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INTERVIEW

Aldious

2017.05.10UPDATE

2017年05月号掲載

Aldious

Member:Re:NO(Vo) Yoshi(Gt) トキ(Gt)

Interviewer:米沢 彰

-壮絶な撮影だったんですね。一方、もうひとつのMV曲でもある「Without You」(Track.3)はやたらと明るくて、手拍子まで入ってて。これまでもこういう曲調はありましたが、さらに振り切った印象を受けました。

Re:NO:そうですね。Aldiousの中では一番ポップかもしれないですね。「die for you」(『Radiant A』収録曲)を上回るポップな曲になったかなと思います。

-今までは、"ポップな感じ"だったのが、この曲では完全に"ポップ"に振り切りましたよね。

Re:NO:ライヴでハンドクラップをみんなでやって、一体感を出せたらなと思って。「die for you」も、"イェイ! イェイ! イェイ!"ってみんなで言いたいっていうので作ったので。それに続く、みんなで参加するような曲が欲しかったんですよね。

-そういうコンセプトがあって作った曲だったんですね。でも、曲調とは裏腹に歌詞は少しネガティヴだったりして、そのギャップも面白いですよね。

Re:NO:この歌詞は、パッと見たら普通にラヴ・ソングで"あなたには私みたいなのはもったいないわ、でもやっぱり好きなの!"っていう内容で描かれているんですけど、実はステージ上にいる自分と照らし合わせたりして書いたものなんです。Aldiousに加入してから4~5年経つんですけど、加入したてのころは"本当に私でいいのかな?"っていう気持ちをずっと抱きながらやっていたところがあって。それをちょっとラヴ・ソングに置き換えて書いてみたんです。後半は、4年経った今の"私でいいんだ、ここにいたいんだ"っていう気持ちの変化をラヴ・ソングとして映し出したって感じですね。リスナーには、ちゃんと恋愛の歌として聴いてほしいんですけどね。

-なるほど。前回のインタビューでも触れましたが、少女の部分と大人の女性の部分が使い分けというか、いろいろな形で出てくるといつも思っていて、この曲はどっちかというと少女の方に振り切っているなと感じました。今作ではそういう二面性というより、多重人格って言った方がいいくらい、いろんな面が見えてきたようにも思いました。

Re:NO:それで自分がわかんなくなった時期もありました(笑)。いろんな歌詞を書いている最中に、自分がわからなくなるっていう。変な悪夢に侵されてましたね。毎日レコーディングしてる夢を見たり、リハーサルしてる夢を見たりして、"ここのコーラスはもう録ったよね?"って言ったら、"まだ録ってないよ"って言われて、夢と現実がよくわかんなくなったり(笑)。あとは、歌詞の世界観の夢とか。

-傍から見ると、結構ヤバい感じですね。

トキ:でもそんななかで、いい歌詞を書いてくるんで。やっぱ、さずがだなーとか、私は思っちゃいましたね。曲ごとに全部キャラが違うんですけど、私たちから見たら、全部Re:NOちゃんが書いた歌詞だなっていうのが出てて。根本はRe:NOちゃんの素直な気持ちだったりとか、内に秘めてる思いとかなんで。私とRe:NOちゃんって性格的にちょっと似ているところがあるから、「Without You」なんか結構共感できて。最初、歌詞見たときに"キャー、Re:NOちゃんの歌詞! 恋でもしてんの!?"って(笑)。で、よく読んでみると、ちょっと似てるかも! って。私も自分に自信がなかったりとかあるので、すごい共感できましたね。すみません、ファン目線みたいな感じになっちゃって(笑)。

一同:(笑)

-面白いですね(笑)。そういう多面性という意味で、大人の女性的な曲は「梅華」(Track.5)がかなりそのテイストを持っているなと思いました。妖艶な雰囲気を持った曲はこれまでもありましたが、艶っぽいヴォーカル・ワークにさらに磨きがかかったようにも感じました。ヴォーカル・ワークに関して、ご自身では深みを増している実感はありますか?

Re:NO:その曲によって歌い方はもちろん変えたり、あとは声の出し方だったりとか、響きとか、聴こえ方っていうか、歌詞の言葉ひとつひとつに関して"これはファルセットの方が歌詞が頭に入るな"とか、"ここは地でいった方が胸に来るな"とか、そういうのをすごく考えて、練習して、自分で録音して、聴いてってしながら歌詞を書くんです。この曲に関しては、作曲がよっしー(Yoshi)なんですけど、他の曲と比べてちょっと"和テイスト"っていう感じに私はとらえたんですね。よっしーらしさもあって、メロディのきれいさもあって、流れるように花弁が舞っているようなイメージがあったので、そういう歌い方ができたのかなって。ファルセットとそのオクターブ下とを混ぜて録らせてもらいました。

-あのサビはすごく耳に引っ掛かりますね。

Re:NO:メロディがすごく覚えやすいので。

-あのサビは多重になってたりと、変わった感じですが、最初からそういう作りにする予定だったんですか?

Yoshi:デモの時点で、メインと上ハモくらいしか入れてなかったんですけど、プロデューサーの意向で、下の方もがっつり入れていただいて。ライヴで再現できるのかって感じの(笑)。

-なんか、この曲ってAldiousの"悪女"な部分っていうか、そういう正と負が凝縮されて出てる気がしますよね。

Yoshi:イントロは結構疾走感がありますけど、歌はそういう感じがありますよね。ちょっと昔のAldiousらしさが出てるのかもしれないですね。

-タイトルも珍しく漢字ですね。

Re:NO:制作の時期がちょうど寒い時期から暖かくなり始めて春になるっていう時期だったんですけど、その寒い時期から咲く春の花が梅の花で。雪の中でも咲けるくらい強い花っていうイメージで。それと、よっしー作曲っていうことで、梅の花の赤いイメージとかっていう自分の中での勝手な連想で。あとは、力強い女性の歌詞にしたいっていう意味で、梅の花をモチーフにしました。

-作品全体のギター・ワークとしてはツインのソロもあれば、リフのパターンもバリエーションがあって、聞きどころが随所にあるなと思いました。おふたりがギタリストとして思い入れのある曲をうかがえますでしょうか?

トキ:今回のレコーディングは、前のシングルとは結構変えて、バッキングは私がLR両方録っていて、ダビング・ギターというかウワモノだったりとかをよっしーに弾いてもらってるっていう感じなんです。私は、すごい近くでギターの音がザクザク聴こえる感じにしたかったので、「梅華」もそうですけど、「IN THIS WORLD」(Track.11)とか、私が作曲した「Go away」(Track.10)とか「ジレンマ」(Track.4)とかもそうなんですけど、バッキングはかなりザクザクしてて、Aldiousの作品の中でも一番いい音で録れたんじゃないかなって。自画自賛なんですけど(笑)。だから、リフはめっちゃ聴いてもらいたいと思いますね。

Yoshi:「ノスタルジック」はちょっとリードを録り直したりとかしたんですけど、前より断然いい感じになっていて。"なんで前はこのくらい弾けなかったんだろう?"って言われたくらい(笑)。ギターもベースも録り直して、ミックスもだいぶ変わっているのと、若干アレンジの変わってる箇所もあるので。そのあたりは、聴いてもらいたいなと思いますね。