DISC REVIEW
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初のアコースティック・アルバムをリリースしたCHTHONIC。台湾出身ならではのオリエンタルな要素や土着的なサウンドとメタルの融合により世界的な評価を獲得してきた彼らが、メタルを脱ぎ捨ててセルフ・カバーを聴かせる今作を聴けば、CHTHONICのサウンドの核心がより説得力を伴ってくるだろう。彼らの歌う台湾の心、歴史、悲劇はついにここまでの表現力を得て、メタル・バンドとしては新たなステージへと入ってきたことが分かりやすく伝わってくる。まずはMVも公開されている「Takao」のアコースティック版、メタル版を聴き比べてみていただきたい。台湾を愛するあまりFreddy(Vo)は政党を立ち上げたほど。音楽的にも社会的にも新たな境地に達した彼らの心の奥底を今作で覗いてみてほしい。 米沢 彰