MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

Aldious

2020.09.10UPDATE

2020年09月号掲載

Aldious

Member:R!N(Vo) Yoshi(Gt) トキ(Gt) サワ(Ba) Marina(Dr)

Interviewer:荒金 良介

昨年ヴォーカル R!Nが加入し、新5人体制となったガールズ・メタル・バンド、Aldious。今年デビュー10周年という大きな節目を迎え、3月にリレコーディング・ベスト・アルバム『Evoke 2010-2020』を発表。今回はその続編とも言える第2弾作品『EvokeⅡ 2010-2020』をリリースすることになった。今作は当初予定にはなかったものの、現在のコロナ禍の状況を踏まえて制作されたそうだ。第1弾にあたる前作はライヴ必須の代表曲を網羅した内容だったが、今作は初期の名曲からライヴ映えする重要曲を選出しながらも、Aldiousの間口の広い音楽性を再確認させられる1枚。何よりR!Nのヴォーカリストとしての表現力が全面開花し、どの曲もバージョンアップされた仕上がりになっている。メンバー5人に話を訊いた。


この5人だったら、どんなことでも乗り越えていけると思いました


-今年1月にアメリカはアナハイムで開催された世界最大規模の楽器ショー"NAMM show 2020"でライヴを行いましたが、日本の観客と何か違いは感じました?

Yoshi:ほんとに楽しそうにしてくれるのが目に見えてわかったし、私たちのように全然知らないアーティストでも盛り上がってくれて、お客さんが出迎えてくれたのが嬉しかったです。

Marina:私は演奏した次の日にも会場に行ったんですけど、"昨日演奏していた人だよね?"と現地の方が声を掛けてくれて、"最高だったよ!"と言ってもらえたんですよ。楽しいと感じたら、その場で盛り上がってくれるのは国民性の違いなのかなって。

R!N:私は初めての海外ライヴだったんですけど、言葉の壁も障害にならなくて、心から楽しんでくれているのが伝わりました。MCも英語でしたんですけど、それも喜んでくれましたし。素直に音楽でひとつになれたなと感じられたライヴでした。

トキ:私は今回行けなかったけど、メンバーから話を聞いて、今度こそは絶対海外で演奏してみたいと思いました。

-"言葉の壁が障害にならない"とR!Nさんは言われましたけど、それはどんな場面で感じました?

R!N:「We Are」(2017年リリースの1stミニ・アルバム『We Are』収録曲)という曲だけ英語で、他は日本語の曲ばかりだったけど、コール&レスポンスしてくれたり、拳を上げて声も出してくれました。

-今年9月からはイギリス、ドイツ、フランスを回る初のヨーロッパ・ツアー("ALDIOUS - Tour UK/EU 2020")も控えていたんですよね?

サワ:そうですね、コロナの影響で延期になっちゃったんですけど。コロナが収束したら、海外も視野に入れて活動したいですね。

Marina:トキが行けなかったので、次は完全体でライヴをやりたいですね。

トキ:私はバンドを始めた頃からワールド・ツアーをするのが夢だったんですよ。今年は行けなかったけど、そのぶん楽しみを取っておこうと。R!Nちゃん、Marinaちゃんから英語を習おうと思います(笑)。

Yoshi:私も英語は長年勉強しているんですけど、必要に駆られないとなかなか覚えられなくて。海外に行って、"こんなにAldiousのファンがいるんだ!"って驚いたから、また行かなきゃと思いました。

-海外経験はこれから作る曲にも影響を与えそうですか?

Yoshi:R!Nは英語も得意だから、歌詞に英語をたくさん入れられるので、そういう曲も作っていきたいですね。

-前作(2020年3月リリースのアルバム『Evoke 2010-2020』)にR!Nさんが書き下ろしたバラード「I Wish for You」も収録されていましたが、海外のメタル・ファンはバラードも好きなので大きな武器になると思います。で、今年はAldiousもライヴやイベントの中止を余儀なくされるなど大変だったと思いますが、コロナ禍はどんなふうに過ごしてました?

Yoshi:この期間にパワーアップしなきゃと思い、自宅を改造して防音にしました。あと、リハーサルもリモートでほぼ自宅でやってます。私自身は8年前からリモートのソフトを使っていたので、メンバーに"リモートでやろうよ!"って言う絶好のタイミングでした。

-以前と比べて、バンドのフットワークは格段に軽くなったと?

Yoshi:特に今は暑いので、自宅でリハーサルできるのはとてもいいです(笑)。

トキ:スタジオで爆音を鳴らすにこしたことはないけど、今この状況で電車に乗ったり、スタジオで合わせたりするのも難しいので。リモートは最初遅延があったり、やりにくいんじゃないかと思ったけど、Yoshiがネット環境やソフトに詳しいので、それを実践してみると、ストレスなくやれたんですよ。レコーディングでヘッドホンしながら弾いているような感覚で、メンバーの音もバラバラで聴こえてくるのですごくやりやすくて。

Marina:リモートでメンバーとほぼ毎日連絡を取って、この期間に何ができるだろうと話したりして。(YouTubeに公開した)既存曲の「Never give up」(原曲は『We Are』収録)はリモート演奏で私はカホンを初めて叩いて、アコースティック・バージョンで録ったんですよ。音はYoshiがミックスしてくれて、動画はR!Nちゃんが編集してくれて、5人で力を合わせてやれたのも良かったですね。

R!N:コロナ禍になって、9月からbayfmでラジオ番組("アルティメット鋼鉄女子ナイト!")も始まったんですけど、メンバーとトークしているお茶会という動画を編集して、オンライン番組を企画したりして。この時間も無駄にせずにプラスに変えていけたらいいなと。

サワ:私はネット環境が整ってなくて、Yoshiがパソコンを改造してくれて、何かとお世話になったもので。普段は自分たちのツアーで精一杯だけど、この時期に陰陽座さんとか、いろんな曲をコピーしたので勉強になりました。

-ちなみに新曲作りにも励んだりなどは?

Yoshi:R!Nが今年の頭にかなり曲を書いてくれたし、去年私が作ったインストがあるんですけど、それに歌を乗せてブラッシュアップしているところです。今まではレコーディングしながら、アレンジする状態でしたけど、今は時間があって歌入れをしたあとにアレンジもできるので、一点集中でやれるようになりました。今まではツアーの合間に曲を作っていたから、これからはもっとクオリティを上げることができるかなと思っています。

-8月に初の無観客配信ライヴ("Aldious Debut 10th Anniversary No Audience Live 2020 at SHIBUYA CLUB QUATTRO")をやりましたが、バンド的に手応えはいかがでした?

Yoshi:メドレーをやったんですけど、それがとても評判が良くて。うちはヴォーカルが3人目になるから、メドレーでたくさん曲を入れることで、この曲はライヴで初めて聴く、この曲は何年ぶりに聴くんだろうとか、いろいろと感じてもらえるように、あえてそういう曲も入れました。

トキ:私は落ち込みやすい性格で、コロナでライヴが延期になって、自分の存在意義を見失いそうになったんですけど。無観客ライヴをやって、目の前にお客さんがいないのは寂しいけど、遠く離れたところでも楽しんでくれた人の反応を聞けたので良かったです。今まで当たり前のようにやっていたライヴは当たり前じゃないし、もっともっと一曲一曲、一本一本のライヴを大事にしようと思いました。

Marina:去年R!Nちゃんが加入して、トキが戻ってくれて、今年はこの5人で頑張るぞ! という矢先にコロナになってしまい......メンバーと会えない日々が続いて。近年は1年の半分以上ツアーに費やしていたので......無観客にせよ、この5人で音を鳴らせることがすごく幸せだなと改めて感じました。

R!N:私も去年ツアーをずっと一緒に回って、5月のゴールデンウィークのライヴが印象に残ってて......この時期は自宅に帰ったときにすごく寂しかったんですよ。メンバーと奏でるステージが好きだし、お客さんとひとつになるライヴも好きなので......。無観客ライヴはトキと一緒で寂しかったけど、今年初のワンマンだったので、このメンバーでがっつりライヴできることが嬉しくて。この5人だったら、どんなことでも乗り越えていけると思いました。

サワ:みんなで集まって、音をぶつけ合うのがこんなに素晴らしいことなんだと再確認しました。ただ、家にこもりすぎてて、体力が普段より落ちていたんですよ。自分もヘトヘトになったので、それ以降は公園を毎日走ったりして、モチベーションはよりいっそう上がりましたね。

R!N:わかる(笑)。

トキ:私はジムに通ってて、筋トレしまくってます。