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INTERVIEW

BUCKCHERRY

2025.06.12UPDATE

2025年06月号掲載

BUCKCHERRY

Member:Josh Todd(Vo)

Interviewer::山本 真由 Translator:安江 幸子

世の中のクレイジーさから距離を置いて、本当は何がやりたいのか、どんな人生にしたいのかを考える。それに向かって前進するんだ


-"Roar Like Thunder"というパワフルなタイトルに込められたメッセージについて教えてください。前回は"Vol. 10"というある意味当然の選択でしたが。

実は、"Roar Like Thunder"は俺の第1希望じゃなかったんだ。俺のマネージャーがすごく気に入ったタイトルでね。曲から来ている。というかすでにその曲ができていたんだ。本当は別のタイトルで行こうと思っていたんだけど、いろいろあってさ。LAでひどいことが起こったんだ。山火事が起こってね......もともとこのアルバムは"Let It Burn"というタイトルにするはずだった。

-あっ。

曲も「Let It Burn」から出すつもりだった。でも、LAで起こったこととは何の関係もない曲だけど、その時点ではいい選択ではないと判断してね。それでギアチェンジした。そういうことってあるんだな。でもそれがベストな形になったよ。過去にもそういうことがあった。時にはそういう選択をしないといけないこともあるんだ。

-そうだったんですね。ところであなたはLA在住ですか。

ああ。生まれもLAだし、生まれも育ちもカリフォルニアだよ。

-そうだ、そうでしたね。あなたもご家族や周りの方々も、この前の山火事では無事だったのでしょうか。

ああ。聞いてくれてありがとう! 俺たちは幸い山火事の影響がないところに住んでいるから大丈夫だったけど、本当にたくさんの人々に影響があって、まったくひどい時期だったよ。今でも復興の最中なんだ。

-やはりそうなんですね......日本でもたくさんニュースになっていて、みんな心を痛めていました。あなたをはじめ、LA拠点のミュージシャンたちのことを心配していましたよ。こうやってお話しできて、新作も出てということで、あなたに関してはやっと安心できます。BUCKCHERRYのファンにしてみれば、"良かった。Joshが無事で、雷みたいに吠えている(roaring like thunder)!"と思えますからね。

(笑)そうだね。

-アルバムに先駆けて公開されたタイトル・トラック「Roar Like Thunder」ですが......。

そう、「Roar Like Thunder」が1stシングルなんだ。ご存じの通りMVも作った。今のアルバムの出し方というのは、俺のマネージャーによるとだな(笑)......『Vol. 10』のときもそうだったけど、アルバム本体が出る前に4、5曲ドロップするものなんだ。というわけで「Roar Like Thunder」はすでに出した。「Come On」のリリック・ビデオも出ている。6月13日にアルバムが出る前に、もう2曲出すことになるだろうな(※取材は4月下旬)。予約は今すぐできるよ。

-日本も発売日が同じですから、予約可能になっているでしょうね。「Roar Like Thunder」の曲について質問しようと思ったのは、先程話してくださった、タイトル曲になったきっかけを知らなかったからというのもあって。アルバムからの第1弾シングルですし、オープニング曲で、しかもノリが良く特徴的なリフ、ライヴで盛り上がりそうな掛け声等、アルバムへの期待感を盛り上げてくれるような1曲ですよね。

ありがとう!

-だからこそこの曲がタイトルになるため、第1弾シングルになるために生まれたような気がしていたんです。この曲が今作の核になる、方向性を決めた楽曲なのではないかと思ったのですが、実際はどうでしたか?

この曲がタイトルになったいきさつはさっき話したけど、曲自体はそうだな......世界は脆い場所になってしまった。人類は今とても脆い境地にいると思う。そういう世の中のクレイジーさから距離を置こうという内容なんだ。毎日のように浸っている情報とかから。SNS、ニュース......その多くはネガティヴなものだしね。そういうものから距離を置いて自分のパッションを維持しつつ、本当は何がやりたいのか、どんな人生にしたいのかを考える。それに向かって前進するんだ。そういう内容の曲だよ。

-この曲はアルバム作りの中で最初のほうに書かれた、あるいは完成した曲だったのでしょうか。タイトル曲候補ではなかったにしろ、核になる曲というのは確信できましたか。

その曲の存在がどれ程大きくなるかは、ずっと後にならないと分からないものなんだ。Stevie(※同じ部屋にいたらしい彼に声を掛ける)! 俺たちが「Roar Like Thunder」を書いたのはいつだったっけ?......序盤だってさ。"序盤"ってStevieが言ってる(笑)。俺は思い出せなくて......(苦笑)。

-なるほど(笑)。

山程曲を書いてきたから、分からなくなってしまったよ(苦笑)。

-そうですよねぇ(笑)。今のクレイジーな世の中に対する怒りのようなものから書いた曲なのでしょうか? あるいはあまり関わりすぎないようにしよう的な。ちなみに、"Roar Like Thunder"というフレーズはどうやって決まったのでしょうか。

"Roar Like Thunder"というのはそうだな......(※胸を叩いたり拳を作ったりしながら)ひたすら夢を追いかけろ! 叶えろ! という感じかな。気を散らすものというのはいつでも存在する。それは金だったり状況だったり葛藤だったりするけど、そんなものがなんの意味がある?......という感じだよ。これに関してはわざわざイチからやり直す必要はないんだ。

-ですね。アルバム全体としては、前作よりも明るくリラックスした印象があります。

そう思うんだ? それは嬉しいね。アリだと思うよ(※にっこり微笑む)。

-ご自身ではそういった変化は感じますか?

前作と比べるなんて考えてもみなかったよ。(※頭をかきながら)ヴァイブが違うとは思っていたけどね。でもライヴでやるセットリストを作り上げるときに、1st、『Time Bomb』(2001年リリースの2ndアルバム)、『15』、『Vol. 10』、『Warpaint』(2019年リリースの8thアルバム)、それから今回の曲たち......みんなしっかり噛み合って、コンサートに来てくれる人たちにとっていい体験を生み出すことができていると自負しているよ。

-「Roar Like Thunder」や「Come On」はすでにライヴでもプレイしている?

ああ。毎晩やっているよ。というかオープニングが「Roar Like Thunder」なんだ。

-おぉ、そうなんですね。ファンの反応はいかがですか。

上々だよ! すごくいい。みんな"Come on!"とか"Hey!"とか一緒にやってくれているしね。"roar like thunder!"なんて叫んでもくれているよ。すごく楽しいんだ。

-いいですね。先程"100パーセントBUCKCHERRYなアルバム"という話もしましたし、過去の曲たちと組み合わせるのも楽なのかもしれませんね。

ああ、すごく楽だよ。