LIVE REPORT
ギルガメッシュ
2015.03.14 @新木場STUDIO COAST
Writer KAORU
約5ヶ月にわたり、42公演を行ってきた"gravitation"ツアー結成の千秋楽。このツアーは2014年10月からスタートし、ROACH、ARTEMA、MAKE MY DAY、Another Story、HER NAME IN BLOODなどなど、ラウドロック・シーンで活躍するバンドとの対バン形式で行われた。このツアーの前にヨーロッパ・ツアーがあったが、日本でのワンマン・ライヴは1年半ぶりとなる。
BGMにはAS I LAY DYINGなどが流れており、近年のギルガメッシュの音楽ルーツがよくわかる選曲。そして「MONSTER」がSEで流れ、メンバーが登場!"Are You Ready!?男共!今日は最後まで女にケガさせんじゃねーぞ!守ってやれ!女共!男たちをボッコボコにしてやれ!"という左迅(Vo)の言葉のあとに「gravitation」が始まると、巨大なサークル・ピットが早くも出現。愁(Ba)と弐(Gt)が華麗なステップを踏みつつ、Яyo(Dr)の高速ドラミングと共に轟音を生み出す。左迅のヴォーカルも絶好調だ。現代的なハードコア・トラック「Go ahead」では、ヘドバンの嵐となり、ブレイクダウンではテコンドーを披露する男ファンが目立った。「斬鉄拳」ではウォール・オブ・デスと2ステップで盛り上がり、メンバーからも満面の笑みがこぼれる。そして最初のMC。"ギルガメッシュです!gravitationツアー・ファイナル新木場STUDIO COASTへようこそ! もう満足だわ(笑)。こんなに集まってくれてありがとうございます! 43本に及ぶツアーを回ってきて、ファイナル以外のツアーは対バンにサポートしてもらって回ってきました"そしてツアーで愁のベースが真っ二つに折れた話などのエピソードも語られたあと、"支えてくれたバンドと全国各地のファンとスタッフに感謝!ありがとうございます。43本分のみんなの思いとパワーを、ここで爆発させて、でっかい花火を打ち上げたい。初めての人も、何十回観た人も、何百回観た人もいると思うけど、ここに来た理由はひとつのはずだよな? 最高の思い出を作るために集まってくれたんだよな? お互いに助け合って、高めあって、最高の空間作っていこうぜ! 俺たちギルガメッシュのライヴを1番わかってるのは、ここにいるお前らだろ!"という言葉に、フロアの興奮が更に高まる。ここまでの3曲の間フロアを見ていたが、いわゆるヴィジュアル系的なノリのファンもいれば、ラウドロック・キッズ特有の暴れ方をしている人もいたが、みなが自由に今のギルガメッシュのライヴを存分に楽しんでいて、一体感を生んでいた。今日のライヴは忘れられないものになるだろう。「antlion pit」ではプレイもフロアのノリも抜群の結束感を見せ、激重なビートが爽快に響く。お馴染みのナンバー「CRAZY-FLAG」、アレンジが施された「driving time」、「DIRTY STORY」、が立て続けに披露され、速いビートと共に高揚感がどんどん高まっていく。「Resolution」から雰囲気が一転し、「睡蓮」、「COLOR」と、ドラマチックで歌モノのナンバーが続いた。この場面では、魂を込めて、噛み締めるように、ひと言ひと言を大事に歌う左迅のヴォーカルが、ライヴを観るごとにどんどんたくましくなっていることを改めて実感した。
ここで2回目のMCが挟まれる。"10年間夢を追い続けてきて、たくさんの夢を叶えることができました。楽しいこともあったけど、それと同じくらい苦しいこともあった。罵声を浴びることもあったけど、なんで10年間もやってこれたかというと、日本中、世界中に俺たちのファンがいてくれてるからです。ギルガメッシュの音楽があったから命を救われましたという言葉が一番嬉しかった。バンド、音楽をやってる意味をもらえた気がした。感謝しても仕切れないけど、この10年間、俺たちを支えてくれて、どうもありがとうございます! 永遠なんてこの世にないし、バンドなんていついなくなるかわからないからさ、また明日から悔いのない人生を精一杯歩んでいきませんか! 次の曲は、ここにいる全員の顔を笑顔にしたいと思って作った曲です!"そしてプレイされたのは「Break Down」! 照明がド派手に演出し、今日1番の一体感を生み出す。「crime-罪-」から、パーカッシヴなビートの「sunrise」ではコール&レスポンスが起き、フロアはタオルを振り回してお祭り騒ぎのパーティー空間に。パンキッシュな「Never ending story」ではまた巨大なサークル・ピットが出現し、その穴はどんどん大きく広がった。そして「ALONE」がプレイされた後、重大発表が。
"3月24日に初ライヴをしたんですけど、その日に本八幡Route Fourteenという、俺たちの地元のライヴハウスで、GMFCというモバイルファンクラブ会員限定のライヴがあります。かなり昔の曲をやったりしますので、会員の人はぜひ遊びに来てください。そして、今ドラムのЯyoさんが必死に毎日曲を作ってます、頭が禿げそうになるくらい、毎日作ってます。曲を作っているということは、音源が発表されるということです。今年中に音源発売します!そして、3月24日から11周年イヤーが始まるということで、11にかけて、11本のワンマン・サーキットを開催します! お前らついてこいよ!"
そして、激ロックDJパーティーでも度々プレイされ、最近のギルガメッシュを代表するアンセム「Drain」では、愁が腰を低く落とし、弐は思いっきり頭を振り、Яyoも身体を大きく動かし、パフォーマンスにおいても魅せてくれた。もちろんフロアはテコンドーやウォール・オブ・デスで暴れまくり!「VOLTAGE」、そして「Another Way」では今日1番の大合唱が起こり、ラストは「お前に捧げる醜い声」で締めくくられた。
ほどなくしてアンコールの声が上がり、弐のギター・ソロからアンコールがスタート。アルバム・バージョンの「絶頂BANG!!」、そして「evolution」では左迅が客席に降り、人の上に立って歌った。愁が曲の間に"ありがとうー!"と叫んでいたのも印象的だった。
"また明日から力強く毎日を過ごせるように精一杯の気持ちを込めて歌います!"というMCのあと、「arrow」がプレイされ、ライヴは終了した。
楽しい時間はあっという間。ギルガメッシュは今、最高のコンディションだ。本当に素晴らしいライヴを魅せてくれたメンバーに、大きな拍手を送りたい。
MCで触れていたワンマン・ライヴについては、"-Memories of LIVEHOUSE oneman circuit-"と題され、4月25日にOSAKA MUSEからスタートし、目黒鹿鳴館や池袋CYBERなど、かなり小さいキャパシティのライヴハウスで行われることが発表されている。11周年を前に、原点回帰的な意味も込められているのだろう。写真撮影もOKとのこと。メンバーにとってもファンにとっても記念となるサーキットになることは間違いない。音源のリリースも待ち遠しい!今やギルガメッシュは無敵という言葉がぴったりだ。また我々を驚かすような音を届けてくれるだろう。
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