INTERVIEW
THE SLUT BANKS
2017.11.30UPDATE
2017年12月号掲載
Member:TUSK(Vo) DUCK-LEE(Ba) 参代目ACE DRIVER(Gt) カネタク(Dr)
Interviewer:荒金 良介
THE SLUT BANKSが、ニュー・アルバム『ダイレクトテイスト』を完成! 昨年結成20周年を迎え、バンドとしては一枚岩のごとく固まりながらも、現メンバー4人の個性が色濃くなってきたことを、今作品は物語っている。パンク、オルタナティヴ、ラウドなどを荒々しくもキャッチーな我流ロックンロールに仕上げたサウンドは、インパクト抜群だ。比較するバンドが見当たらない、むせ返るようなオリジナリティを突きつける楽曲を、ひとりでも多くの人に聴いてほしい。歌詞、楽曲共にこれ以上なく振り切った勢いを漲らせながら、鍵盤やストリングスときめ細かなアレンジも冴えわたる音源について、メンバー4人に話を訊いた。
-すごくいいアルバムができましたね。
DUCK-LEE:そうですか? ありがとうございます。
-昨年のベスト盤(『1996 FIND MY WAY』)を経て、バンド内の空気も変わりました?
カネタク:バンド内のパワー・バランスが変わりましたね。
DUCK-LEE:えっ、どういうこと? それ(笑)!
カネタク:丈朋(坂下丈朋=参代目ACE DRIVER)さんが入ってすぐだったので、気を遣い合うところもあったけど、今回は"気を遣わねぇよ"という空気が出てるでしょ? みんなと言い合って作れたのが良かったですね。
-パワー・バランスと言うと?
カネタク:音のバランスに如実に出ていると思うんですよ。"ドラムが小さかったから、上げてくれ"と言ったり。今までは言えなかったけど、もう少しラウドにしたかったんですよ。今回はエンジニアさんも変えて、ラウドが得意な人にお願いしたので、上がってきた曲も激しめのものが多かったですね。
-バンド感はさらに高まってますよね。
DUCK-LEE:時間があったのも大きいですね。2ヶ月半ぐらい......。ただ、実労はいつもと一緒なんですけどね。ドラムを録ったあと、トラック・ダウンも"ああでもない、こうでもない"と手を加えて、納得がいくようにやりました。ギターやベースのフレーズは当初とは違う感じにやれたかなと。
TUSK:できあがったあと、うちのメンバーでよく飲むんですけど、作品を作るうえではみんなの望みを叶えるように、個々の意見を重視したところはありますね。
-今回はバンド内にそういう空気があったと?
TUSK:そうですね。カネタクがグイグイ来ているので、それがいい起爆剤になってると思います。ライヴもそうですからね。
-ACE DRIVERさんはどうですか?
ACE DRIVER:TUSKと同じような意見で、カネタクにダメ出しを食らいながらやりました(笑)。
カネタク:ギターも前とは違うと思うんですよね。
ACE DRIVER:そう? まぁ、ビールを飲みながらやっていたから、あまり記憶にないけど(笑)。
DUCK-LEE:もともと曲を作っているのは俺ですけど、雑食なバンドだから、いろんなことをやろうかなと。(カネタクが)ドラムを叩きたがってるから、ドラムが目立つような曲を作ろうかなって。打ち込みでこんなの叩けないだろってものとかね(笑)。あと、曲も何度も作り直したものが多くて、サビを変えてみたりしました。置きにいく感じのものはやりたくなかったから、ここでメジャーなフレーズがきた! というよりも、(そういうフレーズに)いきそうでいかない感じを狙ったりして。曲の構成もちょっと変なことをやったり、こいつら熱量が半端ねぇ! みたいなものがいいなと。
-最初から熱量が高いものというビジョンはありました?
DUCK-LEE:やっていくうちにそうなった感じですね。ベースも、ルートを刻まないでフレーズを刻むみたいな。
-落ち着いた作風よりも、聴き手をハラハラドキドキさせようと。
DUCK-LEE:そうっすね、渋いことをやっても似合わないから。
-今作は曲調もそうですが、歌詞も耳に残る言葉が多いですね。
TUSK:そこは、曲を聴いてイメージしていくので。大丈夫かな? と思ったけど......ダメだったワードもありました(笑)。
-歌詞も自由度が高いですよね。そこはあまり制限を設けずに?
TUSK:そう、あまり考えなかったですね。今だったら、わざわざそういうワードを使わなくてもいいよね、と思うんだけど。作ってるときはグッと気持ちが張り詰めてるから、うるさい! って。
DUCK-LEE:普通の曲名や歌詞よりも、変なタイトルの方が好きですね。「月と便所」、「イスラエル」とかインパクトがあるじゃないですか。普通思いつかないもんね(笑)。普通の言葉よりもキャッチーに響くし、世間で使われてる言葉よりもそっちの方がいいかなと。
-曲名だけで、どんな曲調だろうと、想像力を掻き立てられます。
DUCK-LEE:聴いてみたい! と思うもんね。