INTERVIEW
2_wEi
2018.11.05UPDATE
2018年11月号掲載
Member:野村 麻衣子(虎牙 アルミ役) 森下 来奈(虎牙 ミント役)
Interviewer:宮﨑 大樹
スマホ向け音楽ゲーム"8 beat Story♪"(読み:エイトビート ストーリー)。同作に登場する8人のユニット"8/pLanet!!"(読み:ハニープラネット)のライバルとして作られた新型アンドロイド・ユニット"2_wEi"(読み:ツヴァイ)が、1stアルバム『Throne of Despair』をリリースする! 激ロックでは2_wEiの虎牙アルミを演じる野村麻衣子、虎牙ミントを演じる森下来奈、ふたりの声優にインタビューを敢行。キャラクター・ソングらしからぬダークな世界観を持つアルバムについて話を訊いた。
-激ロック初登場となりますので、まずは2_wEiがどんなユニットなのか聞かせていただけますか?
野村:2_wEiは8/pLanet!!のライバルとして出てくるアンドロイドです。ふたりとも歌を歌うために作られたアンドロイドで、ただ、わけあって一度破棄されてしまいました。長い期間が経って再び開発されるのですが、憎しみとか、恨みつらみの感情が彼女たちに芽生えて、世に出てきたという感じです。
森下:8/pLanet!!は人間のユニットなんですけど、2_wEiはアンドロイドのライバルとして登場するんです。2_wEiは憎しみを歌うことで存在証明をしているユニットなのかなと思います。
野村:だから歌っていることも全体的に憎しみ、恨み、みたいな感じです。
-おふたりが演じている虎牙アルミ、虎牙ミントについてもそれぞれ聞かせていただけますか?
野村:虎牙アルミさんは虎牙ミントさんのお姉さんです。歌っていないときは感情が空っぽのアンドロイドで、ステージに上がると豹変して感情的に歌うという、二面性のあるキャラクターです。
森下:お姉さん(アルミさん)が普段はぼーっとしているので、ミントさんは妹だけど"しっかりしなきゃ"みたいに思っているんです。でもライヴのときのお姉さんのことが大好きで、お姉さんみたいになりたくて悪ぶって頑張っているような子だと思っています。"悪い自分がカッコいい"みたいな、中二病っぽい感じもあるかなと。
-歌においてのふたりの役割みたいなものはあるんですか?
野村:ストーリー上で"このアンドロイドはすごいぞ"って思わせる役柄なので、ゲームの設定に見合うように、攻撃的で圧倒させるようなパフォーマンスになるようにはしています。
森下:お姉さん役の野村さんの歌がカッコいいので、お姉さんに負けないように歌っています。妹のミントさんは、"ギリギリのところを走っている"みたいな不安定な感じも出ていると思いますが、情緒不安定な部分のある感情的な子なので、そういうストーリーやキャラクターの心情を出せればと思って歌っていますね。
-話は変わるんですが、おふたりは今までどういう音楽を聴いてきたんですか?
野村:私は小さいときにニューヨークに住んでいたことがあり、その時期にブロードウェイが身近にあったので、私が最初に好きになった音楽はミュージカルなんです。だから"役として歌う"ということに関しては、すごくしっくりきてましたね。
森下:私もミュージカルが好きでした。ずっと、劇団四季とかディズニーとかを聴いていたので、ロックは全然聴いてこなかったです。でも今回はロックな曲ばかりを歌うことになったので、最初はどうしようかと思っていました(笑)。
-1stアルバムは本格的なロック・サウンドとエレクトロ・サウンドがベースになっていて、ダークな世界観ながらも豊かなメロディなので耳馴染みがいいアルバムだなと思いました。
野村:"歌うために生まれてきたのに歌うことができなかった"というふたりが、このアルバムを出すことで初めて存在証明をすることができたのかなって思います。
森下:1曲1曲にふたりのストーリーや訴えたい気持ちのある曲がまとまった、まさに存在証明をしたアルバムです。聴いた人の心にグサっと刺さるようなものになっていたらいいなと思います。
-アルバムのタイトルの"Throne of Despair"は、直訳すると"絶望の玉座"みたいな訳になりますよね。"絶望"はこのユニットにとって重要な要素に感じました。
野村:プロローグのあとの最初の曲も"Despair"(=絶望)で、絶望というキーワードはすごく出てくるし、ふたりを象徴した言葉だと思いますね。
-多くの作家陣によって曲が制作されていますが、2_wEiというユニットの方向に向かった、まとまりある1枚のアルバムになっているなと感じました。アルバムを通して聴いたときにはどんな感想を抱きましたか?
野村:本当に個人的な感想なんですけど、"めっちゃ楽しいな"って思って(笑)。聴いていて攻撃的な気持ちになります。
森下:目つきが変わるよね。聴きながら歩いてると、歩き方が力強くなってズンズン歩きたくなります(笑)。今までにない感情が曲によって引っ張り出されているような感覚が生まれて、聴いた人もオラオラするような力強い感情が生まれたらいいなと思いますね。
-2_wEiの音楽性ってどういうものだと感じてますか?
野村:人間たちへの憎しみと、自分たちの感情を訴えている感じですかね。
-人間を憎んでいるアンドロイドの立場に感情を移入して歌うのって、難しくないですか?
森下:難しいですね。でも、感情のあるアンドロイドで、ゲームのストーリーとリンクした曲も多いので、そのあたりはキャラクターの気持ちを考えながら歌っているつもりです。
-なるほど。たしかにキャラクターになりきることって声優の得意な領域ですもんね。
森下:演じているキャラクターが攻撃的で自分と違うところが多いぶん、"なりきること"を意識しないと歌えない感じはしますね。"森下"が出ると全然違うものになってしまう気がして。ステージで歌うときやレコーディングするときは、ミントさんスイッチを入れて感情を込めて歌うようにしています。
-2_wEiの歌声は非常にエモーショナルですよね。レコーディングではどんなことを意識しましたか?
野村:基本的には"人間への憎しみ"をベースに持っていましたね(笑)。アルミさんがステージに立ったときに出る、狂気じみた感じを出せたらいいなと思っていました。
森下:私の見解なんですけど、ミントさんは子犬みたいにキャンキャン吠えていて、周りからしたらそんなに怖くない感じなんです。怖さの部分はお姉さんが前面に出してくれるから、ミントさんは"頑張ってお姉さんについていっている感じ"を出せたらいいなと思っていました。実際、私自身も必死に歌っていたんですけどね(笑)。