INTERVIEW
THE SLUT BANKS
2017.11.30UPDATE
2017年12月号掲載
Member:TUSK(Vo) DUCK-LEE(Ba) 参代目ACE DRIVER(Gt) カネタク(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-今作は歌詞も曲調も振り切っているので、そこもマッチしているなと。
DUCK-LEE:別に速ければいいってわけじゃないけど、テンポもなるべく落ち着いた感じにならないようにしようと。あと、数曲はクリックを使わないものもあったし、そこは荒々しさを出したくて。
-荒々しさや勢いがある一方で、キャッチーな聴きやすさも増してます。そこがTHE SLUT BANKSらしいなと。
DUCK-LEE:いろんな意味でもキャッチーさは意識してますからね。
ACE DRIVER:そう言ってもらえると、結果的に良かったなと思いますね。やりたいこともはっきりしてきたし、アルバム全体としてもまとまって良かったなと。
-アルバム名もインパクトがありますよね。
DUCK-LEE:タイトルを付けるのはいつも悩むから。曲が出揃ったときに、キャッチーなタイトルがいいなと思って、たまたま"ダイレクトテイスト"という曲名が目に入ったんですよ。今作に同曲があるけど、別にそれが代表曲ってわけじゃないからね。この曲名がキャッチーでいいなと。
-では、今回の曲作りで意識したことは?
DUCK-LEE:ロック・バンドに聴こえるような曲にしたくて。作家が書いたものではなく、バンドの人が書いた曲というのが伝わるようにしようと。ロックはイントロ命、リフ命だから、サビでポップスになりすぎないように考えながらやりました。それで曲作りは何度もやり直した部分もありますね。
TUSK:当初、"合宿で録ろう"という話もあって、それはそれで面白そうだなと思ったんだけど、なくなっちゃって。今回はレコ―ディングしながら、曲の雰囲気もコロコロ変わったしね。
カネタク:毎回、曲作りもレコ―ディングも行き当たりばったりですからね。どういうコンセプトで、どういうアルバムにしよう、というのもなくて。結果的にまとまりがあると言ってもらえると、ホッとします。俺らもどうなるかわからずに作ってましたから。曲ができたときに、"あっ、こういうふうになるんだ!"って。
DUCK-LEE:俺は自分の中に(イメージが)あるんだけどね。もう少しパンキッシュな曲を入れよう、泣きのスローな曲を入れようとか。TUSKとは長くやっているけど、ギターにはあえて苦手なフレーズをやらせたり、ドラムは目立ちたそうにしているから、難しそうな曲を作ったりしてね。
カネタク:戸城(憲夫=DUCK-LEE)さんが新しく入った丈朋さんに気を遣って、丈朋さんが映える曲を作ったのが前作だとするなら、今回は新しい感じのギターを弾かせたり、俺に対しても違う感じのドラムを叩かせたり、いろいろ配慮してくれたのかなと。
ACE DRIVER:そうだね。
DUCK-LEE:メンバー内で遠慮しなくなってきたから、それはいいことかなと思います。
-今作はストリングスを導入した楽曲もありますよね?
DUCK-LEE:あぁ、「Please」は20年前ぐらいに出したもので、自分の中でも気に入ってる曲だったから、どうしても録り直したかったんですよ。いい案が浮かばなかったけど......サビで転調すればいいやと思って。最初はもっと違うアレンジだったけど、Paul McCartneyみたいに歌えるベース・ラインで録ろうと、俺なりに頑張って作りました。だから、ギターも結構弾いてるんですよね。うまくできて良かったなと思います。
-「Please」が5曲目に収録されているのもいいですね。
DUCK-LEE:そうでしょ? 考えてるんですよ(笑)。
TUSK:曲が育っているし、歌もより深みを増して歌えたんじゃないかと。曲も生き物だから、録る時期で変わるだろうし、今のメンバーでライヴでもやってますからね。
-「so slow」もストリングスが入った曲調ですね。
DUCK-LEE:この曲のサビのコード進行はカノンみたいに、日本人が好みそうなコード進行でもいいんだけど、あえてキャッチーではなく、ロックぽいコード進行にしているんですよ。男らしいコード進行にしたくて。
-この2曲はアルバムのいい色づけになってますね。あと、鍵盤を用いた「TARGET」もヘヴィ&ポップな曲調で個人的に好きです。
DUCK-LEE:パンクチックだもんね、THE STOOGESみたいな感じで。あと、「HeadAction」は曲構成もヘンテコだから、俺は気に入ってますね。もう終わり? みたいな(笑)。その次の「なりふりかまわず」はメロディがポップだから、GREEN DAYみたいなデモを作っていたけど、ダセぇなと思っちゃって。それからプログレみたいな変なイントロつけたら、すごくハマッたんですよ。
-最初のイメージはGREEN DAYだったんですね。
DUCK-LEE:メロディはめちゃくちゃポップだからさ。GREEN DAYみたいなにおいは全然しないけどね(笑)。
カネタク:「なりふりかまわず」は、いろいろいじってレコ―ディングしましたからね。クリックは使いましたけど、早回ししたりとか、テクノロジーも使っているから、新しい感じになってるかな。
DUCK-LEE:「激しい風穴」は唯一メタルっぽい曲だから、アレンジが個人的に好きですね。