FEATURE
IMAGINARY FLYING MACHINES
2013.01.08UPDATE
2013年01月号掲載
Writer 米沢 彰
2011年、シーンに衝撃を与えた『Princess Ghibli』のリリース。誰も予想だにしなかった、ジブリ作品の名曲たちをメタル・アレンジするという斬新なスタイルにメタル・ファンたちが驚きと賞賛を与えたまさに問題作だったが、翌2012年にリリースされた『Princess Ghibli II』では、シンプルなメタル・アレンジからダンス的な要素やトランス的な要素など、様々なテイストが加わり、もはや“ジブリ・メタル”という1ジャンルを築いたかのような多様性が生まれてきていた。加えて、今年は更にリミックス&ベスト盤のリリースと、畳み掛けるようにリリースを重ねているが、決してマンネリ感はなく、当初の衝撃はそのままにリミックスにより更にその完成度を上げたトラック、その表情を大きく変えたトラックたちは新たな“ジブリ・メタル”の境地を創り出している。オートチューンも随所で使用されており、踊れるミックスが多いことから若干“チャラい”印象もあるが、それも現代的、ということで今の若いラウド・ファン、メタル・ファンには馴染みやすいのかもしれない。一聴すると、1st、2ndと同じトラックに聴こえても、良く聴きこんでいくとさらに細部が煮詰められ進化していることが分かる。Ettore Rigotti(DISAMORNIA MUNDI)を筆頭に、NEROARGENTO、DESTRAGE、BLOOD STAIN CHILD、LIVING CORPSE、RISE TO FALLら海外のアーティストがジブリの名曲たち、そして世界観へリスペクトを込めて作りこんだトラックたちをトクと味わうがいい!
REMIXERS
イタリアのヘヴィ・メタル・ミュージシャン、音楽プロデューサー、 レコーディング・エンジニア。DISARMONIA MUNDIの中心人物。
イタリアの“1人LINKIN PARK”と称される鬼才
LIVING CORPSEのギター、Emanuele Ciancioの別プロジェクト
PICK UP TRACKS
From : 魔女の宅急便
Artist : THE STRANDED
Remixed by : Ettore Rigotti
オートチューン全開のチャラいリミックスが施されたこのトラックはこのリミックス&ベスト盤の象徴的な存在。クラブでセレクトされてもおかしくない、ダンサブルなリズムがサイコー!!
From : となりのトトロ
Artist : DISARMONIA MUNDI
Remixed by : Ettore Rigotti
ジブリ・メタルはこのトラックから始まったと言っても過言ではない、衝撃の1作目の1曲目が再びリミックスで命を吹き込まれた!曲をスポイルする方向ではなく、また全く趣向を変えるでもなく、よりトラックの素を引き出すリミックスは1作目が好きなモノこそ聴くべきだ。
From : 崖の上のポニョ
Artist : DESTRAGE
Remixed by : Ettore Rigotti
これも1作目で最も衝撃を与えたトラックの1つ。「ポーニョポニョ」とまさかスクリームで連呼されるとは誰も予想しなかったあのトラックが、勢いはそのままに、ややエレクトリックな雰囲気をプラスして収録。やっぱ何度聴いても衝撃的です。
From : 崖の上のポニョ
Artist : LIVING CORPSE
Remixed by : SPIKESEVEN
やや脱力感のあるシンセと、軽めのリズム・サウンドが大きく元のテイストから引き離したトラックとして生まれ変わらせた、ちょっと実験的ですらあるトラック。何度か聴いているうちに、緩さと独特のトーンで妙な浮遊感が不思議とクセになるハズ!
PAST SPECIAL
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