INTERVIEW
IMAGINARY FLYING MACHINES
2012.03.09UPDATE
Member:Ettore Rigotti
Interviewer:米沢 彰
-いきなりですが、このジブリ・カヴァー・プロジェクト、IMAGINARY FLYING MACHINESが始まったきっかけについて教えて下さい。
友達が、“ジブリのメタル・カヴァーをしたら面白いんじゃない?”、と言い出したのがきっかけなんだけど、もともとジブリのファンだったし凄く楽しくやれたね。
-ジブリ・カヴァーをご自身のバンドであるDISARMONIA MUNDIではなく、Coroner Recordsの所属アーティストを中心としたIMAGINARY FLYING MACHINESというプロジェクトとして立ち上げたのはどういった理由からでしょうか?
そうだね。このアルバムのプロデュースは全て俺が手がけているんだけど、全ての曲がDISARMONIA MUNDIによってアレンジされたわけではないんだ。友達のバンドたちの助けもたくさん借りたしね。大体1バンド、1、2曲手伝ってもらってることが多くて、ものによっては俺自身がヴォーカルとして参加したり、アレンジも一緒にしたりしているけど、それはDISARMONIA MUNDIの曲とは呼べないし、みんなの力があって完成した作品だからね。強いて言えば、やっていくうちに自然とそうなったというのが理由かな。
-1作目を制作したとき、こうして2作目をリリースすることになると思っていましたか?
本当の事をいうと全く思っていなかったんだ。ある意味“常軌を逸した”このメタル・カヴァー・プロジェクトにこんなにも大きな反響が返ってくるなんて想像もしていなかったらね。でも、リリース直後に出たリアクションを聞いて、すぐに2作目のことは考え始めてたよ。
-スタジオ・ジブリの映画はご自身でもご覧になっていましたか?もし好きな作品やシーンがあれば教えて下さい。
もちろん見ていたよ。はじめにいった通り俺はジブリの大ファンで、その中でも、『千と千尋の神隠し』、『ハウルの動く城』、『となりのトトロ』が大好きなんだ。『千と千尋の神隠し』なんかは、見た瞬間に恋に落ちたといっても過言じゃないね。オールド・スクールともいえる細微まで事細かに気を配られた画、それによって作り出される不思議な世界観に魅了されっぱなしさ。最近俺たちが慣れ親しんでいるデジタル・アニメーションとは一味も二味も違うね。楽器やスタジオの機材でいうところの“ヴィンテージ”や“ハンド・メイド”に近い感覚かもね。最近の大量生産されているデジタル機材よりもやっぱりいいという点でね。
-twitterの世界記録を作ってしまったぐらいに、日本ではジブリ映画は愛され親しまれています。(『天空の城ラピュタ』がテレビ放送された際、有名な“バルス!”のセリフの瞬間にtweet数の世界最高記録が生まれました。)そんなジブリ映画のトラックの数々をフィーチャーしているということで、前作の『Princess Ghibli』はここ日本ではtwitterを始めネット上やリアルで相当話題になりました。その反応はあなたにも届いていましたか?
もちろん。その影響でヨーロッパでもちょっとしたリアクションがあったくらいさ。日本であったリアクションの大きさとは比べ物にはならないけどね。俺が思うに、ジブリは日本の国民的な文化といってもいいくらいなんじゃないかな。例えばここイタリアでいうところのMichelangelo、Raffaello、Giuseppe Verdi、Caravaggioといった人たちのようにね。国の宝だよ。
-ここまでのクオリティとオリジナリティを備え、更に話題となったカヴァー作品というのはあまり聞いたことがありません。カヴァー作品を作り上げる上で、どういった点を意識しましたか?また、各参加アーティストに対して具体的なイメージや要望を出したりしましたか?
1番重要なのは、どうやって曲をリアレンジするか、という最初のアイデアだね。それが出来てしまえばあとはポスト・プロダクションの仕事で、いかに1つ1つの要素に息を吹きこんでやるか、そして正しく色付けをしてあげるかの作業なんだよ。俺はそれぞれのバンドにどうこうしてくれっていう具体的な指示は出したことが無い。だって、彼らの音楽や音楽性が好きで選んでるわけだから、黙っててもいいものが上がってくると信じてるからね。その上がってきたものに対して俺の色が加わるのはそこから先の話さ。歌録りやポスト・プロダクションでね。これは1枚目も2枚目も変わらない、とても自然な作業の流れだと思うよ。
-UK在住の日本人女性ヴォーカリストYoko Hallelujahさんがこのプロジェクトに加わった経緯を教えてください。
もともとこのジブリのアルバムのために女性シンガーを探していて、このアルバムのリリースのコーディネートをしてくれているスタッフがYokoのことを紹介してくれたんだ。彼女の音楽的経歴をぱっと見て、彼女をすぐにこのプロジェクトに呼んだよ。彼女はとても才能があるし本当のプロのシンガーだったからね。
そして、そこにBLOOD STAIN CHILDのSophiaが加わった、最高の女性シンガー2人とこのプロジェクトを進めることになったんだ。