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INTERVIEW

ギルガメッシュ

2016.01.13UPDATE

2016年01月号掲載

ギルガメッシュ

Member:左迅(Vo) 弐(Gt) 愁(Ba) Яyo(Dr)

Interviewer:KAORU

-なるほど。たしかに生感もすごく感じますね。ちなみにチューニングは変えましたか?

愁:全部G#ですね。

Яyo:今回は全曲7弦ギターなんですよ。最初7弦の曲が3曲しかなくて、あ、これは増やさなきゃと思って。例えば主軸がG#の曲じゃなくてもG#で書くというか。でないと、なんのために7弦買ったのかわからなくなっちゃうから。そもそもは俺が勝手に7弦の曲を作ったのが発端なんですけど......。中古屋に行ったら3万円でいいギター見つけて買っちゃって、その衝動でできた曲が「INCOMPLETE」(2013年リリースのシングル表題曲)なんです。それで、いい感じの曲ができちゃったから、弐に"7弦買わねえとな"って言って(笑)。で、DREAM THEATER のJohn Petrucciモデルを使ってる人が海外に多くて、7弦だったら絶対これを買いたくて。でもそのギターは40~50万するんですよ。これを弐だけに負担させるのはさすがにかわいそうと思って、兄弟だし(笑)。当時乗ってたバイクを売っ払って頭金にしました(笑)。

弐:生々しいな(笑)。

Яyo:まぁ兄弟だから言えることなんですけど(笑)。責任感じちゃって。足しになったかわからないけど、俺も出した!っていう。

弐:まぁ本人にその気持ちがあるならそれでいいんですけどね(笑)。

-近年のギルガメッシュが取り入れているDjent要素に7弦は欠かせなかったんですね。

Яyo:そうですね。でもDjentそのものはリズムが難しくて俺らの技術じゃできないんですけど、サウンド、音作りとしては追求しました。

-『鵺-chimera-』は「Introduction」から始まりますが、前作『gravitation』にはなかったですよね。それまでの作品にはイントロがありましたが。なぜ今回またイントロをつけようと思ったのでしょうか?

Яyo:今回は気持ち的にドロっとしたかったんですよね。曲作りする前からアート感で捉えてて。『gravitation』はメタルコア寄りなアルバムでしたけど、今回はそのメタルコアをやりたいわけではなくて。次のテーマの入り口っていうのはどうしても作りたかったんですよ。だからいきなり曲から始まるというのは俺の中ではなくて。しかもこの「Introduction」は、11月29日の新宿BLAZEでのワンマンの前に作り直してるんですよ。

弐:もうひとつ前のバージョンは、ノリノリで明るいテンションだったんですけど。彼(Яyo)が違うって。

Яyo:一度共有していたのに作り直したんです。全然違いますよ。この雰囲気が出せなかったんです。ノリノリなものはやりつくしたし、とにかく気持ちを表現したかったんです。怒ってる詞の内容を入り口として。

-たしかにドロっとしてて不穏な雰囲気のイントロですね。Track.2「slip out」はインダストリアル×エレクトロでギルガメッシュの得意技という感じですよね。途中にスクラッチが入っていたり、愁さんのスラップ・ベースが入っていたり。近年のギルガメッシュの集大成としても聴けるんですけど、最初にこの曲を持ってきたことで、これまでのファンもオープンマインドに受け入れられるような感じがしました。

Яyo:ほんとおっしゃる通りなんですけど。メタルコアの要素も散りばめつつ、一歩戻って、2ndアルバム(2006年リリースの『13's reborn』)とか3rdアルバム(2007年リリースの『Girugamesh』)とかを聴き直して、"ああ、やっぱりかっこいいな"と思ったんですよ。これを一周した俺らが今作り直すとどうなるかなっていう、リフとかシンプルだし、サビではドコドコと2バスも踏んでるし、こういうの得意だなって思ってるんで。

-左迅さんの持ち味である日本語詞も際立っていますね。

左迅:『gravitation』ではシャウトも磨いたし、かっこよく聴かせるためにシャウトを英語にしてみたりと挑戦したんですけど、なんか冷静に聴いたときに"らしさ"が薄れたかなと思ったんですよね。英語と聴き比べたら英語の方がかっこいいのかもしれないけど、日本語でも海外で評価されてる、ギルガメッシュの"らしさ"っていうのを追求した感じです。Aメロからシャウトしまくってて、且つかっこよく、そしてギルガメッシュっぽいということを1番に考えました。

-左迅さんのシャウトはどんどん力強くなっていますが、具体的にシャウトを磨く方法を考えたり練習をしていたのですか?

左迅:MAKE MY DAYのIsam君に挑発されたんですけど、でもそこでやり方というか、どうしたら良くなると思う?っていうのを聞いたら、すげえ丁寧に教えてくれたんですよ(笑)。めっちゃいいヤツなんで。結構電話して、シャウトを吹き込んで送ってみて、じゃあこうかな?みたいなのを繰り返していったうえで今のシャウトがあるので、Isam君のおかげです。ありがとう(笑)。

-なるほど。そこまでIsamさんが貢献していたんですね。歌詞においても新しいアングリー・モードの左迅さんの歌ですし、かっこいいですね。

Яyo:そこが俺らの強みなのかも。すごく左迅っぽいじゃないですか。歌のシャウトを日本語でやる部分とか、日本のシーンであまりないと思うので、自信の持てる部分ですね。

-表題曲のTrack.3「鵺-chimera-」は緊迫感のあるストレートなナンバーで、"負の連鎖"とか"自我の閉鎖"とか、アルバムのテーマが集約されてますね。ギルガメッシュはラウドに振り切るタイミングではっきりと覚悟を表明しましたが、1年前の覚悟と、今の覚悟とでは、見てきたものが違うぶん覚悟の方向も変わったと思うんですよね。ひとつ前は、いわゆるヴィジュアル系シーンのファンに対して。今回は様々なラウド・シーンと対バンを重ねていく中で――私の勝手な予想ですが、実際にヴィジュアル系もラウド系も、そんなに大差ないというか、どちらも閉鎖的なシーンだということに気づいたんじゃないかなと思ったんですよね。

左迅:それはもちろんあります。様子見で足を突っ込んだくらいのじゃなく、どっぷり浸かって、両方のシーンのいい部分も悪い部分もこの目で見てきましたからね。