DISC REVIEW
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3曲を並列に置いて表題曲とした野心的なシングルは、バンドの振り幅の広さとヴォーカルRe:NOの表現力を余すことなく1枚に詰め込み、"なるほど"と思わされる3曲3方向のバリエーションを聴かせる作品となった。疾走感溢れるメタルを展開する「Female Warrior」、バンドの持つ艶っぽさや妖艶な雰囲気を放つ「ノスタルジック」、そして表現力が最も問われるバラード調の「fragile」と、それぞれの曲が、メンバー個々のキャラクターや多面性を色濃く反映し、まったく異なる3曲を成立させている。それぞれを明確にキャラ立てし、自らの持ち味やオリジナリティを散りばめながら、自由に音を組み立てていくかのようなアプローチは彼女たちのこれまでのキャリアがなせる技なのだろう。"SUMMER SONIC 2016"出演を経てさらに、"LOUD PARK 16"、"VISUAL JAPAN SUMMIT 2016"と国内でも最大規模のステージを続けて経験する彼女たちのさらなる飛躍は想像するに難くない。ここまでの足し算のような成長ステップから、次は大きなステージを踏まえた掛け算での成長が待っているはずだ。 米沢 彰