DISC REVIEW
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台湾出身、今やアジアを代表するメタル・バンドとして世界を股にかける活躍を見せているCHTHONIC。アジア圏はもとより、欧米を含めた世界中をツアーし、ここ日本へも10回以上は来ている彼らだが、ツアーを通じて間違いなく成長し続けていることを作品のリリースの度に証明している。本来、二胡や箏などを使った、オリエンタルな妖艶さが彼らのサウンドの特徴であったが、今作ではよりブルータルでアグレッシヴなバンド本来のサウンドが前面に押し出され、グルーヴ感や躍動感が明らかに進化している。もちろん、持ち味のアジアン・サウンドは随所で楽曲の個性的なキャラクターを支えており、CHTHONICらしさは微塵も失われていない。バンド全体のレベル・アップが感じられる、CHTHONICが新たな領域へと挑戦した意欲作。これを聴かずにアジアのメタルは語れない! 米沢 彰