LIVE REPORT
DESURABBITS
2020.11.13 @恵比寿Act square
Writer 宮﨑 大樹 Photo by オ
2013年に結成し、メンバーの脱退や加入を経験することもなくオリジナル・メンバーのまま活動を続けてきたラウドロック・アイドル DESURABBITSが、7周年記念日の11月13日に[7th Anniversary "SINGLE BEST" 生配信!]と題した自主企画を行った。
生配信ではあるものの、この日は限定人数ながら有観客での開催。DESURABBITSの有観客の自主企画は今年1月以来、約10ヶ月ぶりになる。
ひさしぶりに観客がいる自主企画の会場へ向けて、DJ兼スクリーマーのBUCHOがオープニングSEを鳴らすと、『一瞬で』の衣装を身に纏ったEMI、YUZU、KARINが登場。7年前の11月13日にデビューを飾った、1stシングル表題曲「アイドルSTAR WARS」でパフォーマンスが始まった。
「アイドルSTAR WARS」はライヴでも披露され続けている定番曲ではあるが、7周年記念ライヴという性質上、その歌唱とダンスからは7年間の成長過程が思い浮かび、自然と胸が熱くなる。未だコロナ禍にあるため、声を出しての応援はできないデスラビ軍(※ファンの総称)は、声援の代わりに手拍子で応え、そんな彼らの心の声(コール)は、大型モニターで躍動した。
1曲目のパフォーマンスを終えると、MCの喋りだしで盛大に噛んでしまったYUZU(7年経っても大事なところで噛んでしまうところは実に彼女らしい)から、EMI、KARIN、BUCHOと順に自己紹介。離れていてもファンと交流したい気持ちの現れだろうか、背面のモニターには、生配信を視聴しているファンからのコメントがリアルタイムで表示されていたことも印象的だ。国外からのコメントも多く、世界中でDESURABBITSの7周年が祝われていることが伝わってきた。
この日のセットリストは、シングル表題曲をリリース順にしたものが中心。2ndシングル表題曲「恋する季節」で、赤く激しいライティングに照らされながらアグレッシヴなサウンドを届けると、続いて「お祭りJAPAN!!告白Night」へ。普段はライヴ終盤で披露されることが多いこの曲が序盤で届けられるのも、この日ならではの見どころだろう。
披露が終わったあとのMCでは「お祭りJAPAN!!告白Night」のMVの一部が映し出されたのだが、当時の3人がとにかく幼く、BUCHOは懐かしの初期装備ということで、改めてデスラビ7年の歴史を感じさせる。新宿ReNYで開催した3rdワンマン・ライヴのオープニング映像も流れ、これを観ながら思い出話に花を咲かせると、1stワンマン開催のきっかけにもなったという思い出の1曲「うさぎのきもち」から「なんで?」へ繋げた。"SINGLE BEST"というだけあって、歴史を辿りながらもキラーチューン連発の強いセットリストで感情が昂る。
この日はスペシャル・ゲストとして、サウンド・プロデューサーの小林哲也が登場。"DESURABBITS、7周年おめでとう!"と、手に持った花束をYUZUに手渡した。そうして小林哲也から7年の歴史の裏話が語られていく。3人がなぜオーディションで選ばれたのかについては、EMIは歌で即決、YUZUはリーダー感が決め手になり、最後のKARINは天性のものを見いだしたという。3人はバランス感が最高で、この3人の誰からも愚痴や悪口を聞いたことがないという、なんとも嬉しい発言も明らかに。3人が衣装チェンジをしている間にはBUCHOの印象も語られていた(第一印象は、ヤバいから付き合いたくなかったけど、情熱的で優しいおじさん、とのこと)。楽曲面では、3人とBUCHOの良いところを生かすために、笑いと笑顔を軸に様々なジャンルを歌って踊れるグループにしたかったそうだ。
そうこうしているうちに『卒業少女‐未来絵‐/でも、逃げんな』の衣装に着替えた3人が登場。「Anger」、「ですまスプリング~そろそろ敬語を使ってみませんか~」、「みんなおいでよ!ですラビランド!~アイドル界の闇~」と、"です。ラビッツ"時代のシングル曲を立て続けに披露していく。この3曲を順に聴いているときは、次から次へと、デスラビの新しい一面を開拓しようとしていたグループの歴史を辿っていく感覚が強かった気がする。また、この3曲をリリースしていた時期は台湾遠征をしていた時期でもあり、YUZUは台湾でのライヴの経験で"人生で一番大好きなことはライヴ"だと気づいたそうだ。
ここから話題は"兎革命"へ。今までは言われたことをこなすだけで必死だった3人だが、もっと自分たちから発信しようと決意し、"兎革命"を掲げて"成蝶(成長)"を目指して活動をしていくようになった。そんなきっかけの曲である「卒業少女‐未来絵‐」で感傷的な気分にさせたかと思えば、続けて「でも、逃げんな」では開けたサウンドを響かせる。曲を歌い終え、暗転から明転すると、一瞬で衣装が変化した3人が「Magic of Butterfly-成蝶-」を披露(実はこの曲だけ事前収録を行っていた)。メイン・ヴォーカル EMIのエモーショナルな歌声がひときわ輝き、YUZU、KARINがしなやかなダンスでそれを支える。このバランス感がとにかく素晴らしい。デスラビ軍が手にした青いサイリュームも美しかった。こうしてライヴDVD『オンラインリモートライブ from Shibuya O-WEST』のリリース決定や、12月27日のYUZU生誕祭、来年1月16日のEMI&BUCHO生誕祭が告知され、7周年記念イベントもいよいよ終盤へ。最新シングル表題曲「一瞬で」と「RAY WORD」を届け、最後のMCが始まった。
そこでYUZUの口から語られたのは、2021年6月にDESURABBITSが解散するという報せ。静まり返る会場と画面越しのファンに向けて、悲しい解散ではないということも付け加え、ここからひとりずつ涙ながらにコメントをした。
自分が言いたいことは文に書いてあるのでそれを見てほしいなっていうのが一番で、今この場でみんなに直接言いたいことは、DESURABBITSが好きなのも変わらないし、メンバーのことが好きなのも変わらないということです。最後までたくさん泣いちゃうと思うんですけど、泣いちゃう姿より笑顔の姿を見せられるように最後まで頑張るので、ファンをやめずに観にきてくれたら嬉しいです。(EMI)
今日は来てくれてありがとうございました。本当はリハのときから泣きそうで、ファンの人の顔を見たら笑顔でいなきゃなんですけど、勝手に(涙が)流れてきて。何喋ればいいのかずっとわからなくて。ただ、文章ではちゃんと伝えたい言葉を書いたので、ぜひ読んでいただけたらなって思います。(KARIN)
なんで、どうしてっていうのは、このあとのホームページで全部書いてあります。これは本当に大人に言われたからとか経済的なものとかそういうのじゃなくて、この4人で話し合って決めた決断であって、後悔はしていません。悲しいっていう感じは取れないかもしれないけど、全力で最後まで頑張るので、最後の日まで忘れないで、一緒に楽しんでもらえればと思います。(BUCHO)
今日はこういう発表をすることになっちゃったんだけど、マイナスな解散というわけではなくて、みんながちゃんと前を向いて決めた決断です。無責任についてきてほしいとは言えないんだけど、本当に最後までみんなについてきてほしいし、もっともっともっと楽しいライヴを一緒にやりたいです。だから解散っていうことは決まってしまっているんだけど、やっぱ解散したくないなって思えるようなライヴをどんどんパワーアップして毎回やっていきたいです。ライヴって私たちだけじゃ作れないじゃないですか? みんながいなきゃ作れないから、みんなに遊びに来てもらって最高のライヴを最後までやりたいです。よろしくお願いします!(YUZU)
4人の想いについては公式サイトにてじっくりと読んで、感じていただきたい。
突然の報告で重い空気にならざるを得なかったが、"私たちが大好きなライヴへの想いを歌った曲です"と、溢れ出す感情と共に「アイコトバ」が披露され、ここで配信は終了した。だが、アンコールを求める手拍子は鳴り止まない。これに応えて「一瞬で」が会場のみに届けられ、7周年記念日は幕を閉じた。
解散ライヴが行われるその日まで、どうか4人の姿をしっかりと目に焼きつけてほしい。
[Setlist]
1. アイドルSTAR WARS
2. 恋する季節
3. お祭りJAPAN!!告白Night
4. うさぎのきもち
5. なんで?
6. Anger
7. ですまスプリング~そろそろ敬語を使ってみませんか~
8. みんなおいでよ!ですラビランド!~アイドル界の闇~
9. 卒業少女‐未来絵‐
10. でも、逃げんな
11. Magic of Butterfly-成蝶-(※事前収録)
12. 一瞬で
13. RAY WORD
14. アイコトバ
En. 一瞬で
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