DISC REVIEW
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ストレートな勢いを追求した前作『NOIZ THE RIPPER』は刺激的な1枚であった。そして、GODという若きドラマーを迎え、新4人体制で作り上げたニュー・アルバムは前作とはかなり色合いが異なる。鍵盤を積極的に導入し、ポップ且つカラフルな表情が一気に浮上している。もちろん刺々しくも野性味溢れるロック・サウンドは健在だが、そこにキャッチーな音色を加えたことで、お互いのエレメントを効果的に引き立てている。ノスタルジックなメロディに惹きつけられる「サクラハナビラ」を先頭にして、アコギを用いたバラード調の「真冬青空」、シタールで幕を開ける「美しいキッス」、レゲエ風味の「2月のさよなら」など、微に入り細を穿つアレンジも聴き応え十分。全15曲、色鮮やかな楽曲に吸い込まれる。 荒金 良介