INTERVIEW
UNEARTH
2011.07.13UPDATE
2011年07月号掲載
Member:Trevor Phipps(Vo)
Interviewer:米沢 彰
-『Darkness In The Light』の完成おめでとうございます。今の率直な感想を教えて下さい。
このアルバムは俺たちが現在持っている力を全てテーブルの上に出した上で、それを使って今作り得る最高の曲を書いて作られたアルバムなんだ。メンバー全員、今までにアルバムを作った時よりも更にその意欲に燃えていたと思う。今までで一番良い作品になったんじゃないかな。新曲をファンの前で演奏するのが待ちきれない気持ちだよ。
-これまで、ちょうど2年置きにアルバムをリリースしていましたが今回は3年振りと少し間が空いてしまいましたね。それだけ今回の作品には準備の期間をかけたということでしょうか?
実は準備に特別長い時間を掛けたというわけではないんだ。ただ『The March』のリリース後に大きなツアーの話を立て続けにもらっていて、それをこなしていたら時間が経ってしまったっていうことなんだよね。それでも去年の冬あたりには素晴らしいツアーの誘いが2つあったんだけど、そろそろ次のアルバムを作らなきゃっていうことで断ったんだ。だからただ忙しくてアルバムが作れなかったっていうだけだよ。
-今回もプロデューサーにはAdam Dutkiewicz(KILLSWITCH ENGAGE、TIMES OF GRACE)を起用していますが、あなた方からみた彼の魅力や彼と制作をすることの利点を教えて下さい。
彼とは、もう10年以上の長い付き合いになる友人なんだよね。だから彼をエンジニア、プロデューサーとして迎えて一緒に仕事をするのが快適なんだ。彼は俺たちの性格も知っているし、サウンドも知り尽くしているから、彼と仕事をするといつも素晴らしい結果が出るんだよね。アルバムのレコーディングの際は、彼はUNEARTHのメンバーの1人みたいな感覚だよ。
-『Darkness In The Light』というタイトルは一見矛盾しているようですが、このタイトルに込められた意味を教えて下さい。
これは人生における困難のことを指しているんだ。たくさんのポジティブなことが自分の人生で起きていても、ネガティブな出来事が起きてそれが自分が落ち込む原因になってしまう。歌詞の中には“苦しみや困難と闘い、前に進んで暗闇(Darkness)から抜け出そう”というようなメッセージがたくさん込められている。
-『Darkness In The Light』を拝聴しましたが、それぞれの楽曲がメタル・コアの枠に留まらず緻密でメロディアスに作り込まれている印象を強く受けました。メロディや展開についてはかなり意識されたのでしょうか?
メタルの音楽の場合、曲のヘヴィな部分の周りにメロディを入れると更にヘヴィになるっていう法則があると思うんだ。多様なメタル・リフで、聴いている人はジェットコースターのように変化を楽しめる。この要素があると完成度の高い良い曲ができるよね。これは俺たちの5枚目のアルバムだけど、アルバムを作る度に作曲は上手くなっていると思うよ。
-今作では曲自体も短くまとまっていますが、トラック・タイトルも簡潔でシンプルなものが多いですね。この辺りはアルバムとしてのコンセプトやメッセージと関わっているのでしょうか?
インパクトのあるアルバムっていうのは構成や作り方を工夫して、簡単に素早く理解できるものにされていることが多いと思うんだ。俺たちは今まで長い曲やカオティックな曲、長い曲名、色々試してきたけど、結局こういうスタイルが詞のコンセプトも伝わりやすいと思ったんだ。ミュージシャンとしての成長は前回のアルバムを作ったときにもあったけど、今回は更に成長したんじゃないかな。でも今回はそれを上手く短い曲の中に収めることに成功したんだ。
-これまでもそうですが、UNEARTHの楽曲は勢いとエネルギーに溢れながらもテクニカルな一面もあって、一枚通してずっと聴いていても飽きないですよね。作品を通して、また一曲毎に色んな側面を持たせた結果だと思うのですが、あなた方は一体どういった過程で楽曲の制作を進めているのでしょうか?あまり単純な作り方ではないように思います。
俺たちはいつもギターリフを最初に作るんだ。そして良いリフをピック・アップしたらBuz McGrath(Gt)とKen Susi(Gt)がそれを他のメンバーに伝えて、みんなで曲を作っていく。ドラムを加えて、最後のヴォーカルのアイディアを出していくんだ。全員が作曲に関わって、全員で考えることにしてる。このやり方は1998年にハンドを始めたときから変わらないよ。
-特にギター・パートは更に一歩進んでテクニカル志向と言っても過言ではないほどにギターソロが増えたように感じましたが、ご自身では如何でしょうか?
アルバムを出す毎にソロが増えてるけど、今回はギターソロは凄く増えているね。BuzとKenは2人で一緒に弾き始めてから長いけど、俺は彼らが現在のメタル界でも技術と作曲の両方でトップクラスの能力があると思ってるよ。