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INTERVIEW

Dizzy Sunfist

2019.05.28UPDATE

2019年05月号掲載

Dizzy Sunfist

Member:あやぺた(Vo/Gt) いやま(Ba/Cho) moAi(Dr/Cho)

Interviewer:荒金 良介

自分たちの曲で誰かを助けられたらいい


-やる気を焚きつけられたと。そして、今回のシングルはどんなヴィジョンで臨みました?

moAi:4曲入りなので、ガツンと来る曲待ちでしたね。なんとなくギターを弾いたら、これいいかもという曲ができたんですよ。それから社長と一緒に聴いて、これでしょ! って。

あやぺた:「STRONGER」はメロディができるまでめちゃくちゃ時間がかかりました。構成はわりとスムーズにいったよな?

moAi:うん。そこからはめちゃくちゃ早かったです。コードがセブンスだし、得意なジャンルですからね。曲は結構考えて作りました。作るスピードは速かったけど、ギターのこともめちゃくちゃ考えたし、みんなが弾きたくなるようなフレーズをつけたかったんですよ。各パートをひもとくと、わりと細かいことをやっているし、曲の精度は高いと思います。曲の完成度で言えば、「Into The Future」まではいかないかもしれないけど......。

あやぺた:いや、それよりいってる! 中身はすごく考えて、時間をかけたから。

moAi:ギターもそうだけど、ベースもムズいしなあ。

いやま:イントロとかは難しいですね。ハイ・ポジションで弾いてますし。最終的にうまくハマッたなと思います。

moAi:うん、ベースのフレーズが前に出るパートもありますからね。

あやぺた:シンプルに聴こえるかもしれないけど、今までの曲の中で一番凝ってると思う。

moAi:ギターとベースは特に難しいと思います。楽器をやってる人は面白く聴けるかなと。

-「STRONGER」はバンドの表現欲が色濃く表れた1曲?

あやぺた:そうですね。サビも高すぎかなと思うくらい歌ってますし、それは欲が出てきたからだと思います。調子に乗りました(笑)。今まではお客さんにどうやってノってもらおうかっていうこととかを考えて作ってましたけど、今回はお客さんのことはあまり考えずに作ったというか。この曲はメロディ重視じゃないけど、"この歌を聴けや!"ってノリでした。

moAi:曲重視で考えて、ほかのことはあまり考えなかったです。あれやりたい、これやりたいをふんだんに取り入れましたからね。そんなに凝る必要があるの? というくらいやりました。

-そう考えると、バンドに自信がついてきたことも大きいのかなと。まず自分たちの内側にあるものをぶつけよう、みたいな?

あやぺた:それはあるかもしれないですね。

-「STRONGER」はリフレインする歌詞を随所に入れてますよね?

あやぺた:それは意図的にやりました。そうすることで、Aメロでもサビっぽい感じで耳に残るかなと思ったんですよ。だから、響き重視でやりました。

moAi:ギターはリード・フレーズがなくて、ベースにリードになるフレーズをつけたんですよ。そこも聴きどころかなと思います。

-結果、メンバー3人の個性が色濃く出た楽曲に仕上がってますよね。あと、「STRONGER」には"YOU"という言葉はあっても、"I"という言葉は一度も出てこない。これはなぜですか?

あやぺた:この曲は他人に向けたというか、ある人に向けて作った曲なんですよ。

-完全に"あなた"に向けた歌になってますよね。こういう曲も珍しいのかなと。

あやぺた:そうですね。今までは自分のことを歌っていたけど、今回は"強くなってくれよ!"という思いで作りましたからね。そういう意味で初めて他人に向けて作った曲かもしれないですね。

moAi:それも自信から来てるのかもしれないですね。ワンマン・ライヴを経て、「STRONGER」はその表れという気がしますね。

-"この歌が君を最強にさせる"、"君は最強だ"(※歌詞の日本語訳より)と締めくくる歌詞もめちゃくちゃ力強いじゃないですか。

あやぺた:最後にそういうフレーズを入れたかったんですよ。ステージに立つ身として、そういうふうに歌えたらいいなと。なので、強気の歌を作りました。そういうふうに歌うことで自分も強くなれるかなって。 いやま:どういう気持ちでそういう歌詞を書いたのかは知らないけど、こうやって取材の場で聞いて、なるほどって自分の中で結びつくことが多いですね(笑)。

あやぺた:恥ずかしいですからね。1曲ずつこういう気持ちで書きましたとか、メンバーには伝えないから。

-2曲目はTHE NOLANSの「I'm In The Mood For Dancing」をカバーしてますが、これもDizzy Sunfistらしいカラーに染まってます。

あやぺた:アホっぽい感じでやろうと。このカバーもすぐにできましたね。SHIMAの転換BGMでこの曲が流れてて、いいなと思ったんですよ。

moAi:車のCMで使われている有名曲ですからね。

あやぺた:3曲目の「Red Box」に関してはデモ時代の曲で、作ったのはmoAiが加入する前じゃないかな。7年前ぐらいの曲ですからね。この曲はTHUMBをイメージして、サビで合唱してみんなで歌える曲にしたかったんですよ。イントロは何も考えずにできた曲ですね。

-あやぺたさんといやまさんによるふたりの掛け合いのヴォーカルも新鮮でした。

いやま:私もそう思いました。照れましたね。

あやぺた:ほんまの初期衝動ですね。社長から"この曲を入れろ!"って言われて(笑)。この曲を聴いて、"CAFFEINE BOMB RECORDS"(※Dizzy Sunfistの所属レーベル)に入れたいと思ったみたいなんですよ。

-新木場STUDIO COAST公演でも「Red Box」を披露して、スクリーンには赤い車が映されてましたが、あのド派手な車でツアーを回っていたんですか?

あやぺた:回ってました。

いやま:スタッフもいなかったし、アンプも持ってなかったですからね。あれは普通にあやぺたがプライベートで使っていた車なんですよ(笑)。

-はははは(笑)。「Not A Little Girl」はちょっと大人っぽさもありつつ、2ビートを用いたショート・チューンです。

あやぺた:おかんにまだ子供扱いをされることがあるので、心配しなくても、仲間もいて、大人になってるよって曲です(笑)。今作の中で一番メロディック・パンク度が高い曲かもしれない。

moAi:今回、「STRONGER」以外はわりとスッとできたんですよ。話が「Red Box」に戻りますけど、以前無料で配ろうと思って、一度録音したことがあったんです。で、今回録り直そうとなったときにギターとベースを自分で弾いてみたら、初期衝動に溢れまくってて。これが社長がいいと思うところなのかなと。そのいい部分は残しつつ、ギター、ベース、ドラムは今風に洗練されたものにしたかったんですよ。だから、Dizzy Sunfistらしさは出てると思います。

あやぺた:昔は感覚だけでやってましたからね。そんな10年を経て、今回の「STRONGER」に辿り着きました。自分たちの曲で誰かを助けられたらいいなと思います。