INTERVIEW
D'ERLANGER × THE SLUT BANKS
2017.09.13UPDATE
2017年10月号掲載
D'ERLANGER:kyo(Vo)
THE SLUT BANKS:TUSK(Vo)
インタビュアー:杉江 由紀
-そのトリビュート『D'ERLANGER TRIBUTE ALBUM ~Stairway to Heaven~』では、TUSKさんがTHE SLUT BANKSとして「1999-Shyboy story-」を歌われていますが、その経緯はどのようなものだったのでしょうか。
kyo:今回のトリビュートに関しては、Tetsu(Dr)を中心にメンバーで"このアーティストに参加してほしいよね"という意見を出し合っていったので、何かと縁のある人に声を掛けることが多くなったんですよ。THE SLUT BANKSとはうちのTetsuと戸城さん(戸城憲夫:DUCK-LEEE/THE SLUT BANKS/Ba)との絡みがありますし、そのラインから。俺としてもD'ERLANGERの曲をTUSKの声で聴くのはとても楽しみでした。「1999-Shyboy story-」を選んでやってくれたっていうのも、ちょっと意外で面白かったしね。
TUSK:俺、自分ではどうしても曲を選べなかったの。先輩であり、それなりに近い距離にいるつもりであるD'ERLANGERの曲と、ここに来て正面から向き合うっていうことに対してなんだかいろいろと複雑な感情があったんですよ。だから、今回の曲選びとアレンジはすべてうちの戸城さんにお任せしました。俺はとにかく、それに対して精一杯に歌っただけです。
kyo:そうだったんだ。これ、すごく"らしさ"が出てると思うなぁ。歌の"がなり方"なんかは、まさにTUSKっぽさが凝縮されてるし(笑)。サビでロー・ヴォイスになってウィスパーに近い感じになる、あの人の顎を下から撫であげるような雰囲気もTUSKそのものだよ。
TUSK:ほんと? そう言ってもらえてよかった。ちなみに、あの曲の俺的なツボは、"~NIGHT&DAY"っていうフレーズのところですかね。kyoちゃんが歌っているあのフっと息を抜いた感じが大好きだから、俺なりにそのニュアンスを出してみたんです。『LA VIE EN ROSE』(1989年リリースの1stアルバム)が出たころ、つまり20ウン年前のkyoちゃんのあの感じを。
kyo:あれがもう27年、いや28年前になるのか。俺、あのころからしたら相当声変わったからねぇ。今回TUSKが当時の俺の声の感じを意識してくれたっていうのは俺も聴いていてよくわかったし、なんか聴いててそこはほんとに安心しました。あぁ、あのころのことをよく知っている人が歌うとこうなるんだなって(笑)。
-四半世紀以上のときを経ながらも、数々の楽曲たちがこうしてTHE SLUT BANKSを始めとした多くのアーティストたちの手によって新たな息吹を得た、というのは非常に素敵なことですね。D'ERLANGERの愛されぶりが、よくわかります。
TUSK:愛情は俺も思いっきり込めましたよ! ただ、あのアレンジに関してはCIPHERに怒られないかな? って内心ビクビクしてますけど(笑)。
kyo:そんなわけないじゃん(笑)。それどころか、実にありがたいことですよ。THE SLUT BANKSを筆頭に、こうしてみんながそれぞれD'ERLANGERの曲たちに対しての愛情をたくさん込めてくれたということがすごく嬉しいし、アーティストとして光栄だなと思います。
TUSK:俺の方こそ、高校生だった自分にとって憧れの先輩だったkyoちゃんが今もD'ERLANGERのヴォーカリストとして歌い続けてくれているのが嬉しいですよ。
kyo:なんか、こうやって久しぶりに会って話すと嬉しいね。TUSKは変わんねーなぁ、って話してると安心するわ(笑)。