INTERVIEW
NoGoD
2013.08.29UPDATE
2013年09月号掲載
Member:団長 (Vo) Kyrie (Gt)
Interviewer:荒金 良介
-曲作り自体はスムーズに進んだんですか?
Kyrie:すごく大変でした。作り出せば大変ではないけど、作り出すまでが大変でしたね。ツアー中に曲作りしているので、ツアーでは常にライヴをどう良くしようか考えているわけで、作曲どころではなくなってくるんですよ。この2作ともそうだけど、「FRONTIER」だと、ああいうジャーマン・メタル的なものを本当にかっこいいと思える精神状態にならないと、出てこなくて。ちょっとダサいと自分が思ってしまうと、のめり込めなくなるんですよ。で、自分がしっくりくる無難な方向に流れてしまうと......今回やりたいことと変わってくるから。でも『V』のツアーは今のNoGoDがかっこいいと思える状態でやってるわけじゃないですか。その間を行ったり来たりしてるわけですよ。
-それは大変そうですね。
Kyrie:だから、自分がメタルがかっこいいと思う精神状態にならないと、前に進まないんですよ。この2作で言うと、一度スピード・メタル的なものをかっこいいと思うモードに入った後、今度は手数の少ないミドル・テンポの曲調をかっこいいと思う状態にならないと、曲が書けないんですよね。最終的に、なんだかよくわからない状態に陥って(笑)。実際に曲を書いてる時間なんて、この2作を合わせて3、4日なんですよ。でもパソコンに向かっていた時間は3週間以上ですね。構想はあるけど、それが何度も崩れて、堂々巡りをするという。
団長:そういうときはTwitterのつぶやきが増えるんですよ。意味もなく猫の写真がばかりアップされるという(笑)。
-はははは。ヘンな言い方かもしれませんが、自分が青春時代に聴いてきた血肉になった音楽と、今の自分との闘いみたいな感じなんですかね?「Carnival」は「Enter Sandman」(METALLICA)に対するNoGoDの回答と受け取りましたが。
団長:はははは、バレバレですね。
-いや、そのわかりやすさが面白いし、逆に勇気がいることだと思うんですよ。確固たる自分たちらしさがないと、ただのモノマネで終わってしまう。NoGoDのルーツ音楽と今がうまく融合しているなと。
団長:ギリギリのラインで、メンバー全員バックボーンが微妙に違うのが強みなんですよね。俺はMETALLICAを通ってないし、ハード・ロック、ヘヴィ・メタルが好きと言っても、この2人の間でも微妙に違いますから。メンバーによってはメタルを全く通ってない奴もいますからね。その辺がうまく混ざり合って、NoGoDらしさが出るんでしょうね。だから、大本にある音楽に寄っても120%模倣品にはならないんですよ。それができるのがウチらなのかなと。洋楽っぽさと本土っぽさがうまく混ざるという。
-「愛する者に薔薇を」もメタルが持つクサさと、NoGoDの中にある歌謡曲臭が絶妙に混ざり合ってるなと。
団長:いまだにそうだけど、自分たちってヘンな音楽をやってると思うんですよ。ハード・ロック、ヘヴィ・メタルですと言いつつも、誰に似てるんだろうって考えると、ピンと来ないんですよね。
Kyrie:じゃあ、言うなよ(笑)。
団長:いや、ハード・ロック、ヘヴィ・メタルはしてるんじゃん。明らかにPANTERAみたいなバンドはいるかもしれないけど......ウチらはそうじゃないし。
Kyrie:海外はわからないけど、国内はいろんな音楽がクロスオーバーしてるバンドは多いと思うよ。
団長:まあね......いろんな音楽を聴いてしまっているから、いろんなスタイルをやれる。でも核にあるのは激しい音楽ですからね。唯一メンバー全員、歌とメッセージは大事という部分で繋がってますからね。メタルってメッセージ性があるのに意外と本質は伝わらないじゃないですか。特にジャーマン・メタルは伝承系が多いから、鷹が飛びばいい、鍵を守ればいいみたいな......。
-(笑)。
団長:洋楽のメタルを聴いてるときにかっこいいと思うのは、単純に演奏と曲の構築美、あとメロディの流れとか......。洋楽を聴いても俺は日本人なので、何を言ってるかわからないんですよ。自分はJ-POPも聴くし、その中でいいメッセージの曲にも出会うわけですよ。もともとNoGoDを始めたときにメッセージ性のあるヘヴィ・メタル、泣けるメタル、幸せになるメタルをやりたかったんです。Jポップのようにスッと心に入ってくるヘヴィ・メタルをやれば、ヘヴィ・メタルの地位がもっと上がるんじゃないかと。そう思ってNoGoDを作りましたからね。今回8年越しで、やっとそれができたんじゃないかなと思ってます。