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INTERVIEW

Aldious

2017.05.10UPDATE

2017年05月号掲載

Aldious

Member:Re:NO(Vo) Yoshi(Gt) トキ(Gt)

Interviewer:米沢 彰

"SUMMER SONIC 2016""VISUAL JAPAN SUMMIT 2016"に相次いで出演を果たすなど、バンドの活動の幅を大きく広げつつあるAldious。ガールズ・メタル・バンドとして、ジャンルをけん引する存在へと進化を続け、それを証明するかのように実績を積み重ねてきた彼女たち。バンド通算6枚目、新メンバー加入により現体制となってから2枚目となる今作アルバムでは、初めてメンバー全員が作曲を手掛けるなど、制作のプロセス自体も充実を見せる。そんなそれぞれの思い入れも内包したニュー・アルバム『Unlimited Diffusion』についてメンバーたちに訊ねた。

-『Unlimited Diffusion』のリリースおめでとうございます。前回のシングル『Female Warrior / ノスタルジック / fragile』が昨年10月のリリースでしたので、半年ちょっとでのフル・アルバム完成とかなり早い制作ペースですね。

Yoshi:どうだろう......メンバーによっては、去年からデモを出したりとかして進めてたよね?

Re:NO:11月くらいから曲作りは始めていて、ほんとに今日(※取材日は4月11日)マスタリングが終了したところなんです。そうすると、10~11月くらいから4月の半ばまでかかっていることになるので、個人的には長い間制作してたという感覚がありますね。

Yoshi:今ってライン録りされる方が多いと思うんですけど、うちらの場合、生でしっかりアンプも鳴らして、キャビネットにマイクを立ててっていうやり方なので、セッティングとかマイキングとかにもすごく時間がかかるんですよね。ドラムのセットを午前に搬入して、実際に録り始めるのは午後からとか。だいたいそういう感じで。それで時間がかかったということもありますね。

-ギターをリアンプして、とか最近よく聞きますからね。

Yoshi:自宅で録ったギターのデータを持っていって、リアンプだけ1日で一気にやるっていうのも、よく聞くんですけど、うちらは本当にリアルタイムで。リアンプするとニュアンスも変わってしまうんですよね。だから、生っていうのが一番こだわってるところかな、とは思いますね。


今回は、初めて全員が作曲した曲が入っているので、すごくメンバーの色が出ているのかな


-なるほど。今回、フル・アルバムとしては2015年12月の『Radiant A』以来となりますが、『Radiant A』はMarinaさん(Dr)が加入されて、今のメンバーになってから初のアルバムでしたよね。前アルバムのときと比べて、今作の制作はいかがでしたか?

Re:NO:5人の色が、より明確に曲に表れてるのかな。『Radiant A』よりも今作の方が、メンバーの内にあるものが強く作品に反映されているのを感じます。

トキ:去年、すごい数のツアーをやったんですよ。なので、『Radiant A』のレコーディングのときと比べたら、やっぱり今の5人の阿吽(あうん)の呼吸というかグルーヴ感がわかってきているので、私もドラムとかベースに合わせやすかったです。曲の中で"ここはこういくぞ!"みたいなのが、よりわかるようになってきたので。そういうものが、前作に比べると形になって出たと思います。

Yoshi:今回は、初めて全員が作曲した曲が入っているので、すごくメンバーの色が出ているのかなっていうことと、プレイ面に関しては、あとから加入したMarinaの得意なプレイとか、どんなことができるかっていうのを前作より断然把握しているので、お互いがお互いのことをわかってきたなかで、できたアルバムっていう感じがしますね。

-前作がシングル『Female Warrior / ノスタルジック / fragile』で、3曲それぞれの色が濃く出ていましたが、今作フル・アルバムではさらに曲ごとに自由にやっているように感じました。実際に制作を進める方法や考え方はシングルとは大きく変わってくるのでしょうか?

Yoshi:そうですね。前回のシングルは、プロデュースをEARTHSHAKERの石原("SHARA"愼一郎)さんと、3曲目の「fragile」は地獄カルテットの小林信一さんが手掛けてくれたんですけど、今回は基本的に、小林さんにデモの中から曲を選んでいただいて、そこからブラッシュ・アップして、曲を完成させていったという感じなんです。小林さんには結構深く関わっていただいたので、今までの自分たちになかった色もすごく出てるなと思いますね。

-曲で言うと、特に「Reincarnation」(Track.9)はアコースティック+ヴァイオリンから入ってきて、アルバムだと本当にいろんなことができるなぁと思いました。

トキ:「Reincarnation」は、私が作った曲なんですけど、"私の中でのテーマは「この世で最後のラヴ・ストーリー」みたいな感じなんですよ。世界観、命!"みたいな感じで、Re:NOちゃんに歌ってもらうために作ったような曲なんです。Aldiousって、リフ推しで刻んで暴れてっていう曲がすごく多いんですけど、すごくだだっ広いところで演奏しているような、壮大なスケール感のある曲を作りたくて。それで、アコギから切なく始まって、そこからドーンッ! って重低音が来るような。目をつぶって聴いてほしい曲ですね。

-あのイントロはすごく雰囲気ありますよね。

トキ:ほんとですか! ずっと生のストリングスを入れるのが夢だったんです。デモの段階では、私は弾けないのでMIDIとかで入れて、"どうしてもこれ、生でやりたいんです"って伝えたんですけれども、そうしたらヴァイオリニストの金原(千恵子)さん、あとはピアニストの方も来てくれて。それで、あそこまで壮大な形になりました。

-やっぱり、生のヴァイオリンのニュアンスってすごいですよね。

トキ:ほんとすごいです。生で聴いて鳥肌が止まらなかったです。

-そんなイントロから入って、そのまま曲自体はゴシックなリフでメロディが展開していくのがすごくラウドロック的なアプローチだなと思いました。こういう聴かせ方ができると幅が広がっていきますよね。

トキ:ありがとうございます。まさに、そのゴシック・メタルとかラウド系っぽいリフが、この曲には合うんじゃないかと思って。何パターンもリフを改造したんですけど、結果今の形で、ヴァイオリンも聴かせつつリフも聴かせて、なおかつドーン! って地割れがするような音を使ってみました。

-なるほど。いわゆるジャパメタ的なノリとは若干違う、もっとモダンなテイストが活きていますよね。

トキ:イメージとしては、EVANESCENCEみたいな、すごい重低音の中できれいなヴォーカルが歌ってるという感じで。まさにRe:NOちゃんが歌ったらすごく合うんじゃないかなと思って。

Re:NO:海外のアーティストの中では、EVANESCENCEがほんと大好きなんです。ナンバー1、ナンバー2くらいに好きなんです。10代のときから、こんなメロディアスでダークな世界観のあるバンド・サウンドの中で歌えるヴォーカリストになりたい! っていうのが夢で。実際Aldiousに入って、ヘヴィな曲だったりメロディアスな曲だったり、前作で言ったら「Sweet Temptation」とか、すっごいツボな曲だったんです。だけど、今回の「Reincarnation」は、それをさらに上回る自分好みの曲だったので"うぉー!"と思って(笑)。

トキ:それで、すごい世界観のある歌詞を書いてくれたんですけど、ヴォーカル・レコーディングのときにRe:NOちゃんの歌う声が心なしか嬉しそうに聴こえて(笑)。

一同:(笑)

Re:NO:この曲を録る前まで、結構明るい、前向きな歌詞の曲が多くて、それはそれで"イェイ!"って歌ってたんですけど、なんか、ああいう世界観の曲だと、"来たコレ! 待ってました!"みたいな(笑)。ダークな雰囲気の曲なんですけど、なんか気持ちはすごく高いところにありましたね。