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INTERVIEW

Lonesome_Blue

2022.12.14UPDATE

2022年12月号掲載

Lonesome_Blue

Member:野村 麻衣子(Vo) 成美(Gt) 広瀬 ゆうき(Ba) MIZUKI(Dr)

Interviewer:宮﨑 大樹

6月に1st EP『First Utterance』をリリースしてデビューを果たした、次世代型ハイブリッド・ガールズ・ロック・バンド"Lonesome_Blue"。声優としても活躍している野村麻衣子と広瀬ゆうき、ロック・ミュージシャンとして活躍を続けている成美、MIZUKI、異なるフィールドで活躍してきた4人が、それぞれの力を持ち寄り、バンド力を増して1stフル・アルバム『Second To None』を完成させた。"誰にも負けない"という強い意志を示した本作についてメンバー全員に訊いた。


"Second To None"というタイトルに相応しい、決意だったり覚悟だったり、これでやったるぞという、1stアルバムとしての決意表明が全体を通して表せている


-Lonesome_Blueの始動から、今回の1stフル・アルバム『Second To None』の完成までを振り返ってみると、どんな感覚があるでしょうか?

野村:Lonesome_Blueの活動が決まって、1st EPが出てから1stアルバムを作るまで地に足がついていないというか、自分がLonesome_Blueというバンドのヴォーカルをしているという事実が、まだ自分の身体の中に組み込まれていない感じがして。でも、できあがった1stアルバムを聴いているときに、"私はLonesome_Blueのヴォーカルなんだ"という自覚が急激にカチッとしたんです。覚悟が定まりました。

-なぜ自覚が出たんだと思いますか?

野村:「Face The Fear」を聴いて、自分たちの曲に鼓舞されたのかわからないですけど、覚悟と気持ちが定まった感覚があったんですよ。

広瀬:私も「Face The Fear」みたいな時間でした。Lonesome_Blueをこの先どうしていきたいか、どんなバンドになっていきたいか、どうしたらさらに魅力的なものをお届けできるか、今まで私を観てくださっていた方にも認めてもらえるかとか、ずっと考えてきて。なので"繰り返す自問自答は/いつだって変わらない"という歌詞のようでしたね。覚悟を決めたんだから、今の私たちにできることをやらないといけないし、しっかり超えていかないといけない気持ちがどんどん強くなっていって、それが今も続いている感じです。

成美:私はガールズ・バンドでデビューして活動していた時期があったので、たぶん私を応援してくださっている方々は、Lonesome_Blueに対して好意的に思ってくださっているなという気持ちがあって。なので、お客さんに"これから楽しみだな"と思わせるものを提供できたのはまず良かったです。それと、このバンドには別の活動をしてきたメンバーが集まっているんですけど、この半年でバンドらしくなって。Lonesome_Blueをやろうという気持ちのあるメンバーが集まっていますし、自分たちを表現したいという気持ちがこの4人は強いので、どんどんバンドらしくなってきている感覚はあります。

MIZUKI:私はドラムを叩き始めて10年経つんですけど、今回のLonesome_Blueでメタル・デビューなんですよ。Lonesome_Blueを始めてから、ずっと足の練習をし続ける日々が続いていますし、ジムとかにも通い始めてハードな日々になっています(笑)。アルバムができて、Lonesome_Blueをやっている実感が私も湧いていますね。バンド・メンバーとは初めましてのところから始まったんですけど、最近は仲良くなってきている感じがするし、ボケとかツッコミもできるようになってきて(笑)。いい空気感になってきて、このメンバーで良かったなと思いますし、アルバムを経てみんなのことがより好きになりました。まだ(有観客)ライヴをやっていないので、やったらどう変わっていくのかも楽しみです。

-みなさん別々の活動をしていたのでなかなか会う時間がなかったと思うんですけど、現在のバンドのムード、モードはいい状態なんですね。ところで1st EPについてのインタビュー(※2022年6月号掲載)時には、すでにアルバムを制作中という話がありましたよね。ということは、制作期間をしっかり確保したうえでの1stフル・アルバムになったんですか?

MIZUKI:それがそんなになかったんです(笑)。1st EPのときにアルバムに向けて曲をたくさん作っていたんですけど、そのあとにアルバムの方向性をどうするかみたいな会議をしたら曲が少ししか残らなくて、短い期間でバァー! って作りました。

-1st EPをリリースして、反応を見て練り直していったと。具体的にはどんな方向性に舵を切っていったんですか?

広瀬:"アルバムを作るにあたって、みんなで話がしたい"ということで、まさにこの会議室で長い時間会議をしたんです。プロデューサーさんが"どうやったらLonesome_Blueをたくさんの人に知ってもらえるか"と悩んでいらっしゃって、迷宮入りしちゃっていたんです。"ここはどこ? 私は誰?"みたいになっていて(笑)。プロデューサーさん的には、野村麻衣子ちゃんと広瀬ゆうきが声優だから、そっちのファンの方々にもしっかり届いたほうがいいのかなぁ? みたいに考えていたみたいなんです。前回は攻め攻めだったので、今回はアニメのファン層にも届く曲を作ったほうがいいのかな? と悩んでいらっしゃって。それで最初にデモを聴かせていただいた1曲が前回と全然違う、前向き、明るい、"未来へ向かってレッツゴー"みたいな、そういう曲でした。

成美:その曲は、音楽性としては軽めな感じで。1st EPはメタル色やギター・ロック色が強い感じだったんですけど、アイドル・ソングに近いような感じだったんです。演奏もギターが全然歪んでいなくて、軽やかなカッティングをしていた楽曲だったので、"いや、これを私たちが演奏するのは違うでしょ"というのがサウンド面の話でしたね。

広瀬:それを聴いて"どう思う?"と聞かれたときに、みんなでプロデューサーさんに"目を覚ませぇ~!"って(笑)。その曲は、すごくいい曲ではあったんですけど、私でも歌えそうな、すぐ覚えられそうな曲だと思ったんです。でも、これまでのLonesome_Blueの曲って、私にはすぐ覚えられない曲ばかりで(笑)。麻衣ちゃん(野村)って声優さんではあるけど、麻衣ちゃんにしかないヴォーカリストとしての魅力がしっかりある子だと思っているんです。そんな麻衣ちゃんにしか歌えない、麻衣ちゃんでしか出せない良さをLonesome_Blueでは伝えていきたいなと思って。それをしっかりプロデューサーさんにお伝えしました。

野村:以前インタビューしていただいた2_wEi(※2018年11月号掲載)とかでもそうなんですけど、キャラクター・ソングとかでラウドロックみたいなカッコいいやつを歌うことが多くて。それが私に求められていることなのかなという意識もあったし、私にとって歌っていて楽しいとか、歌いやすいのもそれだったので、そういった方面の要素はもちろん入れていきたい、ということをお伝えしていました。

広瀬:その要素を入れつつ、前回のプログレ感をしっかり入れたり、間奏を長くしたり、なるちゃん(成美)とMIZUKIさんのプレイが素敵だから、そこもしっかり聴かせられるようにしたくて。それだとベースが大変になるんですけど(笑)、そうしてできあがった感じですね。

-だからラウドロックやプログレの要素もありつつ、声優からのファンにも届けやすいようにメロディをキャッチーにしていったわけですね。完成したアルバムを聴いてみての印象はどうでしたか?

野村:"Second To None"というタイトルに相応しい、決意だったり覚悟だったり、これでやったるぞという、1stアルバムとしての決意表明が全体を通して表せているんじゃないかなとは思いました。

広瀬:いろんな方に"バラードが入っていないんですね"と言われて、そこで"たしかに"って気づいたんです。でも、そこに気づかないくらいLonesome_Blueらしい1枚になったと思っていて。強さだったり攻めていたり、私たちが会議で"こうしたい"とお伝えした通りに、"このバンドでしかできないことをやっていきたい"という想いが詰まっている。プラス、それぞれが四者四様のエンタメの世界で活動してきているから、そこがしっかり10曲に入っているなと思いました。

成美:Lonesome_Blueは有観客のライヴをやっていないので、ワンマン・ライヴが現実的になるような曲数を揃えて、"これが私たちです"と出している曲のラインナップだなとは思っています。だからバラードはまだ入る隙がなかったというか、今じゃない。アルバムとしてコンセプチュアルなものというよりは、本当に現場主義と言いますか、ライヴハウスに立つことを想定している楽曲たちが揃った感覚でした。

MIZUKI:今回はレコーディングがバラバラだったので、最初に聴いたときが、初めてみんなの音が揃った状態だったんですよ。だから"みんなめっちゃカッコいい!"となって(笑)。早くたくさんの人に聴いてもらいたいアルバムになったし、「Face The Fear」から始まって、どんどん激しくなっていって、最後は壮大なメタル曲で終わるんですけど、その構成もすごく良かったです。通して聴いて、めちゃくちゃいいアルバムになったなと思いました。

-有観客ライヴを想定して作られたアルバムというのは感じました。1st EPと合わせた15曲でワンマンをやったら、頭は振るし、飛び跳ねるし、いい意味でヘトヘトになりそうです(笑)。

一同:(笑)

成美:演奏する側もヘトヘトでしょうね(笑)。

-ステージとフロア、全員が燃え尽きると(笑)。リード曲「Face The Fear」は、アルバムの幕開けに相応しい疾走感と力強さを兼ね備えた楽曲に感じました。

成美:デモの段階で聴いたときはそんなにイメージが湧かなかったんですけど、初めてみんなの楽器が入って、歌が乗ったものを聴いたときに、みんなが演奏している画が浮かびました。お客さんにもそういうふうに感じ取ってもらえるような楽曲になったのかなと思っています。

野村:たしかに、自分がデモを聴きながら歌ったときとは、できあがった音源が全然違っていて。カッコいいし、1st EPにはない勢いと荒々しさと、決意表明みたいな気持ちが込められた1曲にできたんじゃないかなと思いました。

広瀬:1st EPは聴けば聴くほど良く感じる曲たちが揃っているんですけど、この曲は馴染みやすくて。それにもかかわらずロンブル(Lonesome_Blue)らしさもあるんです。麻衣ちゃんのヴォーカルも相まって、私たちにしか出せないロック感が出ているんじゃないかなと思いましたね。

-広瀬さんが思うLonesome_Blueらしさとはどんなものですか?

広瀬:なんていうんだろう。ありきたりじゃないなと思ったんです。ロンブルらしさはこれから模索していくところではあるんですけど、曲を聴いたときに理屈じゃなく感じたものがそれで。"あぁこんな感じね、聴いたことある"ってあんまりならないんです。きっとみんなの息吹がしっかり入った曲だから、私たちだけの曲になったのかなと思っています。ロンブルらしさはもっと追求してやっていきたいです。

-歌詞は1番が英語詞、2番が日本語詞という構成になっていますよね。同じメロディでも歌詞の言語が違うと、歌のアプローチも変わっているような気がします。

野村:前作が全部英詞だったんですけど、今作では日本語も入れていきましょうということになって。英語で歌ったあとに日本語が来て、聞こえ方が変わりすぎないようにというのが一番気をつけたことですね。日本語だと平たく聴こえちゃうところを、なるべく英語の口の形に寄せて歌うとか、そういうところはすごく意識しました。

-ミュージック・ビデオも制作されていますけど、曲もスキルもヴィジュアルもいいから、ストレートに演奏シーンで見せていくというのがいいですよね。撮影はいかがでしたか?

野村:前作のMVも演奏シーンだったんですけど、曲の激しさが全然違うので、体力がもう大変でした(笑)。1日中歌って頭をブン回したりしていたので、途中からみんな疲れていって、横を見たらみんなわけのわかんない動きをしていたのが面白かったです(笑)。

広瀬:みんなの撮影シーンを見ていて"なんという逸材が揃ったのか"と感じました。(4人にそれぞれ)天才、天才、天才、天才と思って。メンバーが誇らしくなったし、こんなに素敵な4人だからこそいろんな人に見ていただきたい気持ちが強くなったんです。私はパフォーマンスを観て呼んでいただいた身で、MV撮影は特に頑張らないといけないなと思って毎回挑んでいるので、そういう気持ちで挑みました。

野村:MVリーダーだよ。魅せ方に長けています。

-できあがった映像を観てどう感じましたか?

MIZUKI:シンプルにカッコいいですよね。どこに見せても恥じないというか。いいところを詰めまくったので、いろんなところでたくさん流してほしいです。

成美:撮影のたびにお互いのメンバーを褒め合っていて、すごくナルシストなバンドだよね(笑)。でもこのカッコいいメンバーと一緒にやれるのはすごく幸せなことだと思います。4人でのライヴっぽい、生っぽい映像がようやく撮れたので、これを観たらロック・ファンはライヴに来たいと思ってくれるんじゃないかという下心もありつつ、カッコいい映像にできたので満足です。