INTERVIEW
Little Lilith
2022.04.02UPDATE
2022年04月号掲載
Member:LILLY(Vo/Vn) ERIKA(Gt) SHIORI(Ba) YUKI(Dr)
Interviewer:宮﨑 大樹
昨年末に"ガールズジェントバンド"へと進化を果たしたLittle Lilith。彼女たちが、リトルリリス時代の楽曲をリアレンジした"1st Demo CD"『Rebuild』を、会場限定でリリースした。今回のリアレンジに対して、彼女たちはどんな想いを抱き、作品に向き合っていたのだろうか。本作で、華麗に、激しく生まれ変わった楽曲たちについて、メンバー全員に話を訊いた。
"こういう音楽をやっていくんだ"という証明でもあるんですけど、ここまで築いてきたものを受け継いで、繋いでいくものでもあると感じるんです
-"音のない世界"(※ホラー専門YouTubeチャンネル"ホラーちゃんねる"でLittle Lilithが出演したホラー短編映画)を観たんですよ。
一同:(笑)
LILLY:そこから入るとは思わなかったです(笑)。
-あそこまでしっかりと演技する経験は、今まであまりなかったんじゃないですか?
SHIORI:そうですね(笑)。
-あれはどういう経緯でやることになったんですか?
LILLY:もともとYUKIちゃんが個人で出ていて。
YUKI:そこから"世界観が合いそう"とのことでLittle Lilithとコラボしようという話になりました。
-音楽とは異なる演技という表現を経験してみたわけで。
LILLY:いやぁ、大変でした。映像のお芝居ってあんまりしたことがなかったので、難しいなぁと思いながらやっていましたね。
YUKI:まさかLittle Lilithでお芝居をやれるとは思っていなかったので、楽しかったです。
LILLY:うん。いい機会だったね。新鮮だった。
SHIORI:Little Lilithを知らない方から知ってもらうきっかけになればいいな、届けばいいなぁと思っています。ファンの方は面白がってくれていますし、怖がってくれたみたいです。やった甲斐があったなぁって。
-なんでその話から入ったかというと、会場限定でリリースされた"1st Demo CD"『Rebuild』のジャケット写真がホラーな感じなので、そういう繋がりでのお仕事だったのかなと思ったんです。
LILLY:あぁ、もちろんそれもあってのコラボでしたね。もともとYUKIちゃんが出演していたこともあるし、このCDが出るし、みたいな感じで。
-なるほど。で、このジャケット写真が、なかなか不気味ですよね。
ERIKA:(笑)怖い。めっちゃ怖い。
-でも、単純に怖いだけじゃなくて、いろんな意味が込められているそうで。言える範囲で言うと、どんな意味があるんですか?
YUKI:う~ん......内緒じゃないかなぁ(笑)。
一同:(笑)
YUKI:手に取ってくださった方に"これはどういうことなんだろう?"と考えてほしくて。"こうなんじゃないか?"ってSNSに書き込んでもらえたら、私たちが"フフっ"て笑いながら"いいね"を押します(笑)。
-ファンの中には鋭い考察をしている人もいますか?
LILLY:そうですね。深く考えてくれている方がいて嬉しいです。
YUKI:裏ジャケットは、靴が1足残っているデザインなんですけど、"これにも何か意味があるんじゃないか"とか書いてあって。"良し良し、そうだぞ"と(笑)。
-収録曲としては、すべてリトルリリス時代の楽曲のリアレンジなんですけど、そもそもリアレンジすることに対してはどう感じていたんですか?
LILLY:私は単純に嬉しかったですね。やっぱり今までの曲もすごく大事なので、それをまた歌えることが嬉しかった。それをさらにCDという形にできて、すごく嬉しいです。
YUKI:お客さんにとっても、大事に思ってくれていた曲とか、気に入ってくれていた曲たちだったので、それをLittle Lilithとしても引き継いでいけるのはすごく嬉しいなと思います。
-リアレンジの候補はたくさんあったと思うんですけど、選曲はどんな基準で?
LILLY:ん~、明確な基準とかはなかったんですけど――
YUKI:Djent映えというか、このジャンルの曲にしたときに面白いとか、カッコいいとかですかね。
-リリースしての反応はどうですか?
LILLY:私たちにとって初めてのCDというところで、ライヴに来たお客さんが音楽を持って帰ってくれることがすごく嬉しくて。私たちの主催ライヴでリリースしたんですけど、その日は当日持ってきたぶんが完売したんです。「LadyBug」(2021年リリースの1stデジタル・シングル)は配信だけだったから、どのぐらいの人たちが聴いてくれているというのがパッとしたものではわかりにくいんですけど、目に見える形でCDがなくなったのがすごく嬉しくて。夏にまたEP(『Graffiti』)が出ますけど、そうやってみんなが音楽を持っていってくれるのが楽しみですね。
YUKI:私たちも待ち望んでいたけど、お客さんが望んでくれていたことを実感できたのがすごく嬉しかったです。これからもいっぱい届けていけたらいいなと思います。
-SHIORIさんとERIKAさんはどうですか?
SHIORI:12月に加入して、この新体制になって3ヶ月ちょっとなんですけど、そのあいだでも本当にいろんなことがたくさんあって、4人の絆も深まってきていたんですね。そのタイミングで、私たちはこれからDjentの音楽をやっていきたいんだという1枚をまず形にできて、それを届けることができて本当に良かったなぁと思っています。この曲たちをみなさんに聴いてもらって、Little Lilithを好きになってくれる人がいっぱい増えたらなと思っています。
ERIKA:12月に新体制が始動してからライヴを重ねてきているなかで、この3曲はライヴでもずっとやってきている曲たちなんです。ライヴで聴く良さもあるんですけど、音源で聴くと細かいところもいろいろ見えてくると思います。私たちが加入する前の曲をアレンジした、"こういう音楽をやっていくんだ"という証明でもあるんですけど、ここまで築いてきたものを受け継いで、繋いでいくものでもあると感じるんです。そういうところをしっかり届けていきたい気持ちもありますし、たくさんの方が手に取ってくれたことが嬉しいなと純粋に思いました。
-シングルでもEPでもアルバムでもなく、"Demo CD"というところもポイントだと思います。どういった立ち位置なんでしょうか?
YUKI:新しいLittle Lilithとしては「LadyBug」があって、夏に出る『Graffiti』があってということなんですけど、この"Demo CD"はリトルリリスを継承する意味合いで形になっているものだと思っていて。
LILLY:新しさと過去を繋ぐ架け橋ですね。
-架け橋で言うならば『Rebuild』が「LadyBug」の前にリリースされていたほうが自然ではあるんですけど、Little Lilithになるエピソード0的な、そんな立ち位置なんですかね。
LILLY:そうですね。実際、私たちは"Dead or aLIVE"という主催ライヴをやっているんですけど、"vol.1"をやったあとに"vol.0"をやって、それから"vol.2"をやったんですよ。12月10日の時点では変わったことを強く打ち出したかったから、「LadyBug」が必要で。でも、この時期になって架け橋になるものが必要だったので『Rebuild』をリリースしたんです。
-ヴォーカルのレコーディングはいつごろだったんですか?
LILLY:12月と1月ですね。「LadyBug」よりあとです。
-やっぱりそうですよね。「LadyBug」のときよりも歌がパワフルになった気がしたんですよ。LILLYさんが持っている繊細な歌声の要素を残しつつも、Djentというジャンルの音に負けずに前に出てきているなと。かなりトレーニングしたんじゃないかなと思いました。
LILLY:そうですね、今までとは全然違うジャンルだったので。SNSとかにはあんまり書いていないですけど、ボイトレを受けたりひとりで練習したり、今まで以上に意識してやっている部分はあります。
-楽器隊のみなさんは、LILLYさんのレベル・アップをより近くで感じられているんじゃないですか?
SHIORI:ひしひしと。
ERIKA:ライヴをやっていても後ろ姿がカッコ良くて、引っ張ってくれている部分があります。ライヴを重ねるたびに大きな存在になっていると感じますね。頼もしいです。