LIVE REPORT
LOUD PARK 10|CHTHONIC
2010.10.16 @さいたまスーパーアリーナ
Writer 米沢 彰
「日本から非常に近い国」台湾から「僕らの感覚からは非常に遠いビジュアル」のCHTHONICが続いて登場。やっぱり理解し難いメイクでした。Freddy(Vo)の片目の瞳が小さくて怖い。本当に怖い。独特の世界観をひた走っていて、オーディエンスの間からも「怖っ」って声が漏れ聞こえてきていました。多分、バンドとしてはこの反応こそが「してやったり」なのでしょうが。
相変わらず全員の演奏レベルが高い。特にDani(Dr)の超高速ドラム・プレイには思わず見とれてしまう。そして、黙々とプレイするDoris(Ba)は相変わらず見目麗しいお姿。以前にIndependence-D 2007で見たときよりもFreddyのスクリームは更にキレを増していて、CHTHONICらしい世界観が更に広がっていた。Freddyは見た目がかなりスマートになった気がするが、それでもパワフルなパフォーマンスは健在どころか更に磨きがかかり、同じ東洋人とは思えない次元だった。否、そのビジュアルも相まって、同じ人間ではなく悪魔か何かのようにすら感じられた。
「日本向けにリリースされたベスト盤にも収録されている曲を聴いてくれ!」とFreddyが独特のがなり声でMCをし、噂のJUDAS PRIESTの「Painkiller」のカバーを披露。限局を数倍テンポアップさせた「Painkiller」はさながら運動会のような賑やかさで、各パートのテクニックが光る。さらにはFreddyの二胡(中国・台湾の伝統楽器)でのプレイを挟み込んで楽曲も披露し、不思議なもの悲しさが漂う、CHTHONICらしいブラック・メタル全開のステージを見せてくれた。世界を舞台に、オリエンタルな独自路線で勝負を挑む彼らの全てが詰め込まれたステージに大満足。いい意味で、短い時間でも十分に楽しませられる、ということの裏返しでもあるが、逆に言うと、かなりこってりしているCHTHONICのパフォーマンスはこうしたフェス形式で楽しむのが良いのかも、とも思ってしまった。それほどまでにキャラクターが抜きん出た存在なのだ。
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