DISC REVIEW
-
前作はストリングスを取り入れるなど、バラエティに富む作風だったが、新5人体制(ドラマーふたり加入!)で挑んだニュー・アルバムは衝動回帰の激越なサウンドを掲げている。レコーディングも爆音で鳴らすことを意識したようで、そんな生々しいスタジオの空気感も楽曲の温度を高めているよう。脇目も振らずに自分たちが夢中になったロックンロールの勢いや荒々しさを忠実に体現したナンバーは、どれも凄まじいパッションに貫かれている。とはいえ、一本調子に終わらず、キメ細かなアレンジに耳を持っていかれたり、不意を突く曲展開で魅了したりと細部へのこだわりも忘れていない。とにかく、"前へ突き進むしかないんだ!"というバンドの決意と覚悟が漲っており、全編に張り巡らされたエネルギー量に圧倒されてしまう。 荒金 良介