MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

LIVE REPORT

Little Lilith

2022.08.05 @新宿Zirco Tokyo

Writer 宮﨑 大樹 Photo by Kosuke Kobayashi

昨年2021年末に"ガールズジェントバンド"に進化したLittle Lilith。彼女たちが1st EP『Graffiti』を引っ提げて東名阪を回ったリリース・ツアーが、新宿Zirco Tokyoにて完結した。なお本ツアーは、BRIDEAR、MAZE(MAZE-BAND SET-)と回る対バン・ツアーでもあったのだが、この日はMAZEの出演がキャンセルに。急遽出演することになったのが、トップバッターを務める82刑(はちけい)こと82回目の終身刑だ。

普段は5人組ロック・バンドとして活動する82刑は、ヴォーカル 葉月、マニピュレーター 鈴原優美、ダンサー てのひらえるの3人編成で登場。"牢獄発囚人ガールズバンド"を掲げる彼女たちは、「八つの大罪」で口火を切ると、ダークでロックな世界を瞬く間に生み出した。艶のある葉月の歌声に、激しく情熱的なてのひらえるのダンス、対照的に滑らかな動きで魅せる鈴原優美。三者三様の強烈な個性で、オーディエンスの頭の中に鮮烈な印象を残していく。82刑を初めて目撃する人もいただろうが、フロア全体を巻き込んで拳を上げさせたラストの「ファンファーレ」は圧巻で、イベント開催を支えた救世主、いやダーク・ヒーローの見事な活躍を見せてステージを後にした。

続くBRIDEARは「Dimensions」で勢い良く走り出し、初っ端から凄まじい音圧で観る者を圧倒する。AYUMI(Gt)、HARU(Ba)、NATSUMI(Dr)、そしてサポート・ギタリストのEITAが鳴らすメタル・サウンドは、テクニカルでいて骨太。そんな楽器隊を牽引するヴォーカルのKIMIの佇まいはロック・スター然としていて、聴覚的にも視覚的にも引き込まれた。BRIDEARは、Little Lilithと一緒にツアーを回ってきただけあって、対バンでもホームのような空気を醸し出しており、まるでワンマン・ライヴを観ているかのような熱量だ。メンバーのこの場を喰ってやろうとする姿勢が痛快で、ラストの「Bloody Bride」で登場したお馴染みBrideちゃん(Mrs.Bride)含め、100パーセントの力を出し尽くしてLittle Lilithへバトンを繋いだ。

Little Lilithのステージは、"最高に熱い日を一緒に作っていきましょう!"(LILLY/Vo/Vn)の声と共に、1st EP表題曲の「Graffiti」で幕開け。ダークでありながらカラフルで、美しい楽曲の世界観を表現してみせる。ERIKA(Gt)、SHIORI(Ba)、YUKI(Dr)が奏でる重心の低いラウドなサウンドと、浮遊感のあるLILLYの歌声が交わることで生まれる音楽は、他にはないLittle Lilithだけの輝きを放っている。凶悪なグロウルから始まった「LadyBug」では、同期を入れることで聴き手のイマジネーションを刺激し、続く「Thanatophobia」でLittle Lilithの世界を見る見るうちに深化させていくと、どこかの異世界に迷い込んだような、そんな感覚すら覚えた。Djentならではの細かく縦に刻むリズムも刺激的だ。

ここから現在のLittle Lilithの主軸であるDjentと、R&Bをはじめとした洒落たジャンルを融合させた「嘘」と「fuse」を続けて披露。曲の醸し出す空気が、本日の会場 新宿Zirco Tokyoのある歌舞伎町とピッタリだったことが印象深かった。楽曲を繰り出すたびに、作品が持つ様々な表情を見せてくれるLittle Lilithを観ていて、彼女たちはライヴ・バンドなのだと気づかされる。Little Lilith特有のミステリアスな楽曲の物語性や、そこに込められた感情などが、音源以上の解像度で迫ってくるような感覚があったからだ。力強く歌い上げるロック・ナンバー「Smoky Refrain」で感情をスパークさせたLILLYは、"たくさんの人に支えられて、助けられて、今日この日を迎えることができました。改めてありがとうございます!"と感謝を届ける。そうしてラスト・スパートは「ESCAPER」を経て「Gun Bullet」へ。ヘヴィでキャッチーなキラーチューンで、この日一番の盛り上がりを生んで本編を終えた。

本公演のソールド・アウトを達成できたこと、そして対バン相手への感謝をアンコールで述べたLittle Lilithは、12月に渋谷clubasiaでワンマン・ライヴを開催することを発表。嬉しいサプライズで沸く会場へ、さらに新曲「Double Suicide」を披露する。ブレイクダウン・パートを備え、攻撃力高めのこの楽曲は、今後のLittle Lilithのライヴに欠かせないものに育っていきそうだ。最後は、この日2度目の「Graffiti」をパフォーマンスして東名阪ツアーは完結を迎えた。

"ガールズジェントバンド"に進化してからまだ1年も満たないながら、着実にその実力と規模を増してきているLittle Lilith。彼女たちの進化はまだまだ続く。


[Setlist]
■82回目の終身刑
1. 八つの大罪
2. 逃亡先の地獄郷-ユートピア-
3. 覚
4. 共犯BREAK OUT
5. ファンファーレ

■BRIDEAR
1. Dimensions
2. Determination
3. Greed
4. Daybreak
5. Ghoul
6. Sick
7. Bloody Bride

■Little Lilith
1. Graffiti
2. LadyBug
3. Thanatophobia
4. 嘘
5. fuse
6. Smoky Refrain
7. ESCAPER
8. Gun Bullet
En1. Double Suicide
En2. Graffiti

  • 1