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INTERVIEW

Leetspeak monsters

2018.03.19UPDATE

2018年03月号掲載

Leetspeak monsters

Member:D13(Vo/Rap) Yo'shmeer(Gt/Cho) Euskyss(Ba) DieWolf(Dr)

Interviewer:KAORU

-歌/歌詞の面で特に気に入っているのはどの曲でしょうか?

D13:一番気に入っている歌詞は、前作の「Theater of memory」。この世界観の中で最も良くできたなと。新しいメロディの引き出しや、言葉のアプローチ的に面白いものができたのは「Ashes to Ashes」だな。

Euskyss:"灰から灰へ"というのは聖書の一節なんです。塵は塵に、灰は灰にという。

D13:"灰"と"High"とか。

-そこに掛けているんですね。「Countdown」では、ラッパーのアグラ神楽(AKANISTHA)さんと共作していますが、どのような経緯で一緒に作ることになったのですか?

D13:彼はもともと志磨参兄弟として京都で活動してて。"TENJIN ONTAQ"というサーキット・イベントで会場が一緒だった彼らを見て、面白いなと思ったから話し掛けてみたんだ~。彼らもうちのステージを見てくれて、お互いに面白いねということで仲良くなり、東京で一緒に3マンをやったりして。彼らは去年、活動停止になってしまったんだが、アグラ(神楽)は音楽活動、ラッパーも続けるということで、"そろそろステージに戻ってこい"と。アグラはさすがだな。今までのコラボレーションでは、相手の色が出て、こちらも色を出して、それが"混ざっていい感じ"ということが多かったんだが――アグラのラップは、活動休止で時間が空いたぶん悶々とした思いもあったのか、腹の中に溜まっていたものが出たのか、これは危うく懐刀でやられるんじゃないか? っていうくらいドキっとした。とても刺激的だったな。

-おっしゃるとおり、鋭さが際立つラップですね。ラッパーのご友人は多いのですか?

D13:博多の街の......いや墓場の街のラッパーの友達はいっぱいいるぞ~。

-墓場の街の博多出身ということですか?

D13:いや墓場だ(笑)。よく間違われるんだが、私は博多の街が好きなんだ。豚の骨を砕いたヌードルも好きだし、墓場の街から博多の街というのは別次元で近いんだよ(笑)。

-そうなんですね(笑)。今は世界的にラップがメイン・ブームで、日本ではフリースタイル・バトル・ブームもあり、日本のラップ・シーンとV系が共鳴しているように感じます。実際に"フリースタイルダンジョン"に出演したラッパーがV系バンドをやっていたりもしますし。

Euskyss:前に対バンしたバンドでも、V系だけど、ばりばりラップもするっていうミクスチャー系バンドがいましたね。それはここ数年の出来事だと思いますし、やっぱりヒップホップの文化が盛り上がってるからでしょうね。

-Leetspeak monstersは、先ほどからおっしゃっているように、ポップという文脈が強いですよね。ポップであるということは、考え方が違う人に対しても、"こういうのもあるんじゃない?"と語り掛ける力や可能性を持っているということだと思うのですが――先日、GLK MUSIC(※Leetspeak monstersの所属レーベル)社長のRameさんが"仕切り行為"についてツイートしていらっしゃいましたね。

Euskyss:僕らはそもそも仕切り行為とかがない文化でやってきたバンドなので、そういう行為があるというのも去年くらいに初めて知ったんですよ。

D13:そういうものがあると初めて知ったときは驚いたな~(笑)。

Yo'shmeer:普通は番号順に入って、あとは空いてるところに好きに入りますもんね。

-私も、仕切り行為とかそういうものがあるからV系全体が盛り下がったんだ! と決めつけてました。しかし、その行為の背景には、イベント全体を盛り上げるためであるとか、公益性であるとか、根本は"良心"でもあったという文脈を知らなかったんですよ。たぶん私だけじゃなく他のジャンルの人はほとんど知らないと思います。だから、一概に悪だとは言いづらくなってしまって。それから、バンド側がマナー啓発をしたり延々と議論されているのを見ていても、正直なところあまりファンには届いてない、響いてないのでは? とも感じています。ファンからすれば、早い整理番号を取る苦労を知らない人、同じフロアにいたことがない人に言われても......という気持ちもあるでしょうし、その場その場で起こっている細かいディテールを抜きに解決することはできないことで。それから、V系ファンは他のジャンルよりも相対的に高いお金がかかることが多いですから、そういう行為が生まれるのは、V系市場の構造的な歪みに原因がないとも思えないというか......。

D13:あぁ、たしかにその言い分はわからなくもないね~。

Yo'shmeer:うーん......なるほど。まぁ、うちのバンドではそういうことは聞いたことないですし、逆に後ろの子たちが前に入れてもらったとか、嬉しい話しか聞かないですよ。

GLK MUSIC社長Rame:まぁでもね、そこがトゲになったりもするんだよ。例えば、何気なく前に入れた人が150番代だったとして、2列目の子は30番代を持っていたのに、なんで私が前に呼ばれないの? とか。そういう闇もあって。たまたま最前の人が仲がいい人だったから呼んでもらえたけど、知らない人だから早い番号を持ってても前に入れない......とか。

D13:なんかもう、ねぇ。一番いいのは、我々が売れて、全席椅子があるホールがあるところできるようになることかな~。それに、我々のような、ちょっと変でハッピーなバンドには、ハッピーなお客さんがついてきてくれるのかな。V系を始めたころは、友達もいないしバンギャは怖いし(笑)、ホントに大丈夫かな? っていう不安もあったさ~。でも、我々ができることはこれだけだし、やってみたときにどんな反応が返ってくるのか? っていうのは、ちょっと時間を見ないとわからないもので。みんな意外とカッコいいものだけじゃなくて楽しいものも好きな子たちが多くて、ライヴではあっという間に手が上がるようになった。だから、特に"V系だからこうだ!"みたいなものって、意外とあるようでなかったりするのかもしれないね~。