレコードを作るヴァイナル・ファクトリーを下支えしてきたのは、パンク・バンドだったんだけど、THE BEATLESとかTHE ROLLING STONESとかメジャーどころのアナログが売れるから、レコード会社が作り始めちゃって。ファクトリーがメジャーのアーティストで手一杯になっちゃって、パンク・ロックのレーベルが、何ヶ月も待たなきゃいけない状況になっちゃっているんだよね。だからといってファクトリーが乱立するまでには至ってない。

日高:面白い話ですね。

-最初に伊藤さんが日本を出よう、アメリカに行こうと思ったのは、何が1番大きかったんですか。

伊藤:日本でフィットしないなって思ったんですよね。周りの友達は、しっかり会社勤めをしていたけど、そういうレールから一度外れて、音楽をやるとか、タトゥー入れましたなんてね? アメリカじゃ当たり前だからねって言っても、日本でそんな戯言が通用するわけもなく。

日高:90年代はまだ全然でしたよね。

伊藤:とにかく、ダメなんだろうなって。アメリカに住んでみたかったのもあるけど、同じくらい、日本にいてもしょうがないかなっていう思いがあったから、それが大きかったかな。アメリカに行って、何かできるだろうなっていう。

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【日高 央の1枚】

  THE SPECIALS
『Specials』
 (1979)

【伊藤ふみおの1枚】

  STIFF LITTLE FINGERS
『Inflammable Material』
 (1979)