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INTERVIEW

Deviloof

2016.08.06UPDATE

2016年08月号掲載

Deviloof

Member:桂佑(Vo) 晟也(7Strings Gt) 竜弥(7Strings Gt) 太輝(Ba) ひろと(Dr)

Interviewer:KAORU

-サウンドは凄まじくブルータルで、わかりやすく言うと先ほど言ったデスコアに近いとは思うのですが。もっと混色というか、ハイブリッドな感じがしつつ、でもデスコアにまったく関係ない音を乗せて斬新さを狙うのではなく、あくまで純粋培養してきたものを極限まで進化させたという印象を受けたのですが、そのあたりをご自身ではどう考えていますか?

桂佑:自分的にはデスコアというジャンルに敬意を持って、枠からはみ出しすぎない斬新さを狙って作り込んだつもりです。デスコア+メタルコアってのはよくある組み合わせで、デスコアと呼ばれてる音楽のほとんどがこれにあたると思います。俺個人の曲作りの取り組みとして"クロスオーバー"を毎回課題に入れてて、今回のアルバムでは近いようでなかなかない組み合わせ、スラムデスやブルデス、デスメタルなどをぶち込んだ感じです。

-イントロのTrack.1「The Gate Of PURGE」では、エクストリーム・メタルで使われる様々な歌唱法を聴かせてくれる桂佑さんのスキルの高さにびっくりしました。このインタビューはまだデスコアなどのジャンルを聴かない人やV系しか聴かないという人も読むと思うので、この曲で使っているヴォーカルはなんという名前の歌唱法なのか、その声の出し方についてなどわかりやすく教えていただければと思います。

桂佑:"桂佑スペシャル盛り合わせ"。ふたつぐらい声帯ポリープを作ります。

-Track.2「A.M.D」はスロウに入ってきて、イントロ明けの高速ビートにびっくりしました。BPM100くらいのスロウなイントロから145にテンポ・アップして凄まじい刻みで、そこから110くらいに一度落として、ラスト・スパートは180くらいにして畳み掛けるといったように、曲がめまぐるしく展開していきますが、この曲はどのような順番を経て構築していったのでしょうか?

桂佑:この曲は作曲からヴォーカル入れまですべて俺が手掛けたのですが、これまでの楽曲にない感じの曲、デスコア、ニュースクール・ハードコア、ブルデス、スラムデスがミックスされた曲に仕上げようという課題を自らに課せて作っていきました。スロウでグルーヴィなイントロ、猪突猛進のブルデス・パート、NYスタイルのビートダウンからデスコア風味なブレイクダウン、そしてスラム・パートへ移行してキャッチー且つハードコア風なリフ・ワークで締め。緩急を激しくつけつつもそれぞれの要素をまとめ、起承転結をしっかり持たせるのに苦労しましたね。Aパート、Bパート、Cパート......って感じに作っていって、どの流れが一番無理なくブルータリティの範囲内できれいにまとまるかを考えながら繋げては分解させてっていう作業を延々とやってました。頭悪そうな曲ですが、作曲では相当頭を使わされましたね。

-"A.M.D"とは何かの単語の頭文字を合わせたタイトルでしょうか?

桂佑:"Ah Momitai Desu"。

太輝:いえ、"All Must Die"の頭文字です(笑)。"皆殺しだ"ってことです。

-歌詞を読んでいると、ちゃんと考えれば真っ当なことを言っているだけなのに、マジョリティとは相容れない怒りのようなものを感じますが、この曲の歌詞に込められた意味を教えてください。

桂佑:多数派=善って風潮が昔から嫌いで、この曲の歌詞にもそんな感じのことを込めてます。ただ俺、アンチのアンチでもあるんですよ。周りに合わせる努力もせずマイノリティ気取ってるクセして、被害者面ってのも気持ち悪すぎるし。十人十色、ひとりひとり価値観やら考え方って違うじゃないですか。そんな中で全員仲良くってのは無理があるでしょ。お互いに歩み寄るだの上辺だけの綺麗事で中途半端な解決策を押しつける人もいますが、この曲は"行くとこまで行ったらどーすっか?"っていう平和的ではない歌詞です。

-Track.4「ISHTAR」は個人的に一番興奮しました。デスコア、エクストリーム・メタルとしても最高ですし、なおかつ歌い方、歌詞においてはヴィジュアル系的な美学も詰まっているような印象を受けたのですが、その辺りはいかがでしょうか? また、どのようなことに重点を置いて曲を完成させましたか?

桂佑:リリック・ビデオ用曲って題材で作りました。普通のPVと違ってバンドの演奏シーンが出てこないわけですから、曲と歌詞だけで楽しませられるよう特にこだわりました。ヴォーカル・ラインは王道な感じとトリッキーな感じとを合わせて、新鮮味もありいい感じにカオスに仕上がりましたね。歌詞はV系っぽくというと変な感じがしますが、ストレートな歌詞ではなく独特な比喩表現を多用してます。比喩に比喩を重ねてるもんだから文章が多少うるさくなってるし、何伝えたいのかわかりづらいと思うかもしれませんが、頑張って読み解いてほしいです。

晟也:曲作りについては、1stシングル『Ruin』(2015年リリース)はノリやすさや聴きやすさを重視していたので、「ISHTAR」は自分たちがしたいことを素直に表現することを重視して作りました。

-英語と日本語が交ざっているスタイルですが、歌を聴いていると英語とも日本語とも言うのが難しいというか。Deviloof語と言ってしまえばそれまでなんですけど、作品全編を通して"歌を聴かせること"においてどのような工夫を凝らしたのか、どのようなこだわりを持って臨んだのかを教えてください。

桂佑:発音より曲の雰囲気を大切にしてます。単純にかっこいいと思ったヴォーカル・ラインをつけてるだけです。歌詞を重要視してないってことはないんですが、歌詞を書くために曲を作ってるわけではないですから。あくまでかっこいい曲を作るために歌詞をつけてるって感じですかね。

-Track.5「syphilischancroidchlamydiaclervicitisprotozoaaids」は資料のファイル名が"SEIBYOU"だったのですが(笑)、「ISHTAR」でテーマとなった"性愛"が悲惨な形になってしまうという物語性があるのでしょうか?

桂佑:コンドームはつけましょうネ。

太輝:「ISHTAR」とは関係ないのですが、性病の名称を連ねています(笑)。歌詞は昔、実際に起こった強姦殺人を題材にしていますが、歌詞の着眼点をただ単に残虐なタイトルにするんじゃなくて、あえてそこを性病にしてみようかとパッと思いつきました。

-Deviloofのメンバーの演奏力の高さが凝縮されている曲だと感じました。ギターにおいては不穏な音像を奏でるパートがあって、55秒あたりから悲鳴のような声が聴こえてくる。その悲鳴と連動しているかのような音がいい意味でめちゃくちゃ不気味でかっこよくて、ソロもいいですよね。この曲のギターにおいて工夫したこと、こだわったことを教えてください。

晟也:不協和音や半音のハモリを入れることで、気持ち悪さや病んでいる感じを表現しました。