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INTERVIEW

BUCKCHERRY

2025.06.12UPDATE

2025年06月号掲載

BUCKCHERRY

Member:Josh Todd(Vo)

Interviewer::山本 真由 Translator:安江 幸子

-アートワークについてはドラマーのFrancis Ruizが手掛けているとのことですが、ただのドラマーじゃないといいますか、いろいろな才能を持っているんですね。

そうなんだよ。あいつは本当に才能があって......ジャケットだけじゃなくて、アルバム全体のレイアウトも手掛けているんだ。その前の作品も1、2枚ね。マーチャンも全部アイツがデザインしているよ。いろんなことに深く携わっているんだ。本当にすごい男だよ。俺のタトゥーまで描いてくれたんだ!

-ドラム以外でもとてもアーティスティックなんですね。

そう。本当に才能豊かなやつだよ。しかもすごく優しい。本当に良い心の持ち主で、俺も大好きなんだ。

-えぇと、彼は6年くらい前に加入したんですよね。ということは加入以来ずっとそっち方面も手掛けているのでしょうか。

最初からじゃないけどね。あいつの才能がこんなに幅広く深いものだなんて知らなかったんだ。でも一緒にやるようになってからどんどんその奥深さが分かってきて......アートの才能がものすごいんだ。"うわぁ、すごいな。これはできる?"と聞いたら"もちろんさ"とやってくれた。できたものを見たら、俺たち他のメンバーはもう、"Wow! これはTシャツにすべきだ!"と思ったよ。という感じで、全部やってもらうことにしたんだ。全部内輪でやればいいじゃないかってね。他の手なんてないだろう?

-まったくです。ヴィジュアル・コンセプトについてはメンバー内で相談しているのでしょうか?

もちろん! みんなでやりとりしながら話し合っているよ。実際に世の中に出す前に必ず見せてくれるしね。アートワークに関してはビジネス的な関係なんだ。ただ厚意でやってもらうんじゃなくてね。"俺はお前がこれをやることに関してちゃんと金を払いたいんだ。だからこういうやり方でいこう"ということだよ。

-Francisはソングライティングのほうはあまり参加していないのでしたっけ。

そうだね。

-デザインの前にできた曲を聴かせたりするのでしょうか。

もちろん! 俺たちには鉄板のやり方があって、それが上手くいっているんだ。KellyもFrancisもBillyも仕事が丁寧なやつらだから、このバンドはこうしてやっていけている。仲もとてもいいし、何かと上手くいくんだ。

-BUCKCHERRY自体は30年になりますね。印象的なのはやはりあなたの歌声ですが、この歳になっても"老化"というより、"成熟"に向かって今も高く伸びる声で吠えたりしていることにただただ驚きです。

ははは(笑)、ショー・ビジネスのおかげで若くいられるんだろうな。この生業をやるためには健康でいなければならないんだ。歳をとるにつれて大変なことになってくるからね。これだけたくさんのショーやいろんなことをやっていくためには、健康でいなければならないから、この生業でいいところの1つがそれなのは間違いない。自分自身のことは本当に気を付けているよ。酒や薬をやめてもう30年以上になるのも役立っている。ワークアウトもよくやっているんだ。

-健康面以外でヴォーカルを録る上で特に気を付けていることは何かありますか? またライヴとの違いは?

レコーディングとライヴは全然違うよ。(レコーディングでは)1フレーズずつ歌っては止め、歌っては止め......ができるからね。1曲を通しで歌うほうがヴォーカルを録るときよりずっと大変なんだ。プロセスとしては全く違うからなんて言えばいいか分からないけど......ライヴ・ショーのほうがレコーディングよりずっと大変だね。

-レコ―ディングするときはそれをライヴでどう再現するかにフォーカスします?

もちろん! Martiにも彼がブースの反対側にいるときに言っているんだけどね。思いきり声域を駆使すれば歌えるものも、"Marti、これは無理だ"と言うんだ。"コーラス1つだけ歌えっていうならこの音域でも大丈夫だけど、丸一曲歌えってことになるとあまりに音が高すぎる"なんて感じにね。それでキーを下げてみるとかいろいろ策を試してみて、俺にとってもっとやりやすい落としどころを見つけるんだ。 ......過去のプロデューサーにはそうしてくれない人たちがいて、それが俺は気に入らなかった。そういうことはあらゆるタイプのアーティストが経験することなんだ。ヴォーカルの音源を勝手に調整して、アーティスト本人には知らせない。すると、できたばかりの曲を歌っているというのに、アーティストがライヴで苦労してしまうんだ。それでキーを下げて歌ったりして......なんて例はいくらでも挙げられる。1つ教えてあげよう。ロックというジャンルでは、もはや生歌を披露していないやつらがたくさんいるんだ。酷い話だよ。だから俺はMartiに相談して、ライヴでも歌える曲にしているんだ。

-ライヴで観るとがっかり、というアーティストは結構多いですよね。

(笑)ただ、その要因はいろいろあるんだ。単に調子が悪いだけの場合もあるから、そのシンガーが悪いわけじゃない。でもずっとそういう場合はもう質のことなんて気にしていないとか、周りがヴォーカルを手助けしていないとか、一概には言えないから分からないよ。

-その点BUCKCHERRYはアルバムもライヴも同じ生々しさがあります。それはコードやキー等を歌えるものにしているからなんですね。

ありがとう! と言っても俺も調子が悪いときはあるし、そんなときも動画で撮られていると思う。今は調子が悪かったという事実から逃げられないようになっているんだよな、世界中にバレるから(苦笑)。シンガーにとってはキツい時代だよ。だからこそ、もうライヴで生で歌いたくないという人たちが出てきてしまうんだ。それよりも音程をパーフェクトに調整したヴォーカルを出して、それに合わせて口パクする。でも誰も気付きようがない。しかも、"君の好きなアーティストはライヴで生で歌わないんだってよ"と言ったとしても、聴く側も気にしないんだ。俺には理解不能だけどね。

-そんな時代になってしまったんですね......そのなかでもあなたは生で歌うことにこだわっていて、しかも大ベテランになりました。これからバンドを始めたいキッズにアドバイスするとしたら、こんな言葉を掛けますか?

難しい質問だな。あまりに世の中が変わってしまったからね。でも俺からのアドバイスとしてはいつも同じだな。自分のやっていることを上手くなること。情熱を持つこと。軌道に乗って人気が出てくるといろんなことを求められるようになるから、情熱がないとやっていけないことも出てくるんだ。ものすごくハード・ワークだからね。

-新作を引っ提げたツアーもすでに始まっていて、この先もツアーが目白押しですね。前回の来日公演("Buckcherry Japan Tour 2019")からもう5年以上になりますが、もしまた来日公演が決まったら日本で挑戦したいことや楽しみなことは何かありますか?

ほんと、間が空きすぎだよな。俺はカリフォルニアで子供のときよくサーフィンをやっていたんだ。日本にもいい波があるところがあるって聞いたんだけど?

-あるらしいですね。

日本でサーフィンできたら最高だろうな。山にも行って上から日本を見てみたい。日本の田舎にも行ってみたい。新幹線の窓から見たことがあるけど、美しい国だと思うしね。俺は名古屋、広島、大阪、東京、横浜......そういう大都市には行ったことがあるけど、田舎にも足を伸ばしてみたいんだ。そうなったら最高だよね。

-前回は東京と大阪だけでしたっけ。

ああ。昔は2週間くらいいろんなところを回っていたけどね。でもマネージメントから聞いた話だと、状況がいろいろ変わって、経済的な理由か何かで年に1回しかショーに行かなくなったとか、そういうことらしい。なら大都市を狙うしかないなと。

-最近は東京のみというバンドも増えました。でもBUCKCHERRYが来るなら、もっと多く回ってくれることを願っています。

そうか......俺たちもそっちに行くのが好きだから、ぜひそうしたいね。俺のマネージャーのLarry Mazerにも相談してみてくれ。俺はもうずいぶん長い間、日本に行きたいって彼に言っているからね。

-分かりました。最後に日本のファンへのメッセージをお願いいたします。

(※声を大きくして)日本のみんな!! 大好きだよ!! 近い将来日本で会えることを楽しみにしているよ! 早くみんなに俺たちの自慢の新作『Roar Like Thunder』を聴いてもらいたいんだ。ロック・ショーで会おう(※メロイックサインを見せる)!