MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

MAYSON's PARTY

2022.06.29UPDATE

2022年07月号掲載

MAYSON's PARTY

Member:AYATOMO(Vo/Gt) SAKI(Tp/Vo)

Interviewer:山口 哲生

-そういったツアーを経て制作された1st EP『ONE』ですが、こういう作品にしたいと考えていたものはありましたか?

AYATOMO:まずは1stミニ・アルバムの6曲を超えるものにしようと思ってました。あのミニ・アルバムに並んでいるような曲じゃなくて、新しい一面を見せるというか、ちょっと進化したイメージにしたいなって。それでSAKIの歌声を増やすとか、いろいろしてますね。

-1曲目はタイトル・トラックでもある「ONE」。イントロのドラムから一気に掴みにいく感じがありますね。

AYATOMO:それこそ最初のドラムから作り出した感じでしたね。あそこで一気に手が挙がるイメージというか。みんなのテンションが上がる入り方とか、曲の雰囲気とかノリ方もある程度先にイメージをしてから作り始めたので、100パーセント、ライヴのイメージで作った曲ですね。ライヴの情景がかっこいい曲というか。

SAKI:この曲ができるまで、結構いろんな曲を作っていたんですけど、ライヴの帰りの機材車で(AYATOMOが)"俺、ちょっと、ひとりでディズニーランド行ってこようかな......"って。で、本当にひとりで行ったんです。ミッキーのショーを観て感動したみたいで、めっちゃ動画送ってきて(笑)。そのあとに持ってきたのが「ONE」やったんですよ。

AYATOMO:曲作りに行き詰まっていて、どこか普段とは違うところに行って曲を作りたいと考えたときに、今は海外には行けないから、日本で一番日常と違う世界を味わえるのはディズニーだと思って。俺、初めてショーを観たんですよ。ひとりで行ってるんで、100パーセント入れるんですよね。ところどころに空いているところがあるから。ショーをふたつ観てめっちゃ感動して、"あぁ、こういう曲でやってるんだ"とかそういう目線で観ていたら、マジでイントロのフレーズができて(笑)。

SAKI:最初に聴いたときに、"めっちゃディズニーやん!"って思ったんですよ。それこそ"ショーが始まりそう!"って。すぐにイメージができたんで、ホーンをつけるときも一瞬だったんです。もうこれしかないなって自分でも思ったし、全部がパズルみたいにきれいに埋まっていった感じで。みんなもめっちゃアガってました。

-歌詞に関してですが、それこそ今日お話しされていた内容とも共通しているところがありますし、例えば"This is my life/This is your life"みたいに、相手に伝えているだけではなく、ご自身にも言い聞かせているような印象もありました。

AYATOMO:結局、歌詞もライヴのことなんですよ。僕らとしては、ひとつになる楽しさとか喜びみたいなものをもっと伝えたいんですけど、結局その場に来るのはその人のチョイスだから、絶対に否定もしたくないし、強制もしたくないんです。だから"This is my life/This is your life"。それぞれのチョイスでいいんだけども、"でも、楽しいよ?"っていう(笑)。

-もしライヴに来てくれたら、という。

AYATOMO:そうです。だから"絶対来いよ!"じゃないんですよ。"ほら、楽しそうでしょ?"っていう。でも、別に強制してませんので、みたいなイメージですね。

-そこは歌詞の最後にもある部分ですよね。ここはメッセージとしてもいいですし、韻も踏んでいてきれいだなと思いました。

AYATOMO:そんなベタ褒めしていただいて(笑)。

-いえいえ。2曲目の「Gettin' in the Mood」は、THE BRIAN SETZER ORCHESTRAのカバー。いい曲を持ってくるなと思いましたし、いい形にアレンジされているなとも思いました。

SAKI:おぉー! よかった!

AYATOMO:カバーを入れようという話になって、いろんな候補が出ていたんですよ。でも、ちょっとやってみて違うなっていうのを繰り返していたんですけど、ドラムのYa-knockが、THE BRIAN SETZER ORCHESTRAの別の曲を提案してくれて。それを聴いていたときに、もっと有名な曲があったなと思ったんです。で、原曲を聴いたらシャッフルだったんですけど、これはイーヴンにできるなと思って、やってみたらハマったっていう感じでした。

-タイトルを見ただけではわからない方も多いかもしれないですけど、聴いた瞬間に"あの曲だ!"って思う人はかなり多いですよね。

AYATOMO:そうですね。イントロのフレーズはみんな聴いたことがあるかなと思います。

-しかも、ホーンの音で、みんな聴いたことがあるフレーズという。

SAKI:そうですよね。絶対にみんなが知っている曲がいいよねっていう話はしてたんですよ。

-それこそトランペットのSAKIさんはこの曲にはどう臨みましたか?

SAKI:最初はシャッフルでいこうかなと思ってたんですけど、AYATOMOが"ここはスカがいい"って言っていて。いやいやいや、と。トランペットをやってる私としては、この曲はシャッフルしてなんぼみたいな曲やと思ってたんですよ。だから"えぇ......"みたいな。"じゃあ1回やってみる?"ってやってみたら、"いいやん!"って(笑)。

AYATOMO:意外とハマるんですよね。

SAKI:そうそう。良かったんですよ。で、"ツービートにする"って言っていて。"ツービート? この曲を? かっこいいやん!"って(笑)。

-SAKIさんとしては、意外性のあるアレンジというか。

SAKI:そうですね。やっぱ吹奏楽部だったんで(笑)。

AYATOMO:邪道なことをしてるからね(笑)。

SAKI:そう! "そこは守ろ?"みたいな(笑)。でも、これはこれでめっちゃかっこいいなって。そういう感じでどんどんできていったので、マジックみたいというか、びっくりしました。

-3曲目の「Let me go」はSAKIさんが作詞作曲されていて。この曲もツービートでかなり勢いがありますね。どういうところから作り始めたんですか?

SAKI:速くてかっこいいやつがいいなと思ったんですけど、私、いつもドラムから作るんですよ。こういうテンポで、こういうビートで、あとはキメとかも。そこからホーンが出てきて、これいいなと思って作っていくと、無茶苦茶な感じになるんですよね(笑)。それをAYATOMOに聴かせて、"要素多いな"って言われて、いっぱい削ってもらってあの形になっていて。だから、こういう曲にしようと思って作ったというよりは、出てきたものを組み合わせていって、それを全部引き算してもらうっていう感じでした。

AYATOMO:SAKIは俺が苦手なところが得意なんですよ。俺はマイナーの曲を作るのが苦手だけど、SAKIはマイナーの難しい曲を作るのが得意なので。そのいいところを取れたかなと思います。

-補い合える感じがいいですね。SAKIさんはドラムから作るんですね。

SAKI:意味わかんないですよね(笑)。自分でも意味わかんなくて。ドラムも叩けへんのに。

-あ、叩けるわけでもなく?

SAKI:そうなんですよ。だから、"こんなのできない! 手が4本ないと無理!"って言われてるんですけど。でもリズムが出てきちゃうんですよね。

AYATOMO:俺は全然意味わかんない、その感覚(笑)。

-AYATOMOさんはどこから作り出すことが多いですか?

AYATOMO:基本的にはサビメロですね。ギターも弾かずにメロディから作ることのほうが多いです。だから、海とかに行けるときは、海で浮かびながらずっと歌ってる感じです(笑)。

-海って、サーフィンとかされるんですか?

AYATOMO:いや、きれいな海でただ浮かんでいるだけです。浮かんだり、シュノーケリングしたり。最終的にはライヴをイメージするんですけど、なんか楽しいんですよね。次にどういう曲を作ろうかな、お客さんをどうさせようかなって考えているときが。イントロのフレーズとかが出てくるときもあるんですけど、結局そこからすっ飛ばしてサビを作っちゃうことが多いです。

-そこが肝だと思っているからこそ。

AYATOMO:そうですね。自分としてはその作り方が一番合っていて。コードからメロディをつけるよりもいいんですよ。でも結局、ギターを弾きながらじゃないんで、メロディにコードをつけたら3コードだったっていう曲ばっかりなんですよ。だから明るい曲しか作れないし、同じようなコードの曲ばっかりになるっていう(笑)。