THE SLUT BANKS：板谷 祐（Vo） 戸城 憲夫（Ba） 金川 卓矢（Dr）
Droog：カタヤマ ヒロキ（Vo） 荒金 祐太朗（Gt）
首振りDolls：ナオ（Vo） ジョニーダイアモンド（Gt）
インタビュアー：荒金 良介

－Droog、首振りDollsから見て、THE SLUT BANKSの音楽はどう映るんですか？

ナオ：激しい。強い。怖い。なんかドーン！ と一発ずつ飛んでくる感じなんですよ。音が強いし、こんなに音がデカいのに、こんなに全部の音が聴こえるって、どうやってるんやろって。殴りかかってくる勢いでロックンロールを鳴らすから、私がやりたいのはこんな感じなのかなって思ってます。

ジョニー：リハーサルから"音デカっ！"と思って、すごくかっこいいなと感じました。

ナオ：THE SLUT BANKSが演奏しているときは楽屋のテーブルが揺れて、物が落ちるんですよ。ハコが揺れまくってるから（笑）。

荒金：THE SLUT BANKSはひとりひとりが120パーセント出してるけど、ひとつにまとまってるところが好きですね。

カタヤマ：直球の速度があるなと。さっきの肉の話じゃないけど、カロリーが高いバンドですね。

－この3バンドの音楽的な共通項というと？

戸城：世代的に通じないところもあるけど、俺が好きな感じのギターとか弾いてくれるからね。

ナオ：Droogと首振りDollsはSEX PISTOLS、THE STALINが好きで。THE SLUT BANKSと首振りDollsはKISSとかが共通して好きですね。

板谷：北海道では、首振りDollsとTHE SLUT BANKSの参代目ACE DRIVER（Gt）によるKISSの完全コピー・バンドをやってますからね。

ナオ："DEEP KISS"というバンド名でやりました（笑）。

－ははははは（笑）。

戸城：個人的な趣味だと、祐太朗はJohnny Thundersが好きで、俺は神のように崇めている人だし、俺が子供のころに憧れていた人たちも好きだから。

ジョニー：親父の影響もあって、家にあるレコードを勝手に聴いたりして。親父はTHE BEATLESマニアなんですけど、激しい音楽に影響を受けたのはKISS、AC/DCで、"かっけー！"と思いました。

カタヤマ：俺らもTHE SLUT BANKSと対バンしたときに、"何が好きなの？"と聞かれて、THE STOOGES、THE DAMNED、NEW YORK DOLLSの名前を挙げましたね。

ナオ：スタジオに入ったとき、戸城さんが"ここはあの曲みたいな感じで？"と言っても、みんなわかりますからね。だから、何かしら共通するものはあるんだと思います。

－なるほど。昨年は一緒にツアー（2017年10月～11月に開催した"愛と狂気のロックンロール東日本サーキット2017"）をやりましたが、そこでもお互いに理解を深め合えました？

戸城：うん、誰がどういう感じなのかはツアーを回ればある程度わかるからね。俺が中心になって、みんなを生かせるように曲を作ればいいかなと。ヘヴィ・メタルみたいな曲を作っても、ピロピロしないから、それがまた面白かったりするしね。

－ちなみにバンド名や曲名にある"地獄"というキーワードはどこから？

ナオ：（みんなで）飲んでて、ポッと出てきました。バンド名を考えようとなったときに、戸城さんが"地獄ヘルズとかがいいんだよ"って、"えっ、それでいいんじゃないですか！？"って。

戸城：その時点ではメジャーでCDを出してもらえるとは思ってなかったから。

ナオ：はははは（笑）。もともとアンコールでやるバンドでしたからね。

－"地獄"といえば、KISSの邦題がすぐに浮かびますけど。

戸城：たぶん、そういうことなんだろうね。自分の中に染みついた昭和感というか、当時の邦題とか。AC/DCの「地獄の鐘の音」しかり、俺ら世代の人間はロック＝地獄が染みついているんだろうね（笑）。

－地獄ヘルズとして、何かしら音楽的コンセプトはありました？

戸城：個性が出ればいいかなって、それは作りながら考えた感じかな。3人歌えるしね。

ナオ：私は普段はドラム／ヴォーカルなんで、立って歌えるのが楽しいんです。動けるし、こんなに声も出しやすいんだって。フロントに3人立ってるけど、私ひとりだけめっちゃ騒いでます。

板谷："お前らふたり声足りねぇんだけど"ってダメ出しされることもあるんで。

ナオ：そんな言い方はしてないですよ（笑）！

戸城：完全にフロントマンで、グイグイ観客を煽るからね（笑）。

ナオ：楽しくてしょうがないんですよ！ 楽屋入りのときからみんな酒を飲んでいるし。THE SLUT BANKSの楽屋には常におつまみとお酒がたくさんあるんですよ。地獄ヘルズはそのパーティー感も出てると思います。