MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

MAYSON's PARTY

2023.06.07UPDATE

2023年06月号掲載

MAYSON's PARTY

2021年、ミニ・アルバム『MAYSON's PARTY』で全国CDデビュー。スカ、メロディック・パンクをルーツとして、賑やかでハッピーな楽曲と確かな演奏力で、全国のライヴ・キッズを熱狂させている7人組ロック・バンド MAYSON's PARTYが、待望の1stフル・アルバム『PARTY4YOU』をリリースした。プロデュースに猪狩秀平(HEY-SMITH)、マスタリング・エンジニアにHowie Weinbergを迎えて制作した今作は、「Yummy Yummy」などの人気曲に、新たなライヴ・アンセムになること間違いなしの「TRY and TRY」を含む、新曲を多数加えた全11曲が収録。最新アルバムについて、MAYSON's PARTYメンバーに話を訊く。

Member:AYATOMO(Vo/Gt) MIKI(Gt/Vo) Ya-knock(Dr/Cho) TSUKASA(Ba/Cho)
MOE(Tb/Cho) SAKI(Tp/Vo) ※PON(T.Sax/Cho)は取材時不在
Interviewer:フジジュン


研ぎ澄まされたものを作れた。二度とできない傑作になった


-1stフル・アルバム『PARTY4YOU』を完成させたMAYSON's PARTYですが、全11曲、23分36秒。痛快に駆け抜けるアルバムを聴いてる間、ずっとテンション上がりっぱなしでニヤニヤが止まりませんでした。

一同:わ~、嬉しいです。ありがとうございます!

-ここまでの集大成且つ、ここからの可能性を大いに秘めた、1stフル・アルバムらしい1stフル・アルバムになりましたね。

AYATOMO:本当に待望のフル・アルバムなので、自分たちも完成を楽しみにしてましたし、11曲それぞれ、めちゃくちゃいい曲が集まったと思っています。結構な時間をかけて作ったし、却下された曲もたくさんある中から厳選された11曲なので、結果すごく研ぎ澄まされたものを作ることができたと思うし、二度とできない傑作になったと感じてます。

MIKI:これまで自分たちが培ってきた部分と、挑戦したい部分の両方が見えるアルバムだと思っていて、今まで支えてくれたお客さんにも自信を持って提示できるし、今作から聴いてくれるみんなにも提示できる、すごくいいアルバムになったと感じます。

Ya-knock:今までミニ・アルバムとかシングルは出してきましたけど、フル・アルバムを出せるっていうのがやっぱり嬉しいですし、リスナーにしても、自分たちの曲を一気に聴ける作品になっているので、自信を持ってアルバムをお届けできるのが、本当に嬉しいです。

MOE:それぞれ違う色を持った11曲が揃って、私たちも演奏するのが楽しみですし、お客さんも絶対楽しめるはずなので、ライヴでも一緒の気持ちで楽しめると思います。

-ライヴやフェスで盛り上がってる画が、アルバムを聴いててはっきり見えます。

TSUKASA:自分たちはライヴ・バンドなんで、ライヴを意識して曲を作ったり、アレンジしていたりするんですが、今作の11曲は自分たちらしさもありつつ、いい意味で裏切ることができていて、今までとは別の面も見せることができたので、ライヴもすごく楽しみです。

SAKI:何曲かはすでにライヴでやっているんですけど、まだライヴでどうなっていくのかわからない曲も多くて。ここからお客さんと一緒に作っていく曲ばかりだと思うんですよね。予期せぬ手の上げ方とか、ここでコーラスしてくれるんだとか、私たちも想像していなかった反応がいっぱいあると思いますし。ライヴの中で見つかる新曲たちの可能性もいっぱいあると思うんで、それがすごく楽しみです。

-ライヴってところでは、2021年2月に現メンバーになって。コロナ禍で規制のあるなかでのライヴって、MAYSON's PARTYみたいなバンドにとってすごく不利だったと思うし、本領発揮できないジレンマもあったと思うんですが?

AYATOMO:MAYSON's PARTYは結成が2018年なんですが、全国CDデビューが2021年なので、自分たちの曲をしっかり聴いたお客さんが、一緒に歌ってくれたりという状況がないままコロナ禍に突入してしまって。最近になって、ようやく規制が緩くなって、お客さんが一緒に歌ってくれたり、ギュッと前に詰めてくれたりするんですけど、MAYSON's PARTYとしては、そういうのが初体験なんです。だから、その状況を見て、"これだったんだ!"と思いますし、規制のあるなかでいろいろと試行錯誤してきたからこそ、喜びはすごく大きいですね。

SAKI:コロナ禍では、お客さんがどう掛け声を入れてくれるかとかわからない状態だったので、それ以外の強みをいろいろ考えて、観るだけで楽しめるライヴを考えたり、ここまでは動けるっていうギリギリの範囲を探っていったりして。"ひとりでもその場で楽しめるスカ・ダンスってすごいね。ユニティだね"なんて言いながらやってきたので(笑)、今振り返ると、自分たちにとってプラスになることも多かったですし、どっちもできる強さを身につけたというのがあって、今はすごく楽しいです。

AYATOMO:『PARTY4YOU』も制作段階から、"この曲はライヴでお客さんとどうしようか?"って考えることができて。今回、HEY-SMITHの猪狩(秀平/Gt/Vo)君とアレンジを進めていったんですけど、"この長さだとお客さんが飽きちゃうから、もうちょっと短くしようか"とかアドバイスをくれたりしたので、対ライヴの曲がより詰め込まれた感じはありましたね。

MIKI:もちろん音源は聴いてほしいし、聴いたうえでライヴに来てくれたほうが楽しめると思うんですけど。僕たちを初めて観る人も楽しめるアレンジやパフォーマンスも意識しながら曲を作ったり、ライヴをやっていたりするし、実際にライヴでパフォーマンスしたときのお客さん側からのアプローチを受けて、また新しいアウトプットができると思うので。ここからのツアーでまた成長できると思ってるし、めちゃくちゃ楽しみにしているんです。

-アルバム収録曲だと、1曲目に収録された「TRY and TRY」は、コロナ禍でも諦めずにライヴをやってきた成果だったり、これまで培ってきたものだったりがしっかり反映された楽曲になってるし、スカ・パンクやメロディックへの愛情やリスペクトもしっかり感じる曲になっていて。きっと、ここからライヴ・アンセムとして重要な曲になると思いますし、たくさんの人がMAYSON's PARTYを知る機会になると思うのですが、いかがでしょうか?

AYATOMO:「TRY and TRY」は、SAKIが作曲した曲なんですが、今までの作品のリード曲は僕が作曲した曲だったし、今回も11曲中9曲を僕が作っていて。今回、すごくいい意味の裏切られ方ができたのが、この曲だと思っています。レコーディングに入るまでは、「Summer Over Drive」をリード曲にしようと思っていたんですけど、「TRY and TRY」ができたときにザワザワし始めて、"半ば賭けではあるけど、新しい見え方としてこっちがリードもありなんじゃないかと思う"という意見も出てきて。レコーディング最終日に完パケして、いざ曲を並べようというタイミングで、"これをリードにしよう"となったんです。でも、それがいい化学反応で新しい側面も見せられたし、この曲がリード曲になることで、偏りすぎない1枚になったと思います。

-"いい意味の裏切られ方"というのを具体的に言葉にすると?

AYATOMO:僕が作る曲って、3コードの明るいパンクみたいのが多くて。性格的になのか、バックグラウンドがそうなのかわからないですけど、マイナー調の曲を作るのが苦手なんです。でも、SAKIはそういうのが得意だし、アニソンとかJ-POPの素養も持っていて。"マイナーだけど暗すぎず、独特の雰囲気で"っていう話からできたのが「TRY and TRY」で、この曲ができてきたときに、僕も猪狩君も"俺らにはこういう曲作れないな"って話したんです。いい意味で、生粋のパンク・キッズやメタル・キッズが作る曲じゃないんですよね。で、そこから猪狩君も一緒になって、いろんなアレンジを考えてくれて。いろいろな化学反応が起きて仕上がった、奇跡の1曲のような気がします。

SAKI:私はリード曲に決まったとき、"マジで私の曲で大丈夫なんだろうか?"と思って。

AYATOMO:SAKIはずっと"Aメロ、私が歌い始めていいの?"って言ってたんです(笑)。

SAKI:アルバム1曲目、急に私の声で始まって、"これ女性ヴォーカルのバンドなんだ。思ってたのと違うな"って思われて、試聴機を外されたら終わりじゃないですか?

-あはは(笑)。そんな堪え性のない人はいないですよ(笑)。

SAKI:だといいんですけど(笑)。この曲は、"私がバンドをやるに当たって"という意味合いを込めて作ったんです。"人生の分岐点にぶち当たったとき、私は誰の手を取ってどこに向かっていくんだろう?"という、AYATOMOが"一緒にバンドやりたい"と言ってくれたときのことを残しておきたいと思って書いた曲で。みんなが人生の分岐点を迎えたとき、何を選んで、何をするか? ってことを、共感し合えたらいいなと思いながら書いた曲だったんですけど。もともとツービートだった曲調を、猪狩さんがサンバっぽいビートに変えてくれたりすることで、"人生の祭り"っぽい、すごく楽しい曲になったので。ぜひみんなにも楽しんで聴いてもらいたいです。

-曲調ももちろんだけど、"Every way every fight, all right"って歌詞も、すごく背中を押してくれて、前向きな気持ちになれますよね。

Ya-knock:そうですね。うちのバンドの男女混声3ヴォーカルも生かされてて、いつもはメインをやってるAYATOMOがコーラス・パートみたいになってて(笑)、こういうことができるバンドって他にいないと思うし、僕もすごく気に入ってます。

TSUKASA:スカ・パンクやメロディックの要素もありつつ、7人の持ち味がギュッと詰め込まれた欲張りな曲ですよね。すでにライヴでも何度かやってるんですが、今まで聴いたことのないMAYSON's PARTYだけど、MAYSON's PARTYっぽさが詰まった曲なので、お客さんもすごいブチ上がってくれてて、すごく楽しいです。

MOE:ホーン・アレンジも結構パンチがあって。いつもホーン・アレンジはSAKIちゃんが考えてくれているんですが、この曲は"どの組み合わせがいいと思う?"ってアルバムの中で唯一ホーン隊に相談してきた曲なんですよ。このフレーズに決まって、吹いてみたらすごくパンチがあったし、他のバンドが出せないノリとオリジナリティが出せたと思うし、ライヴのノリを見ていると、それがお客さんに伝わってるなというのがわかるんです。

SAKI:ホーン・アレンジは、何ヶ月やったかな? くらい悩みましたね。山本リンダさんみたいな感じを作ったり、"ファイナルファンタジー"みたいなのを作ったり、落としどころがわからなくなっちゃって(笑)。最終的には、猪狩さんに投げたのが5パターンあって、全部聴いた猪狩さんが、"これちゃう?"って言ってくれたのを詰めていきました。

MIKI:でも「TRY and TRY」に限らず、アレンジはどの曲も各パートがギリギリまで悩んでいたし練っていて、どの曲も録るまではすごく苦しかったんですけど、できあがってみたら最高のものになって。曲順が全部決まったとき、全員でブースに並んで聴いたんですけど、"あ~、いいアルバムだな......"と思いながら聴いたのがすごくいい思い出です。