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INTERVIEW

Subciety × TOTALFAT

2013.01.30UPDATE

2013年02月号掲載

Subciety × TOTALFAT

Member:Shun (Vo/Ba) Jose (Vo/Gt)
Subciety : GEN

Interviewer:ムラオカ

-若手をフックアップするという意味も持っているということですよね?

G:そうですね。どんどん若いヤツが出てきて、上のヤツはもっと上に押し上げていくということも僕自身、もっとやりたいんですね。それを見て、新しくそういう風にやりたいという声も聞くし、“こういう風にやっていきたいんですけど、どうすればいいんですか”とか。まあ、それって見せ合うものではないし、成功するかどうかも分からないし、勝手にやればいいんだけど。でも、夢がないというのが1番寂しいじゃないですか。僕の場合は歳を取ってるので、もう夢じゃないですし、“やってやるよ”みたいな感じで、“こういうやり方もあるんだよ”、と見せてあげたいというか。俺自身不器用な人間で、人前に出るのも苦手だし、元々そんなに明るい人間じゃないですしね。特に名声はどうでもいい。そんな人間でもこれだけできるってことを見せたいという気持ちはありますね。

J:僕らが出演したA.V.E.S.T では、GENさんがA.V.E.S.T と書いてあるメッシュ・キャップを配ったんですけど、ある時に楽器屋に行ったら、そのメッシュ・キャップを被っているギタリストの男の子がいて、グッと来ましたね。僕たちのライヴをその子が観たかは分からないけど、関わった人間として、誇りに思って被ってくれていることがすげえ嬉しかったんです。同時にもっとちゃんとしなきゃなって思いましたね(笑)。

G:せっかくアパレルなので、つい何かプレゼントしてますね。音楽に関してはプロじゃないし、みんなは、得意でやっていると思っているかもしれないけど、そんなに音楽は詳しくないし、好きだけでやっているので、その分気持ちがいいですよ。そもそも俺は絵心もあまりないしね(笑)。

一同:(笑)

-キャップというのは、前回先着900名に配ったものですよね?

G:そうですね。みんなで被ったらどんな感じになるんだろう、そういう画が見たいなって思っただけです。チケット代も高いなと思うし、でも、ライヴに行ったらいいことがあるかもしれないという、1つのきっかけになればいいなって思います。さっきも話したけど、K君が亡くなって気持ちが落ち込んでいる時に、JESSE AND THE BONEZのライヴをSHELTERで観たんですが、最初は観ているのも変な感じだったし、酒を飲んでないとやってられない気分で、でも、段々とライヴを観ているうちに酒も美味くなって、気分も上がって来て少し吹っ切れた感じがしたんですよ。その時にやっぱり音楽の力ってすごいなって思ったんですよね。例えば、気持ちはどんなに落ち込んでいてもライヴを観るだけで、人はこんなに幸せになれるんだっていうのは、分かっていたつもりだったんですけど、大人になってからそういう感動とかってあまりなかったんです。でも今回こういうことが起きて、こういう感動を感じた時、改めて音楽ってすげえなって思ったんですよね。本当にその音だけとか、ライヴのステージだけで人がこれだけ元気になれるんだって身を持って感じて、最後はノリノリではないけど、少し吹っ切れたというか。実際に、自分の中でも大きな出来事だったし、その時は落ちる所まで落ちてる中、観に行ってたので、また音楽に対しての見方が大きく変わりましたね。

-eggmanというと、前回の取材で“もっと大きいハコでやるだけでなく、めっちゃ小さいハコでやるのもいいんじゃないですか?”という話をしたのですが、去年、一昨年の段階から小さいハコも使ってみたいという気持ちはあったんですか?

G:同じ目線でライヴが観たいんですよね。小さいハコは距離が近いですし、すごく好きですよ。

-バンドを観に行く時は小さいハコにも行くんですか?

G:行きますよ。ライヴは自分の生活に一部に組み込まれていので。自然と周りもそういう風になったらいいなとも思いますね。

-TOTALFATは東京でのライヴは大きいハコが多いですよね?

J:最近は増えてきましたね。

-地方では小さいハコでやったりするんですか?

S:基本的にはやっぱり200キャパ、300キャパですかね。小さい所だと100キャパぐらいの所でもやります。そこはケースバイケースでこだわってないですし、それぞれに良さがあると思ってます。

-大きい会場でずっとやっていると、ファンとの距離感を感じて、親近感を感じる小バコでやりたくなるというバンドさんもいらっしゃいますがいかがですか?

J:うちらはどっちも好きだよね?

S:そうだね。あとは、デカい会場でやる時はどれだけその会場を小さく感じさせられるかってことを意識してますね。

G:それは観ていて感じるし、大切なことだよね。

S:ロック・バンド、パンク・バンドはほとんどがライヴ・ハウスから生まれたものじゃないですか。どんなに大きな会場でやっても、ナマモノだからいろんなことが起こって、ある人はそれを奇跡と呼んだり、歴史に残るライヴと呼んだりとか、いろんな表現の仕方があると思うんですけど、まずはその熱量とかそういうものをできるだけ小さく熱く感じさせられるかというのが、ライヴ・ハウスから生まれたバンドの醍醐味だし、楽しみだと思いますね。

G:A.V.E.S.T では他のイベントとは“ちょっと違うというか、“一瞬で終わり”みたいな感覚は出したいんですよね。時間も今回は長いし2箇所だけど、その中で“こんなに早く時間が経っちゃったんだ”という感覚は出していきたいです。俺もいつも“あ、終わっちゃった……明日からまた服か”って感じるし(笑)。

一同:(笑)

G:服より音楽の方がいいなって思うことは多いんですよ。服は直接、買ってくれたお客さんがどういう気持ちなのかっていう感情は見えないんです。うちの服を着たお客さんだったり、うちのイベントのTシャツを着ている人がライヴ・ハウスで遊んでいるのを見ると、感情が見られるじゃないですか。それが音楽の堪らないところですよね。

S:現場で完結できるということですよね。

J:僕らも、物販に関してもできる限りはずっと自分たちでやってたんです。チケットを買って来てくれる人に対して、自分でチケット代をもらって、もぎってという訳ではないので、その時の感情は分からないんですよね。ライヴと同じぐらい自分らの曲と物販に関しても、同じ気持ちで作っているつもりなんです。それで、同じ評価としてお金をもらっているので、自分で受け取って受け渡したいと思っていたのでなるべくやるようにしていたんです。1言、2言喋れるだけでも、良かったなと思うし。逆に僕らの場合は街でSubcietyとかを着ている子を見るじゃないですか、でも街でTOTALFATを聴いている子は、耳元でしか流してないから、もしかしたらすれ違っているかもしれないけど僕らは分からないじゃないですか。

G:飲食店でSubcietyを着ている人がいると、絶対に席を離れて座ります。

S:電車とかでTOTALFATのキーホルダーとか見つけると、アピールしたいけどやめとこうって思っちゃいますね。

G:ファンに話しかけられたくないんですよ。俺って本当にそういうヤツなんです。他のブランドの社長とかと違って、名声に対して拒否感があるんですよね。Subcietyが結構いい感じになって、前より人から持ち上げられることが多くなった時に、“俺っぽくないな……あんまり知られてないのが俺なんだけど”って思ったんです。“Subcietyってあなたなんですね”ぐらいが良かったのに、“あっSubciety!”ってなった時に、“Subciety凄いなー”って、今では他人事みたいに感心しているし、好きで着てくれる人には感謝しています。冷たくしてごめんね(笑)。

S:やってる人と、その人が掲げてる看板って、どっちが前に出るかって結構大事じゃないですか?

J:俺らも結構あるよね。