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INTERVIEW

NoGoD

2024.04.10UPDATE

2024年04月号掲載

NoGoD

Member:団長(Vo) Shinno(Gt) hibiki(Ba) K(Dr) Iyoda Kohei(Support Gt)

Interviewer:杉江 由紀

NoGoDでは何かしらに特化したものに"神髄"と名付けて出してきた


-「天国」の原曲はどなたが作られたのですか?

団長:私です。少し昔懐かしい曲が欲しいよねというところから始まり、途中ではhibiki先生のお力も借りつつ、ブラッシュアップしてもらっていくことになりました。

hibiki:この曲では、スピード感とパワー感を両立したリフにこだわりましたね。あと、Kさんにはこの曲でもベースとしっかりシンクロしてもらいました。

K:仲良しこよしでね(笑)。

Iyoda Kohei:ギターは、この曲も作曲者である団長とアレンジャーであるhibikiさんの意図がデモにわかりやすく反映されていたので、自分もどれだけそのイメージに近づけられるかということに力を注ぎました。

hibiki:この曲では、僕が観てみたい場面を想定して作ったギターのセクションもあるんですよ。ギタリストふたりが寄り添ってハモるところを、ライヴで後ろから観たいなと思って、ギター・ソロはそれっぽい感じに作りました。なので、Shinnoさんもライヴでやるときはよろしくお願いします(笑)。

Shinno:了解です!

-3曲目の「海底ノ華」はShinnoさんが作詞をされているそうですが、こちらは原曲もShinnoさんですか?

Shinno:これは20年ぶりくらいに、弾き語りで作ってみた曲ですね。

K:リズムは最初、原曲を聴いた通りのものを自分なりに解釈して打ち込んでから、Shinnoさんと細かいところを詰めていった感じでしたね。そうすることで、今までよりも深いところまで行けた気がします。

-「海底ノ華」はベースの動き方がとても印象的だと感じました。

Shinno:ベース職人ぶりが発揮されてますよね。注文した以上の音で返ってきました。

hibiki:でも、僕はベースを弾きたいわけじゃなくて音楽がしたいんですよ。だから、Shinnoさんのデモに対してさらにメロディとグルーヴを足していく意味で、歌メロとは違う下の方向からアプローチをしていった感じでなんですね。ベースで音楽を体現するとこうなります、っていう音にしてあります。

Iyoda Kohei:ベースがこれだけ動いているので、特にサビ部分のギターに関しては上にタッピングを入れるようにしました。帯域の面で被らないように、自分としては色づけをした感じですね。あと、Shinnoさんから"ここは壊すくらいの勢いで好きにやっちゃってよ"と言われたところはパターンをふたつくらい考えて、良きほうをShinnoさんに選んでもらいました。

-ところで。この「海底ノ華」については、音像と曲調から90年代V系の幻影を感じるところもあったのですが......これは意図的に醸し出した雰囲気ですか?

Shinno:そこは狙ったんですよ。歌詞も含めて古臭いですよね(笑)。

-いえいえ。古臭いではなく、ノスタルジーが漂っているということにしませんか(笑)。

Shinno:自分にとってのルーツじゃないですけど、自分が好きだったものの要素は音にも詞にも入ってるのは確かです。そして、このヴォーカルすごいセクシーじゃないです? そこも気に入ってるんですよ。

団長:"ちょっとセクシーに歌って"とは言われたね(笑)。とはいえ、この曲の主人公は俺じゃなくベースだって思ってたから、とにかく安定した歌を意識してました。

-それから、4曲目の「STELLA」も歌詞はShinnoさんが書かれていらっしゃいますが、こちらを作曲されているのはどなたです?

Shinno:K君です。でも、彼が最初に出した曲はこれとは違ったんですよ。

K:前に10曲くらいまとめて曲を渡してあって、Shinnoさんから"今回はこっちをやろうよ。めっちゃかっこいいじゃん!"って言われました(笑)。

Shinno:K君の曲にも"K君節"みたいなものはなんとなくあって、「STELLA」は聴いてて景色が浮かんでくる曲だなって思いましたね。だから歌詞も書きやすかったです。実はこれ、上京ソングになってるんですよ。

団長:俺たち関東人は、上京したことないけどな(笑)。俺は一生、こういう詞は書けねーっていうやつです。これは盲点だった。びっくりしたわ。Aメロは言葉数も多くて、ブレス・ポイント見つけるのも大変でしたよ。頑張りました。

-さて。実質的に『神髄 -OMNIBUS-』を締めくくるのは「Burning Heart」です。これはもうタイトルも曲調も完全にメタメタのメタルな楽曲に仕上がっておりますね。

Iyoda Kohei:これは私がデモを書かせていただきました。最初はコードとメロディだけが断片的にあって、そこから拡げていくような形でしたね。

K:この曲は頭のギターがいきなりすごいじゃないですか。僕としてはあれに負けてらんねーな! という気持ちで、常に前で突っ走っていたいなと思いながら叩きました。

hibiki:僕、そこ逆ですね。もうあのギターには負けていきましょう、って思いながらずっと弾いてました(笑)。こういう曲は主役がハッキリしてますからね。歌とギターのための曲だなというのがわかっているので、エゴとかはあまり出さず、ソリッドさとスピード感を失わないように弾いていった感じです。

Shinno:ギターが主役の曲とはいっても、自分の場合やっぱりタイプとしてメタルっぽい感じではないんですけどね。でも、そこは Kohei君がちゃんと自分の入る隙間みたいなのを用意してくれていたので、そこで自分の色を出させていただきました。

Iyoda Kohei:Shinnoさんに埋めてほしいところとか、Shinnoさんがいてくれると曲にさらに拡がりが出るだろうな、というところをこの曲では弾いてもらってますね。

-「Burning Heart」の後半は、いわゆるカノン展開になっていますよね。あのあたりにはメタル的な威圧感だけでなく、拡がりと華やかさも感じました。

Iyoda Kohei:その通りです、あれは意図的に入れました。ドラマチックな曲が好きなので、メジャーに転調するところからはカノン展開にしたんですよ。

-力強い音とともに、この「Burning Heart」では"叫び続ける 生きた意味を失くさぬ様"という歌詞が高らかに歌われるのも味わい深いところですね。

団長:とにかく、Koheiちゃんがこれだけメタルな曲を作ってきてくれましたからね。歌詞も徹底的にメタルなものにしなきゃいけない! と感じたんです。だから聞いたんですよ、"この詞はクサくしていいか?"って。そこでOKが出たんで、ここではメタル3原則であるファイヤー、サンダー、ハートの中から"My Heart"を思いっきりハイトーンのロング・トーンで歌ってるんです。

-さすがですね。"燃え上がれ My Heart"のくだりは実にエモいです。

団長:メタルは燃やしたがるんですよ。今度ツーマン("摩天楼オペラ & NoGoD 浦和ナルシス応援企画2『漆黒のシンフォニーat埼玉会館』"/取材は3月下旬)やる摩天楼オペラもソウル燃やしてますし(「BURNING SOUL」)、SEX MACHINEGUNSにも「BURNING FIRE」があるし。ところが、NoGoDは今までバーニングさせたことなかったですからね。というわけで、これがうちの初バーニング曲になります(笑)。

-かくして、新曲5曲を軸とした今回のスペシャル・アルバムには"神髄 -OMNIBUS-"というタイトルが冠せられました。"神髄"という言葉を新たにここで提示することになった理由とは、なんだったのでしょうか。

団長:もう10年以上前にはなりますが、前作の『神髄 -FRONTIER-』は様式美ヘヴィ・メタルに特化した作品だったんですよ。そして、そのあとに出した『神髄 -THE POWER-』はハード・ロックに特化したものだったんですね。つまり、NoGoDでは何かしらに特化したものに"神髄"と名付けて出してきているので、今回の場合は5人の持っているそれぞれの個性、己の視点を生かした、あくまでも"個"に特化した作品であるという意味で"神髄 -OMNIBUS-"というタイトルにしました。

-"OMNIBUS"とは包括する、という意味合いの言葉ですものね。

団長:バンドとしての総括っていうものは、来年が20周年なんで絶対そのタイミングでやることになりますからね。今回はその前に個々がアーティストとして何をやりたいのか、ということを出しておきたかったんですよ。しかも、このアルバムを作ったことで個々のいいところがたくさん見えたので、それはまた今後の作品作りにも生かしていけるだろうなと思ってます。まぁ、バンドとしてはいったんデフラグしたってことですね(笑)。

-なお、『神髄 -OMNIBUS-』の発売直後からは6月2日の高田馬場CLUB PHASE公演まで続く"NoGoD ONE MAN TOUR-2024-【omnibus】"が始まります。新曲たちがステージでどのように映えていくことになるのか、とても楽しみです。

hibiki:新曲をやるのは、ちょっと怖いとこもありますけどね(笑)。でも、我々のパフォーマンスに対して、信者(※ファンの呼称)さんたちが盛り上がってくれるあのワンマンの空間は本当に大好きなので、今回も気持ちを高めながら楽しんでいきたいです。

K:『神髄 -OMNIBUS-』というものをこの5人でやる、ということを大切にしていくライヴにしたいと思ってます。

Shinno:ワンマンってワンマンならではの面白さがあるので、自分でも今からいろんな期待をしているんですよ。みんなでそれを楽しんでいけたらいいなと思ってるので、どうぞよろしくお願いします!

Iyoda Kohei:ツアー、早く行きたくて仕方ないですね。こうやって作り上げたものを、バンド・サウンドという形でみなさんにもぜひ体感してほしいです。

hibiki:あれ? "俺のギターを聴け!"は言わなくていいの??

Iyoda Kohei:それもまぁ、あります(笑)。

団長:というか、そこはみんな聴くだろうね。もちろん、昔からNoGoDを観てくれてる方たちもたくさんいらっしゃいますし、新しく入ったhibikiちゃんや Koheiちゃんを目当てに来るキッズや男性ファンもいらっしゃいますけど、今のNoGoDは2周ぐらい回ってまた面白い感じになってきてると思うんですよ。それに、"OMNIBUS"っていう言葉には"みんなのために"みたいな意味合いもあるんでね、我々もそこに生き甲斐を感じてるんですよ。きっと、今回のツアーではそこを再確認できるんじゃないかなって思ってます。それこそ、"OMNIBUS"には乗合馬車っていう意味もあるんで、最後にこのひと言を言っておきますね。"みんな、乗って来なよ!"。