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LIVE REPORT

Lonesome_Blue

2023.02.11 @Veats Shibuya

Writer : 宮﨑 大樹 Photographer:大川晋児

昨年2022年4月に始動したLonesome_Blue。声優としても活躍している野村麻衣子(Vo)と広瀬ゆうき(Ba)、ロック・ミュージシャンとして活躍を続けている成美(Gt)、MIZUKI(Dr)からなる次世代型ハイブリッド・ガールズ・ロック・バンドとして誕生した彼女たちの1stワンマン・ライヴが、Veats Shibuyaで開催された。

この日はLonesome_Blueにとっての1stワンマン・ライヴであり、初の有観客ライヴでもある。メンバーそれぞれの活動の下地もあるだろうが、彼女たちの晴れ舞台を観るために会場には多くのファンが集まっていたことから、バンドへの期待値の高さが感じられる。そんなVeats ShibuyaにSEが流れると大きな手拍子が沸き起こり、迎えられたメンバーと、ゲスト・アーティストのヴァイオリニスト Ayasaがステージに登場した。野村麻衣子のカウントダウンでライヴが始まるかと思いきや、ギターの機材トラブルでいきなりストップは入ったが、ライヴならではの出来事はファンにとってはむしろ高揚感を与えたようだ。熱量が高い状態でカウントダウンを仕切り直し、「Parallel World」でライヴは幕を開けた。

全身を使って音楽を表現する広瀬ゆうきのベース、マシンガンのような怒濤のツーバスを踏むMIZUKI、華やかなAyasaのヴァイオリンと掛け合う成美のテクニカルなギター、そしてロック・シンガー然とした佇まいで力強く芯のある歌唱をする野村麻衣子。異なるバックグラウンドで培ってきた個性を持ち寄ったからこそ、Lonesome_Blueだけの音楽が生まれている。Ayasaがステージを去り、「Face The Fear」を続けてから「Body Rock」へ。野村麻衣子が流暢な英語のラップで先導し、"Oh oh"とファンとのコール&レスポンスを実現。コロナ禍に誕生したバンドということもあって、声出しが解禁されるまで我慢して1stライヴを迎えられたことには感慨深いものがある。会場の熱気がさらに上昇していくにつれて、メンバーのパフォーマンスもどんどん熱のこもったものに変貌していった。

ヘヴィでアグレッシヴな演奏とはギャップのあるまったりしたトークをMCで展開したバンドは、「Blue Like Sapphire (The Flower Of Hope)」でライヴを再開。成美のリフが引っ張った「Superhero」で、複雑なリズムを刻むプログレッシヴな音楽性ゆえのヒリヒリした緊張感を生むと、野村麻衣子が初めて作詞を手掛けた「Mine」へ。自分自身のことを書いたという歌詞を歌う彼女の歌声には、確かな説得力のようなものがあったように思う。そこから4人は「Hide And Seek」で中盤戦を一気に駆け抜けていった。

2度目のMCを経て「It's My Time!」からライヴは後半戦へ突入したのだが、前半と比べてバンドのグルーヴ感がじわじわと上がってきていることに気づく。メンバー個々のスキルに対しては疑いの余地がないバンドではあったが、バンド力、グルーヴという意味では伸びしろもある。だからこそ、彼女たちは今この瞬間にバンドとして成長を遂げているのだ。それがゆえに、Lonesome_Blueというバンドのこの先を観たいと思わせてくれるライヴになっていたように思う。ここから野村麻衣子が"全部全部出しきってこいよ!"と煽りを入れてラスト・スパートへ。「Blind In The Chaos」を披露すると、本編ラストにはAyasaが再び登場し「Rising Up For Gloria」をパフォーマンス。ヴァイオリンが加わることで、シンフォニック・メタルの要素も加わり、華やかで力強い歌唱と演奏ですべてを出し切っていった。

アンコールはLonesome_Blue楽曲の中でもとりわけ壮大な「Total Eclipse」を披露。6分超えの楽曲の間奏で野村麻衣子は語り掛ける。"今日はLonesome_Blueの1stライヴに来てくれてありがとう。まったく別の人生を歩んでいるあなたがロンブル(Lonesome_Blue)に出会ってくれて、今日ここに来てくれたこと、すべて奇跡のように思います。Lonesome_Blueは始まったばかりです。この先の未来に何があるかなんて私たちにもわからないけど、今ここにいるあなたと、この先の未来を私は一緒に生きたいです"――今日この日に、本当の意味での本格始動をしたとも言えるLonesome_Blue。野村麻衣子が言ったように、この先バンドにどんな未来が待っているかはわからないが、メンバー4人は明るい未来が待っていると信じているのではないか。初のワンマン・ライヴを完走した4人の爽やかな笑顔が、それを物語っていた。


[Setlist]
1. Parallel World
2. Face The Fear
3. Body Rock
4. Blue Like Sapphire (The Flower Of Hope) 
5. Superhero
6. Mine
7. Hide And Seek
8. It's My Time!
9. Blind In The Chaos
10. Rising Up For Gloria
11. Total Eclipse

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