INTERVIEW
Ailiph Doepa
2016.05.14UPDATE
2016年05月号掲載
Member:アイガーゴイル(Vo)レッドジブラ(Ba)パプリカパプリコ(Gt)ドナルディーケチャップ(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-なるほど。パプリカさんは?
パプリカ:僕は最初にGREEN DAY、RANCID、NIRVANAを聴いて、いとこにHi-STANDARD、BRAHMANを教えてもらって。SYSTEM OF A DOWNも大好きだったので、Ailiph Doepaの音楽性には抵抗がなかったですね。上京して、専門学校に通ってたときにはラウド系のバンドが溢れてましたね。
アイガーゴイル:マキシマム ザ ホルモンがちょうどラウドを開拓していたころですね。そのときに高校生だったから、完全にキッズなんです。あの人たちが蒔いた種から、俺らみたいなものが出てきたんです。
-今の4人編成になって変わりました?
アイガーゴイル:前のギターはドンシャリで歪みまくってたんですよ。今のギターはそこまで歪んでなくて、聴きやすい歪みですからね。ラウドにしては変わった音作りかなと。
パプリカ:そうですね。ラウドは好きだけど、今の人たちはギターに特徴がないと思っちゃって。好き嫌いは分かれるかもしれないけど、俺もSYSTEM OF A DOWN好きなので、アクを強く出したいなと。
アイガーゴイル:現体制でひとつの完成形には近づけたかなと。
レッドジブラ:だから、このタイミングでコンプリート・アルバムを出そうと。
アイガーゴイル:前のドラムは"ザ・ドラマー"って感じで、キチッとした感じだったけど。こいつ(ケチャップ)はフィルとかで結構遊ぶんですよ。
ケチャップ:前のドラムとは真逆だなと自分でも思いました。黒人のドラマーが好きで、目指すところもプレイ・スタイルも違ったから、逆にやりやすかったです。何をやっても違うから、気負わずにやれました。
-黒人のドラマーは誰が好きなんですか?
ケチャップ:ゴスペル上がりのドラマーが好きなんですけど、それだけだとAiliph Doepaとミスマッチになるので。最近意識しているのは元THE MARS VOLTAのThomas Pridgenですね。黒人特有のビート感で叩きながらも、ものすごくラウドなんですよ。
アイガーゴイル:あと、過去にDESTRAGEと対バンしたんですけど、唖然としました。
ケチャップ:衝撃を受けましたね。DESTRAGEのFederico Paulovichにも影響を受けました。Ailiph Doepaの新曲のレベルがどんどん難易度が高くなっていくので、どんなドラマーなら完璧に叩きこなせるかなと考えたら、Federico Paulovichだなって。
アイガーゴイル:ウチらはDESTRAGEの曲にも近いものはあるかなと。ゴリゴリだけど遊びもあるし、キャッチーだけどフザケてる。
-なるほど。そして、今作は全曲新録になるんですよね?
アイガーゴイル:そうですね。ロマンチックに言うと、今まで作ってきた総勢23曲の楽曲の中から、選び抜かれた14曲をノアの方舟に乗せて、次のステップに持っていこうと思っています。過去作品はすべて廃盤になるので、さよならする曲もたくさんあるけど、愛すべき曲たちを録り直して、今後はその曲たちを中心に新たな世界をイチから作っていこうかなと。それに今回録り直したことで、得たものも大きくて、前のギターからうまくギター・フレーズを引き継げてないパートもあったんですよ。"おまえそのフレーズ違うんじゃね?"って。解釈ミスも掘り起こせたし、曲を覚え直せたので良かったです。あと、ライヴで同期も使っているんですけど、実はストリングスとバンドの音が裏でぶつかってるところも見つかって、そこも直しました。
レッドジブラ:今回はシンセも全部弾いてもらったんですよ。録り直せて良かったですね。
アイガーゴイル:SANABAGUN.というグループのキーボード(櫻打泰平)が同じ大学で、彼は絶対音感を持っているのでお願いしました。すげえ助かりましたね。
-生音とキーボードのアレンジも聴きどころですね。ケチャップさん、パプリカさんはどうですか?
ケチャップ:やっと自分が全部叩いた音源ができたので、それが嬉しいですね。
パプリカ:俺が入って約2年で、ようやく自分が弾いた音を収録した音源が出せるのもめちゃくちゃ嬉しいです。
アイガーゴイル:これを出して落ち着くわけじゃなく、すでに次の展開も用意しているので、これからはどんどん発信していきたいし、面白いことをやっていきたくて。サウンドには自信があるので、あとは多くの人に知ってもらいたいですね。