V系にまつわるネガティヴなイメージはデコピンで壊していきたい

－音楽のみならず、移り変わりのめまぐるしい昨今ですが、メンバーさんそれぞれに、最近もっともエキサイトしたことを教えてください。

D13：それは喜怒哀楽の中のどれでもいいのかな～？

－どれでも結構なのですが、先ほどRAGE AGAINST THE MACHINEがお好きだとおっしゃっていましたよね。その根本はレベル・ミュージックであるという面においては、怒の部分をお訊きしたいです。

D13：そこはね、沸々と思うところはあるよ～。でももう最近はね、みんな考え方が違うから。昔はMCとかでも"こうなんだよ！"って突きつけるのが正しいことかなと思ってたけど、それもなんか、独りよがりだな～って。だから政治的なこととかは、自分の中で解決するようにしてるね～。

－では、インスピレーションの源に影響を及すような最近の出来事というのは？

D13：小さいころ、家にたくさん絵本や図鑑があったんだ。だから今でも歌詞を書くときは、絵本や図鑑のようなものを想像しながら書く。そこで最近面白いなと思ったのは、キングコングの西野（亮廣）さんの、絵本を1冊作るための思惑や戦略の諸々についての記事。絵本というのは、子供を喜ばせるためのものでもあるけど、たったひとつの絵本にしても、違う意味合いを持つということ。ビジネス・ワークだったり、コミュニティの輪を広げることであったり、いろんな使い方があるんだっていうことに気づいた。それは音楽も同じで、ひとつの事象に対して"これだ！"って自分が思っているものじゃなく、アンチの人もいるかもしれない。いろんな切り口があって、いろんな可能性があるんだなっていうことに気づけた。これから我々も、価値観をいろんな切り口で変えていった方が、面白いことができるんじゃないかなと思ったな～。

－ひとつの物事に対して、より多角的なアングルを持つということ、パースペクティヴということですね。

D13：そう。いろんなアングルを使って、その物事をいかに自分の中でよりいいもの、正しいと思えるものに昇華していくか、ということだね～。音楽も使い方次第で、落ちる音楽もあれば、ハッピーにさせる音楽もあるし、それは、聴いた人のそのときの心情で変わってくるんだろうね。僕はやっぱりハッピーなものの切り口を広げていきたいな～。歌詞という短い文章の中でも、場面展開や感情をうまく表現できればいいかなと思ってるよ。

Euskyss：自分は、去年の夏に初めてパリに行ってきたんです。あの街は、昔から変わらないものがずっとあって。文化もそうだと思うんですけど。今までは映像でしか観たことがなかったんですけど、実際に自分で足を運んで、ゴシック建築や教会などを観てきたので、それからは音楽を作るときもパリの風景を頭に浮かべながら作りますし、そういうものを実際に身近で感じて、そこの空気を吸ってきたことによって、きっと前よりもリアルなものが作れるんじゃないかなと思いますね。その体験はすごく良かったです。

Yo'shmeer：うーん......僕は、自分がV系になったことですかね（笑）。もともと、学生時代にX JAPANとかLUNA SEAについての記事を雑誌で読んだりしていて。だからすごく不思議な感覚ですよ。僕は10年間ずっとパンク・バンドをやりながら、V系も聴いてたんです。だから、やりがいがあるし、憧れのアーティストと一緒に楽屋にいられるときはキッズに戻りますね。

－例えば、どんなアーティストと会ったときにキッズに戻りましたか？

Yo'shmeer：最近だと、SEX MACHINEGUNSですね。

D13：めちゃめちゃアがってたなぁ。

Yo'shmeer：楽屋で"CD全部持ってます！"って話し掛けたんです。めちゃくちゃいい人たちで、"いやいや、僕らおじさんだからそんなこと言わなくていいよ～"とか言ってくれたんですけど、"いやいや！ おじさんじゃないです！"って言いました。

DieWolf：僕もYo'shmeerの話と繋がるオォォォォン！ SEX MACHINEGUNSとか、FLOWとか、テレビの向こう側にいた憧れの人たちとご一緒させていただくことは、すごくエキサイトするオォォォォン！ みなさん人がいいんだオォォォォン！

－ありがとうございました。Leetspeakは、これからツアーとインストア・イベントを控えています。ツアーは"Leetspeak monsters 2nd Mini Album『Mixtured night between Life and Death』発売記念主催TOUR Mixtured night Tour～混ざり合う夜～"（3月から4月にかけて開催）と、ワンマン・ツアー"Leetspeak monsters 1st ONEMAN TOUR Life and Death Tour～生者と死者の夜～"（5月から6月にかけて開催）がありますね。

D13：初めてのワンマン・ツアーだぞ～。

－ワンマンとなると、演出的にも凝ったものが見られるのでしょうか？

D13：そうしたいところだけど諸々の事情がね（笑）。Yo'shmeerの絵本コーナーはやるよ～。

Yo'shmeer：ギタリストなのに、ひとりで椅子に座って絵本を読むっていう......もともとはギャグで"絵本を読んであげる"って言ったんですけど、気づいたらやるしかないってことになってて。絶対にスベりますよ！ って言ったんですけど（笑）。

D13：それがドッカーン！ と。激ロックの読者の方は、ロック系ばかりを聴いている人も多いと思うんだが――"V系のライヴも楽しいですよ"と、お伝えしたい。V系にまつわるネガティヴなイメージは、デコピンで壊していきたいと思っているよ～。