INTERVIEW
Leetspeak monsters
2021.10.19UPDATE
2021年10月号掲載
Member:D13(Vo/Rap) Yo'shmeer(Gt/Cho) Euskyss(Ba) DieWolf(Dr)
Interviewer:杉江 由紀
今年もこの季節がやってきた。人間界と彼の世の狭間にある墓場の街、グレイヴタウン出身のモンスターの集うバンドであるLeetspeak monstersが、2021年のハロウィンを彩るパーティー・ソングとして今回ドロップするのは、6thマキシ・シングル『Trick or Treat』。未だに渾沌とした時代が続いているからこそ、彼らは聴いた人々がとことん楽しめるパーティー・チューンを具現化したかったそうだ。なんと思いやりにあふれたモンスターたちだろうか。10月下旬には主催イベント"Leetspeak monsters Presents Halloween Party 2021 in Kawasaki"や、東京と大阪でのライヴが決定しているので、彼らの誘う夜宴にはぜひとも集うべし!
ここまでハジけたパーティー・チューンはこれがおそらく初
-Leetspeak monstersは誰がどこから見ても、ハロウィンなムードを常に醸し出し続けてきているバンドではあるわけですけれども、このたびはまさに、そのハロウィンをテーマにした6thマキシ・シングル『Trick or Treat』が、見事に完成いたしましたね。
Euskyss:もともとは春か夏にも何か作品を出そうかという話が何度かはあがっていたんですけど、コロナのこともありましてライヴが組みにくいこともありつつ、リリースがだんだん先延ばしになっていったんですよね。それと同時に、ハロウィンの時期が近づいてきたこともあり、結局"うちがハロウィンに何も出さない、何もしないでどうすんの!?"ということになって、今回はこうして、今年唯一の音源となるマキシ・シングル『Trick or Treat』を出すことになりました。ヴォーカルのドメちゃん(D13)からは"せっかくハロウィンに出すんだったら、最近は結構エモーショナルな雰囲気の曲のリリースが続いてたけど、みんなでハロウィンを楽しめるような明るめな曲が欲しい"という要望が出たので、僕としてはその言葉に応えられるような曲を作っていくことになったんです。
-たしかに、表題曲の「Trick or Treat」はファニーだけれど、絶妙なサジ加減でホラー感も漂う雰囲気に仕上がっていて、まさに"これぞLeetspeak monsters!"な空気が満載となっている印象です。このサウンドを生み出していくにあたり、各パートの立場からはどのようなことを大事にされたのかぜひ教えてください。
DieWolf:ドラムに関して言えば、大切だったのはシンプルさじゃないですかね。あんまり小技を入れないっていうか、ゴチャゴチャしないでわかりやすい流れの曲にしたかったんですよ。誰が聴いても楽しくノれるようなリズムにしよう、というイメージが自分の中では強かったです。だから、正直この曲はスネアとバスドラとハットとライドがあれば、あとは叩くときのちょっとしたサジ加減だけで完結しちゃうと思います。
-コンポーザーでもあるEuskyssさんの場合、ベーシストとして「Trick or Treat」を表現されていく際に重視されたのはなんでしたか?
Euskyss:僕もシンプルさは大事だと思ってました。この曲の根底には、うちのワンワン(DieWolf)の持ち味でもあるハネてるリズムがまずあって、初めて聴いた人や初めてライヴで観た人でも、自然と身体が動き出すような空気がドラムの音だけでできあがっていますからね。僕としては、そこに合わせながらベースもちょっとハネたフレーズを入れていって、より心地よいグルーヴの漂う曲にしていった感じです。それによってハロウィンならではのワクワク感とか、高揚感が出せましたし、2コーラス目からはロックっぽさも出していってるので、聴いた人たちがほんとにシンプルに楽しめるような曲にすることができたと思います。
-Leetspeak monstersは、最初に写真だけを見るともっとおどろおどろしい音を出していてもおかしくないのでは? と思わせつつ、実際に音を聴いてみるとロックなだけではなく、軽やかなところもあり、ファンタジックな要素も予想以上にたくさん含まれているので、そこのいい意味でのギャップも素敵だなと感じます。
Euskyss:一見すると外の雰囲気はちょっと怖いんだけど、中に入ってみると実は楽しい! っていうのはテーマパークのオバケ系アトラクションと一緒ですね(笑)。
-なるほど(笑)。では、ギタリストであるYo'shmeerさんからすると、表題曲「Trick or Treat」の中でこだわられたのはどういったことでしたか?
Yo'shmeer:最初にデモを渡された段階から、私としてはこの曲に対して今までとは少し違うアプローチ方法をしていこうと考えていまして、ギター・フレーズは珍しく歌メロをつけていくような感覚で作っていきました。それこそ、リズム隊の音がシンプルな作りになっているぶん、歌メロの合間を縫いながら、自分なりにこの曲を聴いてもっとワクワクできるようなものにしたかったので、自分もギターで歌うような意識を持つようにしたんですよね。これは初めての経験でした。Euskyssが"好きなようにギターつけていいよ"って言ってくれてはいたんですけど、感覚としては音が自然と"降りてきた"ような気がします。
D13:出た! 天才の発言(笑)。
Yo'shmeer:いや、ほんとに(笑)。もう指が勝手に動いてましたから。我ながらあれはなかなか不思議な感じでしたよ。あと、こういう曲調も好きだなって改めて思いましたね。もちろんこれまでみたいなシリアスなテイストのものも好きなんですけど、ここまでハジけたLeetspeak monstersのパーティー・チューンっていうのはこれがおそらく初だし、そこがすごく気に入ってます。弾いてても楽しいですね。
Euskyss:ギターにしか出せない華やかさを、Yo'shmeerがうまい具合につけ加えてくれてますね。さすがは花形ギタリストですよ(笑)。
Yo'shmeer:良かった。ほめられて嬉しい(笑)。
-そんななか、ヴォーカリストとしてのD13さんが、「Trick or Treat」の世界を表現されていくうえで留意されたのはどのようなことでしたでしょうか?
D13:これはとてもすんなり歌えた曲でしたね。みんなも言ってることですけど、とてもわかりやすい曲なので、歌う側としても入り込みやすかったんです。個人的な感覚からいけば、いわゆる歌モノとか、エモーショナルなタイプの曲よりもたぶん「Trick or Treat」みたいな曲のほうが得意なんだと思います(笑)。Euskyssの書いている歌詞も、まるで自分が書いているかのようにすっと入ってきてなんの違和感もなく歌えたんですよ。