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INTERVIEW

THE SLUT BANKS

2019.04.09UPDATE

2019年04月号掲載

THE SLUT BANKS

Member:TUSK(Vo) ACE DRIVER(Gt) DUCK-LEE(Ba) TAKAURA TOMMY(Dr) HAYATO(Dr)

Interviewer:荒金 良介

THE SLUT BANKSのニュー・アルバム『NOIZ THE RIPPER』は、まさに言い得て妙な表題と言えるだろう。聴く者をノイズで切り裂く衝動全開のストレートなサウンドが痛快極まりない! 前作発表以降、ドラマーの脱退があり、今作はHAYATO、TAKAURA TOMMYというふたりのドラマーが加入し、新体制で作り上げた初作品となった。無駄を削ぎ、贅肉を切り捨て、バンド・サウンドで真っ向勝負した今作は、図らずもTHE SLUT BANKSの迸る情熱を過不足なく封じ込めることに成功している。メンバー5人に話を訊いた。

-前作(2017年リリースの8thフル・アルバム『ダイレクトテイスト』)のときにバンドのグルーヴが固まり、当時のドラマーカネタクさんがグイグイ来てるという話をしていましたが......。

TUSK:グイグイ来てましたね! グイグイ来すぎて、"ここじゃもの足りねぇ"ってやめていきました。

DUCK-LEE:やってられねぇよって(笑)。

-そうなんですか?

TUSK:そうですよ。

ACE DRIVER:正直なバンドですから(笑)。

TUSK:以前から"僕はもっと成長したいんで"と言ってましたからね。意外と失礼なことを言ってるなと。

一同:はははは(笑)。

TUSK:そう言われちゃしょうがないですから。

-カネタクさんが抜けたあと、バンド的にはどうしようと?

DUCK-LEE:マネージャーのタケが亡くなって、そのショックが大きくて。タケの代わりはなかなかいないから、行き詰まったところはあるんだけど......ディレクターが"(アルバムを)また出しましょう"って声を掛けてくれたから、こっちとしては"まだ出させてくれるんだ!"って。ありがたいなと思って、頑張ろうかなと。今までは愛と真心を売りにしていたけど、愛と涙のバンドだなと感じます。

-それで今回はドラマーがふたり増えたんですよね?

DUCK-LEE:そんなの関係ないから! ひとりもふたりも関係ない。

-いやいやいや(笑)。

DUCK-LEE:叩いてくれればいいから。このふたりは紹介してもらって、セッションしたらちゃんと叩けたから、これでいこうと。

-今は5人体制ということでいいですか?

DUCK-LEE:ライヴではドラムひとりだけど、5人だね。

TUSK:スケジュールを調整しながらやってもらう感じですね。TAKAURA君はサポートとかいろいろやっていて、HAYATO君はMoi dix Moisのサポートをやったりしているのですが、ふたりとも忙しくしているなかでやってくれることになりました。今回のレコーディングもふたりに叩いてもらったし、ライヴはどちらかスケジュールが合う方がやる形になります。

-おふたりのTHE SLUT BANKSの印象というのは?

HAYATO:超有名バンドで、まさか携われるとは思ってなかったので光栄ですね。あまりやったことがないテンポ感だし、今までやってきたスタイルとも違ったけど、できるだけ対応しようと今も精進している最中です。なんでも叩けるドラマーになりたいので、求められるものに応えられたらいいなと。

-TAKAURAさんは?

TAKAURA:正直何もわからないまま、自分の師匠にやってみない? と話を貰って。あまり知らない世界だったけど、やってみると、今までにない感覚というか、アドレナリンが出る感じはありますね。先輩なのでこてんぱんに言われるかなと思ったけど、みなさん優しく接してくれているので、楽しくやらせてもらってます。

TUSK:はははは(笑)。

DUCK-LEE:歪んだギターも、こんなテンポ感も初めてだよね?

TAKAURA:そうですね。あと音がデカいなって。めちゃくちゃデカいので、それにビックリしました(笑)。


自分が少年時代にドキドキしたサウンドを作れたらいい


-前作にはストリングスを入れた曲がありましたが、今作はかなりシンプルになりました。

DUCK-LEE:そう! それが最初に自分の中にあったコンセプトだった。いろいろやらずに、バンドだけでやろうと。ほんとはきれいに作って、万人にウケるものができたらいいんだろうけど、そんなものはできるわけがないから。子供のころはTHE STOOGESや、AEROSMITH、KISSとかギター・バンドも好きだったので、自分が少年時代にドキドキしたサウンドを作れたらいいなと。それは歳を取ったから感じるようになったのかな。

-というのは?

DUCK-LEE:売れたいなとか、鍵盤入れた方が売れるかなとか余計な考えもあったけど、長いことバンドを続けると、もっと自由にやっていいのかなと考えるようになって。

-そういう意味では潔い作品ですよね。

DUCK-LEE:勢いはあるからね。まぁ、若い奴が叩いているから、若くなるのもあるんだろうけど、ドラムのおかげで音の平均年齢も若くなったなと(笑)。今回は1個1個の音がちゃんと聴こえるしね。アメリカで流行ってるでしょ、LED ZEPPELINみたいなバンド......なんだっけ?

GRETA VAN FLEETのことですか?

DUCK-LEE:そうそう。余計なことはやらずに、ああいう生っぽいことをやろうと。まだ若いバンドなんだよね?

-まだ20代前半ですからね。ライヴも凄まじく良かったです。GRETA VAN FLEETもチェックしてるんですね。

DUCK-LEE:俺は流行りものも好きだから(笑)。GRETA VAN FLEETの音を聴いたときに、あの質感はいいなって。ロックが好きな人は、大仰なものよりもああいう音が好きなんだなって思ったんだよね。だからあれだけウケるんだろうと。自分もそうだしね。未だにIGGY POP & THE STOOGESの「Raw Power」を聴くと血が騒ぐしさ。俺はAEROSMITHの中で『Rocks』が一番好きだからね。

-『Rocks』は大名盤です! 今作に話を戻すと、勢いや荒々しさもありつつ、随所に凝った展開やアレンジが効いてますよね。

ACE DRIVER:基本的にはいつもどおりな感じでしたね。ただ、DUCK-LEEはよりシンプルにやろうって。ギターを録るときもアンプの前でフル・ボリュームで弾けと言われて(笑)。ギターに関してはあの音量は初めてかもしれない。