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INTERVIEW

locofrank

2015.12.03UPDATE

2015年12月号掲載

locofrank

Member:木下 正行(Vo/Ba) 森 勇介(Gt/Vo) Tatsuya(Dr/Cho)

Interviewer:吉羽 さおり

-必然的だったんですね。「Returning」も含め、今回、全体的にスピード感があるんですよね。これは気迫みたいなものでしょうかね。

Tatsuya:実は、歳とともにBPMはどんどん落ちてきているんですけどね(笑)。

森:たしかに(笑)。BPMはめちゃ落ちてるんですよ。昔のアルバムに比べると、平均10くらいは――。

Tatsuya:10から20は下がってる。

森:下がってるんですけど、研ぎ澄ましたというか、あまり余計な肉をつけないようにして。そうやってシンプルに聴こえる形にもっていったことが疾走感にも繋がっているんじゃないかなと思うんです。

-そうだったんですね。体感としてはスピードが上がっているくらいだったんですが(笑)。

木下:聴いた感じはそういう気がするんですよね。でも、BPMは確実に落ちてます(笑)。

Tatsuya:そこらへんに対しても、正直に生きてます(笑)。

-泣きの要素だったり、エモーショナルな部分も堪能できますが、1番はスピード感やバンドの体感速度が前面に出ているこでした。

Tatsuya:よかったです。そういうスピード感やドライヴ感は出そうと思っても、出せるものじゃないので。もう音として出ているものが今の俺らの本来の姿なんやろうなって思います。だからそういうふうに聞こえるねって言ってもらえるのは嬉しいですしね。

-先ほど、"サウンド面でもシンプルに"という話がありましたが、今までドラマ性の高い曲もlocofrankの魅力でもありました。今作ではまっすぐな曲の割合が高いですね。

木下:そうですね。もちろん今まで、これはドラマティックにしようという曲もありましたけど、四の五の考えずに、自分たちの感情を優先したっていうところが大きいんでしょうね。話し合ってそうしたわけではないんですけど。そういうところもスピード感に繋がっていると言えるのかなと思いますしね。各々がいろいろな案を出してこだわりを詰め込んだけれど、ごちゃごちゃした感じには聴こえないというふうに仕上がりましたね。

森:これがかっこいいと思うものや、インスピレーションを受けたものは3人でパッと共有できたので。細かいところは後々作業をするんですけど。こういう曲にしようっていう方向性が見えたとき、もう無駄なものは入れなくていいって判断したものが多かったですね。削る作業というよりも、最初から入れないというような。

木下:今まで以上に、勢いみたいなものや気持ちの部分で熱さが大きかったので。だからこそ、あれをつけて、これをつけて、こう考えてというよりは、出てくるものをみんなでバーッとやったかなと。制作やレコーディングのスパン的にも、熱が冷めないうちにやるみたいなところはありましたしね。

-歌詞の面も、そのときの心境がリアルに反映されているんですか。

木下:そうですね。前回の『Signs』(2013年リリースの5thアルバム)や今までの歌詞は、誰かに向けたものもありましたけど。今回はいつも以上に色濃く、自分たちに対する主観が強い。タイミング的にも思うことはありましたし、ターニングポイントみたいな時期でもあったので。そういう主観で歌っているものは多いですね。

-2012年にリリースしたベスト盤『locofrank 1998-2011』以降、ミニ・アルバム『ONE』(2012年リリース)や前作の『Signs』、そしてライヴの場においてもそうですが、メッセージを"発する"ということに重きを置いていましたね。

木下:震災以降ということもあって、いろんなことを考えさせられたし、みんなが知ろうとしていた段階やったと思うんですね。そこから自分たちで得たものを考えたうえで発信していく、メッセージに変えていくという作業やったんです。自分たちの心境とか、湧き上がってくる"覚悟"や"転機"というような今回のメッセージは、前回とはまた違ったアプローチではあると思うし。ただ、音楽をやる中で生まれる自分たちの言葉や、イエスということはイエスだと言うスタイルは、貫くことができたので。そこは引き続きlocofrankの要素としてちゃんと入っていると思います。

-Track.6「'98」という曲は、3人の出会いから、locofrankのヒストリーを語るような曲になっていますが、こういった曲も今だからこそ書けるというところもあるんですか。

木下:そういう始まりのときがあったから今があるというところですからね。17年、3人でできているっていうことが、普通に考えても奇跡に近いと思いますし、いい年になってきましたからね。改めて、自分たちのやっていることの素晴らしさを考えたうえで、先に進んでいけたらなという。