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INTERVIEW

Little Lilith

2023.03.27UPDATE

2023年04月号掲載

Little Lilith

Member:LILLY(Vo/Vn) ERIKA(Gt) SHIORI(Ba) YUKI(Dr)

Interviewer:宮﨑 大樹

Little Lilithが"ガールズジェントバンド"に転向してから1年が経過した。この1年間で、1st EP『Graffiti』のリリースや3ヶ月連続デジタル・リリースを行い、昨年12月には自身最大キャパとなる渋谷clubasiaでワンマン・ライヴを成功させ、勢いに乗っている彼女たち。そんなLittle Lilithがさらなる一手として"Little Lilith第二章"を掲げる2nd EP『STRIKE』を完成させた。この"Little Lilith第二章"という言葉の真意とは――


"もっと上に行ける"と思えて、Little Lilithとして自信がついた


-このインタビューは2nd EP『STRIKE』で掲げられている"Little Lilith第二章"という言葉の真意がポイントになりそうです。"ガールズジェントバンド"に転向後の第1弾楽曲「LadyBug」(2021年リリースの1stデジタル・シングル)から「Graffiti」(2022年リリースの1st EP表題曲)までの物語が終わった、という意味での第2章なのか、バンドの転換期が訪れたという意味での第2章なのか、もしくはその両方なのか。考察が捗ります。

LILLY:考察してくださっている通りで良くて。私たちとしてまた新しいところへという意味も含まれていますし、「LadyBug」から始まったストーリーが新しい展開を迎えていくという意味も第2章にはあります。楽曲としてももちろんDjentとかそういった要素は残してあるんですけど、よりキャッチーで、よりポップな部分が多くなってきていて。

-第2章を迎えるにあたって、気持ちの変化はありますか?

YUKI:私たちがLittle Lilithとして活動してきた最初の1年間は本当に必死だったし、Little Lilithを作ることに精一杯だったと思うんです。そういう意味でも、ここから新しく作り上げたLittle Lilithを広げていくとか、もっと大きくしていく第2章という気持ちが強いですね。

ERIKA:「STRIKE」のMVの世界観も今までからだいぶ変わって、開けてきているのかなと思うんです。これからもっと世界が広がっていくのが、みんなに伝わっていけばいいなと。

SHIORI:Little Lilithのテーマとして、"終わりは始まり"のようなものがずっと根底にあるんです。絶望の裏側には希望があるとか、明るい先には暗いこともあるとか、すべてに裏表があるということをバンドで表現していると思っていて。第2章が始まっても、そういった刹那的なこと、表だけじゃなくて、裏の深い部分も表現していきたいですね。

-バンドとして新たな展開に進んでいくにあたって、活動の中で大きかったポイントとしては、昨年12月の渋谷clubasiaワンマン"Little Lilith ONE MAN LIVE「A Rebellion」"があったと思うんです。こちらを振り返ってみると、どんなライヴでしたか?

LILLY:単純にめちゃくちゃ楽しかったです。今までのライヴも楽しかったんですけど、この日は本当に楽しくて。この1年間、最初は強気なことを言っていたけど、正直不安な部分もいっぱいあって。"体制を変更して大丈夫なのか?"とか、ふと不安に思うときがあったんですよ。でも1年間みんなで頑張ってきて、あのステージに立って、"大丈夫だ。一緒に頑張っていけば、もっと上に行ける"と思えて。そういうのを掴めたステージだったのは感じます。Little Lilithとして自信がつきました。

-手応えがあった。

LILLY:そうですね。ファンの人もたくさん来てくれたし、いっぱい楽しんでくれたし、何より自分たち自身が楽しくて。私たちも楽しいし、ファンの人も楽しい。楽しく熱い空間が作り上げられているのは実感できました。広いステージだし、由緒ある箱だけど、そこで成功できたことが私たちの大きな自信になりましたね。

-このタイミングでは声出しも解禁されていて、お客さんも全力で楽しめたんじゃないかなと。

LILLY:そこも含めての感激はありましたね。ここ2~3年間ずっと我慢していて。それぞれのバンドがいろいろ試行錯誤しながらやってきたと思うんですけど、声が聞こえて幸せでした。

-ラウドロックのシーンは本当に苦労してきたと思っていて、いよいよ復活の時ですね。ということで、これからシーンがまた盛り上がってくるであろうこの時期に2nd EP『STRIKE』がリリースされます。3ヶ月連続配信をした3曲に加えて2曲の新曲が収録されますが、配信楽曲は前回のインタビュー(※2022年11月号掲載)でしっかりお話を聞いたので、今回は新曲について中心に聞いていきたいです。まず表題曲の「STRIKE」は、ラウドロックの重厚感を残しつつ、明るく開けたサウンドのDjent楽曲になっていて、Little Lilithの新機軸を感じました。

YUKI:後ろでやっていることはめちゃくちゃ複雑なんですけど、その中にすごく開けたサビがあって。聴きやすくて耳馴染みのいいメロディが乗っているので、Djentやラウドが好きじゃなくても、楽しんで聴いてもらえるような曲ができたんじゃないかなと思います。もともとLittle Lilithは、LILLYちゃんのメロディアスできれいなヴォーカルが売りだったと思うので、それをより強く走らせる曲を貰えたんじゃないかなという気持ちがありますね。嬉しいです、すごく。

-たしかに今までの楽曲って、音楽的にコアな層へ刺しにいくような曲でもあったと思うんですけど、「STRIKE」はリスナーの裾野を広げるような気がしますよね。

LILLY:サビ始まりで、ヴォーカルとしてはおいしい感じの楽曲構成でもあるので、今までと違うのがすぐわかる感じになっていると思います。使っている音域が少し高めで、私にとってスッと出しやすい音域になっているので、歌声も今までと変えることができて、わりとストレートな表現ができました。あとは、Bメロでシャウトとセリフが混ざっているんですけど、そういう仕掛け、ギミックが面白くて。1曲があっという間に感じられる曲だと思うから、リピートして何回でも聴いてほしいですね。

SHIORI:サビは8ビートな感じなんですけど、その他が複雑なリズム構成になっていて。同じように聴こえるけど、ちょっとずつリズムをずらすとか、リズム遊びが多い楽曲なんです。決まったときがすごく気持ちいい楽曲なので、これからどんどんライヴで育てていきたいなと思います。

ERIKA:曲がキャッチーでありハードであり、ヴォーカルの声がめちゃくちゃ生かされるような楽曲で、これはLittle Lilithでしかできないことだなと。このキャッチーさとハードさの融合具合がすごくカッコいいなと思っていますね。

-歌詞という面ではまた意味深ですよね。

LILLY:うん。今回は意味深だし、言葉が強いですよね。

-これは今までの楽曲のストーリーと同じように、誰か主人公がいると考えていいのでしょうか?

LILLY:そうですね。「LadyBug」からのストーリーの中の1曲で。"Decisive strike"という言葉が歌詞の中にあるんですけど、"決死の一撃を決める"という曲なので、本当に重要なキー・ポイントなんです。今までいろいろ苦戦して悩みながらも、ここで決断して行動を起こす、という曲になっていますね。サビのところは言葉が強くても、キャッチーでスッと入りやすい言葉を使っていて。セリフでは鬱々とした感じという意味での暗さがあるし、シャウトで怒りをぶつけている部分もある。そういう負の感情がメインですけど、いろんな面を1曲で見せられているんじゃないかなと思います。

-ということは、「LadyBug」からのストーリーと主人公が続いているんですね。第2章という言葉や楽曲の雰囲気、これは後ほど話を聞きますけど、ミュージック・ビデオの世界観からも、完全に別のストーリーが始まったのかと思ったんですよ。

YUKI:この曲はストーリーとしては「Graffiti」の手前なんです。歌詞の流れに注目すると、そういうふうに見えるかなと思います。

LILLY:「LadyBug」や私たちのコンセプトの根底に"叛逆と闘争"があるんですけど、そういったものにひとつ終止符を打つという意味での"Decisive strike"なんですね。ちょっとずつ主人公の雰囲気が変わっているんですけど、一連の物語の中での曲なんです。

-なるほど。そういうことなんですね。先ほど言ったように曲の雰囲気も変わったし、何しろミュージック・ビデオの雰囲気がまったく違うじゃないですか? 「LadyBug」がサイコホラーのテイストだったのに、「STRIKE」は完全にSFですよね。

一同:(笑)

-CGも使われていてカッコいい仕上がりですし、公開から1週間で再生回数が10万オーバーと好調に見えます。コメントは、海外からのものが多いですよね。

LILLY:ありがたいです、本当に。

SHIORI:あのMVは1年前には撮れなかったなと思っていて。1年間バンドでやってきたからこそ、一体感が出せましたし、メンバーそれぞれの特徴を生かすMVを作れました。1年間の活動をしてきたひとつの集大成です。また次のMVがどうなるのか、より楽しみになるものになって嬉しいなと思います。

YUKI:私自身もこのテイストの変化に少し驚きました。1年前は隠れていた顔がよく見えたりしていて(笑)、そういう意味でもLittle Lilithとしての心境の変化みたいなものを、前向きに表現できているとしたらすごく素敵だなと思っています。